スイスのスキーリゾート火災、シャンパンボトルに付けた花火がなぜ瞬時に大火災につながったのか
スイスのスキーリゾート火災、シャンパンボトルに付けた花火がなぜ瞬時に大火災につながったのか

スイスのスキーリゾート火災、シャンパンボトルに付けた花火がなぜ瞬時に大火災につながったのか

バーは2階に分かれており、地下で火災が発生したとみられる/CNN via CNN Newsource

(CNN) スイスのスキーリゾート地クランモンタナのバーで1日に発生した大規模火災では、少なくとも40人が死亡、119人が負傷した。

スイスのパルムラン大統領は、バー「ル・コンステラシオン」で発生した火災について、同国史上「最悪規模の悲劇」と評した。

スイス当局は2日、公式調査は継続中としながらも、シャンパンに取り付けた花火が火災の原因である可能性が高いと発表。新たに公開された映像や目撃証言からは、天井のパネルが引火しやすい素材だったことや、バーにすし詰めになっていた若者らが狭い避難経路に殺到するなど、複数の要因が重なり合った悲惨な状況が浮かび上がる。

新年を祝うパーティー

目撃者によると、バーには12月31日、新年を祝うため約200人が集まっていた。

オンラインで拡散している画像には、バイクのヘルメットをかぶり肩車をされたスタッフが、人混みの中、花火を取り付けたシャンパンボトルを手にする様子が写っている。

花火を取り付けたシャンパンボトルを手にするウェイター。画像はSNSから取得/From social media

ある動画では、少なくとも6本のボトルが宙に掲げられ、天井からは炎と煙が噴き出している。

専門家は、花火が天井の音響パネルに引火したとの見方を示す。パネルは音響を向上させる目的で設計されている一方で、非常に燃えやすい。独立系火災コンサルタントのスティーブン・マッケンジー氏はこの素材を「プラスチックガソリン」と表現。そのために多くの若者が1度から4度のやけどを負ったと指摘している。

別のSNSの画像は天井に引火した様子をとらえている/From social media

スイスの司法当局幹部ベアトリス・ピルー氏は2日、記者団に対し、バーに設置された発泡パネルが規制に準拠していたかどうかを調べていると述べた。

急速に広がる火災

火災は発生すると、急速に燃え広がった。

ある動画には、若い男性が布で火をたたき、消火しようとしている様子が映っている。他の人々は差し迫った危険に気づいていない様子で、携帯電話で録画したり、踊り続けたりしている。

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目撃者の一人は、「天井が燃え始めてから10秒くらいもしないうちにナイトクラブ全体が燃え上がった」と語った。

恐怖にみちた脱出

ラウンジに煙が充満し、火が燃え上がると、人々は狭い階段に殺到した。

CNNが確認した映像には、数十人が出口で足止めされ、濃い赤い煙が建物を覆う中、1人が窓から飛び降りる様子が映っている。

マッケンジー氏は、火災が急速に燃え広がったのは「フラッシュオーバー」によるものだと説明した。フラッシュオーバーとは、室内のすべてのものがほぼ同時に燃える現象を指す。

マッケンジー氏は、防火扉が開いた際に「煙突効果」が生じ、煙と可燃性ガスの上方への流れが加速した可能性があると述べた。「煙は実際には燃えている。つまり『フラッシュオーバー』だ」

ピルー氏は2日、すべての兆候がこの説を裏付けていると述べた。「現状では、シャンパンボトルに取り付けられた花火か炎が天井に近づきすぎたことで発火し、非常に急速にフラッシュオーバー火災へと発展した可能性が高い」

ローザンヌ出身のレティシア・プラスさん(17)は、狭い出口に人が押し寄せたために脱出が困難だったと語った。

「最初の階段は幅が広くて通りやすかったけど、その先の小さな扉のところで押し合いになって、みんな落ちて、重なり合って、やけどした人もいれば、隣には亡くなっている人もいた」と、プラスさんはロイター通信に語った。

現場のバー「ル・コンステラシオン」の経営者が2016年8月にトリップアドバイザーに投稿した写真。少なくとも2階にまたがっており、下層階に続く階段がある/Le Constellation

CNNが入手した動画には、外で横たわり、動かなくなっている複数の人を通行人が助けようとしている様子が映っている。

スイスの救急隊は火災発生から数分のうちに出動し、負傷者をスイス国内および国外の病院に搬送。約50人が特別な治療のため欧州諸国の病院に搬送済み、または搬送予定となっている。

現場付近に住む男性は、燃え上がる建物から逃げる人々を助けようと駆けつけた。バーの裏手にある非常口は脱出しようとしている人々であふれかえっていたと語った。

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ジュネーブ大学病院の救急医療責任者はCNNに対し、同病院が受け入れた患者のほとんどは15~30歳で、フラッシュオーバーやバックドラフト(酸欠状態の火に新たな酸素が供給されることで起きる爆発)による「極めて重度のけが」を負っている患者が多いと語った。

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