意味が分かると怖い話 解説付き
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前のエピソード――第13話 ドローン

俺達は凄く貧乏で、家電も中古のものばかりを使っていた。

そんな俺と妻がお金を出し合って、初めて新品で買ったのはエアコンだった。

今まで扇風機で過ごしていた俺達は、エアコンの快適さに手を取り合って喜んだものだ。

あまりにも快適なせいで、俺はすぐにエアコンに頼るようになってしまった。

すぐに温度を下げたり、付けたまま寝たり、とにかくズボラだった。

妻はその都度、温度を調節したり、電源を消したりと調節してくれていた。

俺はずっと、電気代がかかるからと思って、やってくれてるのかと思っていたが、俺の体調を気にしてくれてということだった。

もし、電気代を節約するつもりなら、そもそも、エアコンを付けさせなかった、だって。

……確かにそうか。

そう考えると、妻の、俺への献身はかなりのものだったと気づく。

食事だって、バランスが考えられていて、しかも、飽きない工夫をしていた。

洗濯だって、掃除だって……生活の全てが、妻の思いやりに包まれていたんだ。

こういうのは、本当にわからないものだ。

実際に、自分でやってみないとね。

だから、よく夫婦仲が悪いなんて話を聞くけど、一度、家事とか全部やってみたら、と言いたい。

どれだけ自分が恵まれていたか、どれだけ自分が想われていたか、がわかると思う。

お勧めするから、是非、やってみてほしい。

話は変わるけど、今は、生活はそれなりに安定している。

極貧生活時代から見ると、給料は2倍以上。

しかも、当時、妻が働いていた分も含めての話だ。

今までのことを取り返すように、俺は家電を買い替えた。

冷蔵庫や洗濯機、掃除機。

最新の家電は性能がよくて、随分と楽が出来る。

あの頃、こうやって買うことができれば、生活も随分と楽になったんだろうか?

まあ、言ったところで、どうしようもないけど。

でも、買い替えられない家電がある。

……そう、エアコンだ。

なんていうか、妻との思い出の一品というか、どうしても買い替える気にはならなかった。

ただ、エアコンは使い方を変えなくてもまだまだ現役だ。

今でも快適に使わせて貰っている。

朝は起きて、すぐにエアコンのスイッチを入れる。

今日は少し暑いので24度に設定を下げる。

そして、朝食を用意する。

お弁当は、今はさすがに無理だけど、後々は作ろうと思ってる。

夕飯も、前はお弁当だったけど、今では材料を買って帰って作っている。

ただ、やっぱり、レパートリーはまだ少ない。

これも、後々は増やしていこう。

それにしても、今日は妙に暑いな。

俺はエアコンの設定を24度に下げた。

終わり。

 

■解説

語り部の男の妻はすでに亡くなっている。

そんな中、死んだ妻に心配をかけないように、ズボラな語り部も、色々と気を使っている。

しかし、エアコンに関しては、使い方を変えていないのに、朝にはエアコンが消えていることや、設定も変わっている。

もしかすると、語り部の妻は、心配で見守り続けているのかもしれない。

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