心房粗動の基礎知識
しんぼうそどう 心房粗動 心房の中の異常電気の発生が原因で起こる不整脈。心房の中を電気がぐるぐると回る(旋回する)ことが原因で通常よりも早い刺激が心臓に伝わる 4人の医師がチェック 107回の改訂 最終更新: 2019.12.20 (園田 唯・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師心臓にある心房という部位の異常な電気刺激が原因で起こる不整脈です。弁膜症や心筋梗塞などが原因となって起こることが多いです。主な症状は動悸、めまい、冷や汗などがメインですが、症状が強いときには胸痛や意識消失を生じることもあります。症状と身体所見に加えて、心電図検査や心臓エコー検査を用いて診断します。治療には薬物治療、アブレーションというカテーテル治療があります。また緊急で特に血圧が下がったり意識が遠のいたりするときは電気的除細動を積極的に行います。心房粗動が心配な人や治療したい人は、循環器内科や救急科を受診して下さい。
- 心房の中の異常電気の発生が原因で起こる不整脈。心房の中を電気がぐるぐると回る(旋回する)ことが原因で通常よりも早い刺激が心臓に伝わる。
- 心房は毎分300回のペースで興奮する一方で、心室は興奮が追い付かず心房に対しておおよそ2回-4回程度に1回の頻度で興奮する
- 心房(右心房と左心房)と心室(右心室と左心室)は異なるペースで脈打つことが多い
- 1日の間で出たり消えたりすることがある
- 心房粗動がある人は心房細動などほかの不整脈が見つかることも多い
- 主な原因
- 心房の中の電気の流れ方が異常になること(リエントリーの出現)が原因
- 弁膜症や心筋梗塞などの心臓に負担がかかる病気が原因なる
- 頻度
- 発症率はおよそ1.6%
- 男性に多い
- 加齢とともに発症率は増加する
- 病気の知識
- 頻脈による動悸を感じる程度では重症になることは少ないが、進行すると命に関わるの注意が必要である
- 心臓がうまく血液を送り込めなくなってしまい、血圧が下がったり意識が遠のいたりする
- 心臓の中に血のかたまりができることがあり、脳卒中などの重大な病気につながる
- 頻脈による動悸を感じる程度では重症になることは少ないが、進行すると命に関わるの注意が必要である
- 主な症状
- 動悸
- 全身のだるさ
- 胸の痛み
- めまい
- 冷や汗
- 脈が速すぎる場合には意識消失することもある
- 心臓超音波検査(エコー検査)
- 心臓の動きなどを調べる
- 弁膜症など心房粗動の原因を調べる
- 心電図検査
- 心房粗動に特徴的な波形がないかを調べる
- 規則正しい波形の出現
- P波の消失
- ノコギリ型のF波の出現
- 心電図だけでは上室性頻拍など他の不整脈と紛らわしいときがあり、そのようなときには薬剤(アデホスなど)を使ったときの心電図の変化を見ることもある
- 24時間かけて心電図を計測し続けるホルター心電図(ポケットに入るような機械を装着し続ける)で、より詳細に心臓の状態を調べることができる
- 心房粗動に特徴的な波形がないかを調べる
心房粗動の治療法
- 治療の目的
- 大きく分けて3つ
- 心房の電気の流れを正常化させてリズムを正しくすること
- 心房が脈打つのが早すぎる場合、それを適切な範囲までゆっくりにすること
- 血栓症を起こさないように、血液を固まりにくくすること
- 大きく分けて3つ
- 主な治療
- 除細動治療
- 心臓に電気ショックを与える
- 特に血圧が下がるなど重症な時に行う
- 緊急時を除き、麻酔をした上で行う
- 薬物療法
- 抗不整脈薬:脈を規則正しいリズムに戻す
- β遮断薬、カルシウムチャネル拮抗薬:脈を抑える薬
- 抗凝固薬:血液を固まりにくくする薬(ワーファリンやそれに変わる新薬)
- カテーテルアブレーション治療
- カテーテルを用いた治療で不整脈が起こらないように治療をする
- 心房粗動は旋回する電気の回路がおおよそわかっている不整脈なので、90%程度の成功率で以降不整脈が出なくなる
- 薬剤での治療では完全に不整脈が出なくすることはできない
- アブレーションでの治療では成功すれば不整脈が完全に出なくすることが出来る反面、治療の際に合併症(脳梗塞や出血)などがおきることがゼロではない
- 除細動治療
- 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
- 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
- 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
- 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
- 治療有効域が狭い薬とされる
- 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
- 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
- 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある
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