弟子がまたも初優勝のジャンボ尾崎 「球を打つことが練習だと思っている子が多い」選手を育てる秘訣とは…
塚ちゃんの生涯一記者弟子がまたも初優勝のジャンボ尾崎 「球を打つことが練習だと思っている子が多い」選手を育てる秘訣とは…2025/4/25 11:00元の記事を見る- スポーツ
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女子ゴルフの佐久間朱莉(22)が「KKT杯バンテリンレディス」(18-20日、熊本空港CC)で悲願の初優勝を果たした。
師匠はジャンボこと尾崎将司(78)であることは有名だが、中学3年のときに原英莉花に誘われる形で入門。その後「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」が設立され、西郷真央、笹生優花も加わった。佐久間の父・浩太郎さんによると「うちはアカデミーのセレクションを受けていない。(ジャンボの長男)智春さんに『来てみれば』といわれて、別口だった」そうで、0・5期生の2番弟子にあたる。
浩太郎さんは「ジャンボさんに『また来いよ』といわれたのが本人はうれしくて、行くようになった。ジャンボさんのことを知らなかったのに(笑)。行くようになってから、ジャンボさんのすごさがわかってきたみたい」と明かす。55歳だったジャンボが最後に優勝した3カ月後の2002年12月に佐久間は生まれているのだから、知らないのも無理はない。
なぜジャンボの弟子から、次から次へと女子ツアー優勝者が誕生するのか。昨年2月、アカデミーのセレクションを取材した際に、ジャンボは「本人たちは毎日一生懸命やっていると思うけど。トレーニングの仕方を知らない。球を打つことが練習だと思っている子が多い。練習の仕方がちょっとよくない。うちに来れば本人たちを納得させ、練習の仕方を改造する。目標、目的を(実現できず)夢で終わる子が多い。夢見る夢子さんじゃないけど。目標を超えることを現実に考えていかないと」と力説した。
佐久間の母・美樹子さんは、ジャンボから学んだことについて聞かれると「小さいので、身体をまず作らなきゃというのが、すごく意識的に変わった。それで今はトレーナーさんにしっかり見てもらっています」と即答。ジャンボの教えを守り、トレーニングを重視したという。
ジャンボはその際、佐久間について「すべてが真ん中(平均点)だからな。飛距離が出るわけじゃないし、ショットの正確さとかそういうので(勝つしかないしかない)。ゴルフは中学生のときからうまかった。でもプロの世界に入ると、そうはいかない。早く俺としては優勝してほしいんだけど。自分に対するプレッシャーで後半になって落ちてくる。今やらせているのは体力アップ。『やりま~す』と言っているけど、本人がどこまでやっているのかわからない」と苦笑したが、しっかり実行していたようだ。
またジャンボは「基本として、1つのことを続けるのが成長には必要。言われたことをずっとやっていく。面白くない練習だけど。そうしないと身につかない。それが今の子供は得意じゃない」と地道な練習の重要性を説いた。野球では素振り。相撲では四股、テッポウという基礎練習をやった人が最後は勝つ。プロ野球の名将・野村克也さんも「素振りはつまらないから続かない。努力に即効性はないから、すぐに結果は出ないが、続ければ必ず数年後に結果になって返ってくる」と話していたが、どのスポーツでも地道な練習をおろそかにしてはいけないということだろう。
まな弟子が次々活躍することにジャンボは「気分は悪くないよ。かわいい。孫みたいのが一生懸命なんだから。俺は頑張っている姿を見るのが好き。だからテレテレしてるやつは怒鳴り散らす。今ドキじゃないから訴えられそうだけど(笑)」。
しかし浩太郎さんは「ジャンボさんは叱ってくれるからね。まだ中学生のうちはかわいいもんだったけど、大人になってからは、親が言っても聞かなくなるから」と愛のムチにも感謝していた。まさにジャンボイズムを結集させた初優勝だった。
■塚沢健太郎(つかざわ・けんたろう)1994年から記者生活をスタートし、野村ヤクルト、長嶋巨人を経て01年からゴルフを取材。19年11月に野村克也さんに公認された「生涯一記者」がコラムタイトルで、自称ノムさんを一番取材した記者。「野村派は出世しないぞ」とボヤかれたとおりの人生を歩んでいる。