「ピンクの貝殻」のような超新星残骸と周囲に広がる有機分子
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
宇宙動画と広告 Google NewsLINEで購読MSNニュースYouTubeこちらは、大マゼラン雲にある超新星残骸「N132D」です。この画像はNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡とチャンドラX線観測衛星のデータを組み合わせて作成されました。
【▲ 超新星残骸「N132D」。ピンク色の貝殻のような構造と、周囲の緑色の有機分子が印象的(Credit: X-ray: NASA/SAO/CXC; Infrared: NASA/JPL-Caltech/A. Tappe & J. Rho)】【関連リンク】今日の宇宙画像:NASAや各国宇宙機関が公開した魅力的な画像を毎日紹介
地球から約16万光年先、大マゼラン雲の中にあるN132Dは、約2500年前に起きた超新星爆発の名残です。太陽の約15倍の質量を持つ恒星が最期を迎え、大爆発を起こしました。
広告画像でピンク色に見える貝殻のような構造は、爆発による高エネルギーの衝撃波が周囲の塵と衝突している領域です。衝撃波は現在も秒速数千kmという猛スピードで広がり続けており、直径は約80光年に達しています。
興味深いのは、周囲に緑色で示されている物質です。これは「多環芳香族炭化水素(PAH)」と呼ばれる炭素を含む分子で、宇宙では星形成領域や彗星などでも見つかっています。超新星残骸の周辺でPAHの存在が示されたことは、過酷な環境下でも有機物が残存(あるいは再形成)しうることを示唆しています。
なお、太陽系形成期(約46億年前)に近傍の超新星が影響した可能性も議論されており、こうした有機物のふるまいを理解する手がかりにもなります。
2025年には、チャンドラX線観測衛星の約14.5年分の観測データを比較した研究が発表され、N132Dの衝撃波の速度や爆発時の状況がより詳しく明らかになりました。南側の衝撃波は秒速約1620km、北側は秒速約3820kmで広がっており、場所によって速度が異なることがわかっています。
この画像は2007年に公開されたもので、2022年7月19日に改めてNASAが紹介しています。
編集/sorae編集部
関連記事- 何に見える?キツネ? 超新星残骸「N63A」の不思議な姿
- まるで糸くず。ハッブルが捉えた大マゼラン雲の超新星残骸
- 超新星爆発が地球に及ぼす影響は? 手がかりが「木の年輪」に残されている
- NASA - A Supernova’s Shockwaves
- NASA/JPL - Spitzer Searches for the Origins of Life on Earth
- NASA Science - Oxygen-Rich Supernova Remnant in the Large Magellanic Cloud
元記事を読む
Facebook postはてブLINEFeedly