底の変換公式の証明と例題
底の変換公式の証明と例題

底の変換公式の証明と例題

底の変換公式の証明と例題
  • レベル: ★ 基礎
  • 指数・対数関数

更新 2024/11/11

底の変換公式

a,b,c>0a,b,c > 0a,b,c>0,a,c≠1a,c\neq 1a,c=1 のとき log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}loga​b=logc​alogc​b​ が成り立つ。

底の変換公式について,意味と証明を解説します。

底の変換公式とは

  • 対数 log⁡ab\log_a bloga​b について,aaa の部分を底と言います。
  • 底を aaa ではなく ccc に変換したい! という場合があります。
  • そんなときに使えるのが,以下の底の変換公式です: log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}loga​b=logc​alogc​b​ 左辺では底が aaa ですが,右辺では ccc に変換されています。
例題1

log⁡48\log_4 8log4​8 の底を 222 に変換して計算せよ。

解答

a=4,b=8,c=2a=4,b=8,c=2a=4,b=8,c=2 として底の変換公式を使うと, log⁡48=log⁡28log⁡24\log_4 8=\dfrac{\log_2 8}{\log_2 4}log4​8=log2​4log2​8​ となり底が 222 になった。log⁡24=2\log_2 4=2log2​4=2,log⁡28=3\log_2 8=3log2​8=3 なので,右辺は 32\dfrac{3}{2}23​ になる。

底の変換公式の証明

底の変換公式 log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}loga​b=logc​alogc​b​ を証明してみましょう。証明に使うのは,以下の2つです。

  • 対数の定義: log⁡ab\log_a bloga​b とは ad=ba^d=bad=b を満たす ddd のこと
  • 対数の性質: log⁡caX=Xlog⁡ca\log_c a^X=X\log_c alogc​aX=Xlogc​a
証明

「ad=ba^d=bad=b を満たす実数 ddd を log⁡ab\log_a bloga​b とする」というのが対数の定義であった。

つまり,alog⁡ab=ba^{\log_ab}=baloga​b=b が成立する。

両辺の対数を取る(底は ccc )と,

log⁡calog⁡ab=log⁡cb\log_c a^{\log_a b}=\log_c blogc​aloga​b=logc​b

ここで,対数の性質: log⁡caX=Xlog⁡ca\log_c a^X=X\log_c alogc​aX=Xlogc​a を用いて左辺を変形すると以下を得る。

log⁡ablog⁡ca=log⁡cb\log_a b\log_c a=\log_c bloga​blogc​a=logc​b

両辺を log⁡ca\log_c alogc​a で割ると底の変換公式を得る。

底の変換公式の使い方のコツ

  • 底の変換公式:log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}loga​b=logc​alogc​b​ を使うと,対数の底を aaa から ccc に変換できます。そのため,底の変換公式は,対数の底をそろえるために使われます。

  • 底の決め方(いくつにそろえるか)で迷う人がいますが,後述の例題で見るように底はなんでもOKです。

底の変換公式を使う例題

例題

log⁡48\log_4 8log4​8 を計算せよ。

解答

底の変換公式を使って底を 222 にするのがスタンダードな考え方。

log⁡48=log⁡28log⁡24=log⁡223log⁡222=32 \log_4 8=\dfrac{\log_2 8}{\log_2 4} =\dfrac{\log_2 2^3}{\log_2 2^2} =\dfrac{3}{2} log4​8=log2​4log2​8​=log2​22log2​23​=23​

別解

スタンダードであるだけで,底は 222 である必要はない。なんでもよい。

log⁡48=log⁡c8log⁡c4=log⁡c23log⁡c22=3log⁡c22log⁡c2=32\log_4 8=\dfrac{\log_c 8}{\log_c 4} =\dfrac{\log_c 2^3}{\log_c 2^2} =\dfrac{3\log_c 2}{2\log_c 2} =\dfrac{3}{2}log4​8=logc​4logc​8​=logc​22logc​23​=2logc​23logc​2​=23​

注:慣れていれば普通に 432=84^{\frac{3}{2}}=8423​=8 より log⁡48=32\log_4 8=\dfrac{3}{2}log4​8=23​,と一瞬で計算できます。

例題2

log⁡35log⁡57log⁡79\log_3 5\log_5 7\log_7 9log3​5log5​7log7​9 を計算せよ。

解答

底は何でもいいが,9=329 = 3^29=32 で 5,75,75,7 は素数であることから 333 にそろえるのがオススメ。

log⁡35log⁡57log⁡79=log⁡35log⁡33log⁡37log⁡35log⁡39log⁡37=log⁡39log⁡33=2\begin{aligned} &\log_3 5\log_5 7\log_7 9\\ &=\dfrac{\log_3 5}{\log_3 3}\dfrac{\log_3 7}{\log_3 5}\dfrac{\log_3 9}{\log_3 7}\\ &=\dfrac{\log_3 9}{\log_3 3}\\ &=2 \end{aligned}​log3​5log5​7log7​9=log3​3log3​5​log3​5log3​7​log3​7log3​9​=log3​3log3​9​=2​

別解

もちろん底は 333 である必要はない。なんでもよい。

log⁡35log⁡57log⁡79=log⁡c5log⁡c3log⁡c7log⁡c5log⁡c9log⁡c7=log⁡c9log⁡c3=log⁡c32log⁡c3=2log⁡c3log⁡c3=2\begin{aligned} &\log_3 5\log_5 7\log_7 9\\ &=\dfrac{\log_c 5}{\log_c 3}\dfrac{\log_c 7}{\log_c 5}\dfrac{\log_c 9}{\log_c 7}\\ &=\dfrac{\log_c 9}{\log_c 3}\\ &=\dfrac{\log_c 3^2}{\log_c 3}\\ &=\dfrac{2\log_c 3}{\log_c 3}\\ &=2 \end{aligned}​log3​5log5​7log7​9=logc​3logc​5​logc​5logc​7​logc​7logc​9​=logc​3logc​9​=logc​3logc​32​=logc​32logc​3​=2​

なお,覚えておきたい対数(log)の応用公式4点セットの公式(ii)を使えば一発で

log⁡35log⁡57log⁡79=log⁡39=2\log_3 5\log_5 7\log_7 9=\log_3 9=2log3​5log5​7log7​9=log3​9=2 が分かります。

底の変換公式は,底の「a→ca\to ca→c」という変換です。 ccc がなんでも良いというのが面白いです。

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

この記事の監修者

マスオ

東京大学大学院情報理工学系研究科修了/2014年にWebサイト『高校数学の美しい物語』を立ち上げ/著書累計 50,000部突破/「わかりやすいこと」と「ごまかさないこと」の両立を意識している。 →著者情報・書籍一覧を見る

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