「地下に隠したはずだった」イランの秘密兵器“ミサイル都市”が逆に弱点に…米イスラエル空爆で発射86%減
「地下に隠したはずだった」イランの秘密兵器“ミサイル都市”が逆に弱点に…米イスラエル空爆で発射86%減望月博樹 2026.03.06 アクセス 3,105
引用:YouTubeイランが数十年かけて構築してきた地下ミサイル基地、いわゆる「ミサイル都市」が米国とイスラエルによる空爆の中でむしろ弱点となっていると米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が5日(現地時間)に報じた。
報道によると、先月28日の初回空爆以降、米国とイスラエルはイランの地下ミサイル基地上空に低速の偵察機を配置して監視を行い、動きが確認されると戦闘機や無人航空機で直ちに攻撃する形で作戦を続けている。
地下に保管されたミサイルは発射のため最終的に地上へ移動させる必要があるが、この過程で発射台が露出し攻撃対象となっているという。
その影響でイランの対応能力は大きく低下したとみられている。
前日、米中央軍は直近4日間でイランのミサイル発射回数が86%減少したと明らかにした。
米軍はイスラエル軍とともに、これまでにイランのミサイルや発射台、ドローンなど数百機を破壊したと説明している。
また、米シンクタンクのジェームズ・マーティン不拡散研究センターが公開した民間衛星画像会社Planet Labsの1~3日に撮影した画像では、イランの地下ミサイル基地入口付近にあるミサイルや発射台の残骸から煙が上がる様子が確認された。
1日には、イラン北部タブリーズ北方の地下ミサイル基地のトンネル入口が崩落したような様子が確認され、近隣の別の基地のトンネル入口も損傷したことが分かった。
さらに、ホルゴ、ハジ・アバド、ジャム付近にある南部のミサイル基地3か所も攻撃を受けた。
専門家らは、イランが保有する中距離・短距離ミサイルの相当数が依然として地下基地にある可能性が高いものの、その位置はすでに米国とイスラエルに把握されている可能性が大きいとみている。
基地の多くは地下にあるが、地上の建物や道路、トンネル入口などが露出しており、衛星画像で識別できるためだ。
米国とイスラエルはこうした施設の位置を把握するために数年を費やしてきた。
このため、「ミサイル都市」と呼ばれる戦略自体が構造的な限界を抱えているとの指摘も出ている。
ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのサム・レア研究員は「かつては機動性があり見つけにくかったものが、いまでは移動が制限され、攻撃はむしろ容易になった」と指摘した。
これまでイランは、米国やイスラエルの攻撃に備え、ミサイル発射権限を分散させてきた。
破壊されたミサイルは追加生産で迅速に補充できるとイラン軍は主張しているが、発射台を追加で確保するのは容易ではないとの分析もある。
またイランは、技術的な困難から地下施設から直接ミサイルを発射する方式の多くを放棄したとされる。
特に、サイロ(地下格納庫)を繰り返し再使用するのが難しい点が理由とされる。
ただし、イランが依然として相当規模のミサイルを保有している可能性があり、政権崩壊の危機に備えて一部の長距離ミサイルを最後の手段として温存している可能性もあるため、戦力の弱体化の程度を断定するのは難しいとの見方もある。