心室細動の基礎知識
しんしつさいどう 心室細動 不整脈によって心室が不規則にけいれんして血液を全身に送り出せない状態。数分以内に死に至る非常に危険な不整脈 14人の医師がチェック 131回の改訂 最終更新: 2025.01.06 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師心室細動(Vf: ventricular fibrillation)は心臓の中でも全身に血液を送り出す、特に重要な部位である左心室で突然けいれんの起こる病気です。不規則かつ小刻みにけいれんするために、全身へ血液が送り出せなくなります。そのため意識消失やけいれんが起こります。心室細動は致死的不整脈と呼ばれており、数分この状態が続くと死に至ります。 診断は症状と心電図検査を用いて診断します。また、原因を調べるために血液検査や心臓エコー検査などを用いることがあります。根本的な治療は電気的除細動になりますが、正常な心臓の動きを取り戻すまで心臓マッサージを継続的に行う必要があります。また、心室細動の予防のために抗不整脈を用いることもあります。心室細動が心配な人や治療したい人は、循環器内科・救急科を受診して下さい。
- 不整脈の一種で、心室が不規則にけいれんしてしまい血液を送り出せない状態(致死性不整脈)
- 心肺停止を突然起こす病気の一つ
- 心臓に不規則な電気信号は起こっているが血流を送り出せていないため、心臓は止まっているのと事実上変わらない
- そのままでは数分以内で死に至る非常に危険な状態
- 主な原因
- 心筋梗塞
- 電解質異常(体のミネラル成分のバランスを保てていない状態)
- 遺伝的な心臓の異常
- ブルガダ症候群という日本人に多い心臓の病気は心室細動を起こしやすいことが知られている
- 若い男性に多く、家族に心室細動になった人あるいは不整脈で亡くなった人がいる場合は、自分の心臓の状態を一度しっかりと調べた方が良い
- 明らかな原因が特定できない場合もある
- 医療者を中心にVFとも呼ばれる
- 心室細動を英語で表記したventricular fibrillationの頭文字をとったもの
- 主な症状
- 突然の意識消失
- 全身のけいれんが起こることもある
- 心室細動が起こっている時には確実に気を失って倒れているため、症状を自覚できることはない
- 心臓が血液を送り出せていないので、脈も触れられない
- 心電図
- 不整脈が生じていることなどを確認する
- ただし、血液が全く全身を流れない状態となるので、検査をする間もなく即座の心臓マッサージが必要となる
- 心室細動が起きていたということは、後から明らかになることが多い
心室細動の治療法
- 発作時の治療
- 心臓がけいれんを起こして、血液の循環が止まってから約5分後に不可逆的な脳障害が生じて死亡に至るため、迅速な処置が必要
- 心肺蘇生術(CPR):心臓マッサージや人工呼吸のこと
- 電気的除細動(心臓に電気ショックを与える。AEDもこの一種)
- 左星状神経節ブロック
- 抗不整脈薬の点滴
- ニフェカラント
- アミオダロン
- リドカイン
- ランジオロール
- プロプラノロール
- 心臓がけいれんを起こして、血液の循環が止まってから約5分後に不可逆的な脳障害が生じて死亡に至るため、迅速な処置が必要
- 発作が治まった後の治療や予防
- 抗不整脈薬:正常なリズムの拍動を維持する
- カテーテル治療:不整脈の予防の役割と、心室細動の原因が心筋梗塞である場合には、その治療の役割がある
- 心室細動の発作が起こった場合に直ちに救命できるように、植込み型除細動器(ICD)を胸に埋めこむことがある
- 埋め込んだ機械は、心臓の電気信号を感知し除細動も可能である
- 心室細動が起こると直ちに埋め込んだ機械が除細動を行うことで迅速な対応が可能である
心室細動が起きている瞬間は、まさに心臓が止まっているのと同じ状態です。本人に意識はなく、すみやかに救急車を呼ぶと同時に心臓マッサージと人工呼吸による心肺蘇生、そしてAEDが必要となります。心室細動のような不整脈が生じた時に最も有効なのが、AEDのような機械を用いた電気ショックです。絶え間なく速やかにしっかりと心臓マッサージを行うことと、1秒でも早く電気ショックをかけることが最も重要です。
心室細動に関連する診療科の病院・クリニックを探す 心室細動でお困りの方心室細動の状態で病院を自分で受診するということはありませんので、ここでは「心室細動から回復した後」という想定で病院選びのポイントをお示しします。心室細動から回復した状態では、なぜその心室細動が起きたのかという原因を調べることと、それ以降に心室細動が起きないような予防を試みること、そして万が一起きてしまったときに備えること、が診療の目的となります。これらに対応するためには、カテーテル検査やカテーテル治療、植え込み型除細動器(ICD)と呼ばれる器具の挿入が可能な医療機関である必要があります。
心室細動から回復した状態では、なぜその心室細動が起きたのかという原因を調べることと、それ以降に心室細動が起きないような予防を試みること、そして万が一起きてしまったときに備えること、が診療の目的となります。
これらに対応するためには、カテーテル検査やカテーテル治療、植え込み型除細動器(ICD)と呼ばれる器具の挿入が可能な医療機関である必要があります。植え込み型除細動器(ICD)は、常に体内に入れておく小さな電気ショックのための機械です。ペースメーカーと同じようなものをイメージして頂ければ、近いと思います。
心室細動の原因はさまざまです。心筋梗塞が原因となったり、遺伝的に不整脈が起きやすい体質が原因であったりもします。心室細動の原因診断のために行われる検査は、血液検査、心エコー、カテーテル検査などです。カテーテル検査を行っている病院であることが前提条件ですが、年間の実施件数が少なすぎないことも、病院を選ぶ上で参考の一つとなるかもしれません。
心室細動が治まった時点であれば、再発予防のために内服薬(不整脈の発作を予防する薬)を使用します。また、万が一心室細動が起こった場合に対応できるように、植え込み型除細動器(ICD)という機器を体内に埋め込むことになります。
このような処置が必要となるため、循環器専門医がいて、カテーテルの治療が行える病院で治療を受ける必要があります。入院施設のないクリニックなどでは難しいですが、カテーテル処置を多く行っているような病院が良いでしょう。
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