二部式作り帯のつくりかた
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お直し/リメイク 帯
二部式作り帯のつくりかた2019年9月29日
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今日は名古屋帯を切って、二部式の作り帯にする方法をご紹介します。
過去に取り上げた作り帯も、あらためて目的別にご紹介します。
目次
Toggle1.シミを隠すために
①気がかりだった帯今日ご紹介するのは、長年気になっていた古いもので、母が昭和50年代に愛用していた紬の八寸名古屋帯です。
△お太鼓部分のシミ
△胴部分のシミ
このように白地部分のシミが目立ち、そのままでは締められないことが以前からわかっていました。
着用を半ば諦めていたので、5年前には代わりになるような帯を購入してしまいました。
その時の記事はこちらです。
きものを着たい!初めてネットオークションで帯を買いました!みなさんは、ネットで着物や帯を買ったことがありますか?私は以前から「もう きものや帯は買わず、あるものだけを着よう!」と誓っていたのですが、このたび、ネットで、しかもヤフーオークションで帯を購入してしまいました。今回は、購入時の感想や、ネットで(しかもはじめて)買った帯のレビューをお送りします。 ■ 帯を買った理由というのも、母が気に入って頻繁に着ていた単衣のきものがあるのですが、そのきものに合わせていた帯が、シミで締められなくなっていたのです。母はこの紬の着物を「とても着やすい」と旅...けれども、格段にこの帯の手触りが良いことや、柄を気に入っていた私が「白樺の帯」と呼んでいた思い出もあり、なんとかもう一度生かしたいと考えました。
②もう一度よく見る今回もう一度帯を広げて見たところ、シミは一部分だけで、全体に広がってはいないことが分かりました。
二部式にリメイクすれば、シミは隠せるのではないかと思いました。
この帯を作り帯にした様子を次にご紹介します。
2.作り帯にする方法
切る ①お太鼓と胴を切り離す右がお太鼓になる部分です。
シミがあるところに赤い待ち針をさしています。
②手先を切る手の部分を45cmカットしました。
△三分割された帯
左……胴 上……お太鼓 下……手先
お太鼓をつくる ③お太鼓の形を作るシミを隠すためにお太鼓の形を決め、固定式にします。
きれいな部分でお太鼓を作り、きものクリップで留めます。
お太鼓の裏側はこのようになっています。
④お太鼓を縫い止めるお太鼓を折り返した部分をたれに縫い付けてとめます。
絹の紬帯ですが、白地なので白の木綿糸を使いました。
両端をしっかり留めます。着用時は手先で隠れる部分です。
⑤手先をつけるタレの裏に手先を縫い付けます。
手先を通した時に、2~3cmずつ両端が出るように調整します。
着用すると見えないので、適当に縫えばよいです。
手先が付きました。
⑥お太鼓裏の処理お太鼓の裏側を手先にかぶせるようにおろします。
お太鼓裏をタレ部分の生地に縫い留めます。
手先が付いている側は、手先と裏側の生地+手先とタレ生地、両方を縫い付けます。
この時注意が必要です。
縫うのはお太鼓の上から約15cmまでです。
帯枕の出入り口が必要だからです。
裏側の処理が終わりました。
⑦お太鼓を安定させるためにこれは必ずやることではありませんが、
この部分(お太鼓表側)の浮きが気になるので……
一ヶ所だけタレに縫い止めました。
胴部分をつくる ⑧胴部分の長さを決める胴に巻く部分を作るときは、実際に巻いてみて長さを決めます。
帯を巻いた時に、両端の紐の付け根が背中側に来て、お太鼓に隠れるのがちょうどよい長さです。
また、今回のようにシミが前に出ないように巻けるかを確認してから長さを決めます。
長すぎた場合はカットします。帯が短い場合は、見えない部分で布を足すと良いと思います。
⑨紐をつける6~70cmくらいの紐を2本用意します。ウール以外なら何でも良いです。(ウールは虫食いになることがあります。)
今回は厚手の綿テープを使用しています。
帯幅を半分に折り*、両端を斜めにして、間に紐を縫い込みながら端を閉じます。
*胴部分の片面しか使用しない場合は、半分ではなく、幅出しをして好みの帯幅に折ればよいです。
紐を付ける位置は上の場合もありますが、私はこの位置が気に入っています。
反対側にも同じように付けました。
完成 ⑩出来上がりシミのない部分を出せば胴は意外にきれいです。
逆巻き(関西巻き)*にして胴の裏側を出すと、雰囲気が変わります。
*逆巻き(関西巻き)…帯を巻く時、一般的には自分の周りを反時計回り(右から左)に巻きますが、これを「関東巻き」といいます。それに対して時計回りの巻き方を「関西巻き」といい、前の柄が二種類ある帯の場合、どちらかは関西巻きに締めなくてはなりません。着用しにくいのが問題です。
<例>△関東巻きの名古屋帯
前の柄を替えるときは関西巻きにします。(前柄の姉様人形の着物の色が変わりました)
作り帯にしたことでシミを隠すと同時に、逆巻きでも楽に締められるようになりました。
関西巻きだと前はこのようになりました。
3.今までの作り帯 ~目的別に4種類~
過去の記事では4種類の作り帯を取り上げました。
いずれも切って作るタイプです。
①固定式ではない作り帯 ②固定式の作り帯 ③帯芯を一部外した作り帯 ④引き抜き帯のリメイク
簡単な説明と写真をご紹介しますので、詳細はそれぞれの記事を御覧ください。
①固定式ではない作り帯目的:お太鼓の大きさや、柄の出し方をそのつど変えたい
胴とお太鼓は別れていますが、お太鼓の形は作りません。
例1:短い帯を作り帯に△「問題の帯」を「締めやすい作り帯」にリメイク!
きものを着たい! 2 Pockets「問題の帯」を「締めやすい作り帯」にリメイク! 1.短くて締めにくい帯結城の名古屋帯です。お太鼓の裏と、胴の一巻き目は無地になっています。この帯は短めで、ウエスト補正してから締めるとお太鼓を綺麗に作れません。そこで二部式作り帯にすることに……。以前ご紹介した作り帯はお太鼓を固定式にしました*が、今回はそのつどお太鼓を作るタイプにします。 2.リメイクの方法①お太鼓部分と胴を切り離す胴は半幅に縫ってあるので、お太鼓との境目は三角になります。その先の切りやすいところでカットしました。 左がお太鼓側の切り口。帯芯は縫う時に硬いので、... 例2:逆巻(関西巻き)の帯を作り帯に△「絽塩瀬・帆船柄の帯」
きものを着たい!絽塩瀬・帆船柄の帯先週のきものに引き続き、祖母からの帯をご紹介します。1.「オランダ船(ぶね)の帯」①絽塩瀬この帯は明治生まれの祖母が若い頃に使用し、母が結婚する時に譲り受けた「絽の塩瀬羽二重*」です。*塩瀬羽二重…「羽二重」は撚りを掛けない生糸で織った生地のことで、「塩瀬」は羽二重の中でも厚手のものを指します。これは夏用の絽織りになっています。私は40歳頃から締めはじめました。②お太鼓の柄帆船が描かれています。祖母や母は「オランダ船(ぶね)の帯」と言っていましたが、なぜオランダなのかは不明。鎖国時代の人にとって西洋は阿... ②固定式の作り帯目的:シミなどを隠したい・ お太鼓とタレの柄合わせがしたい
お太鼓の形が固定されています。
例1:袋帯のシミを隠して固定し、柄合わせもする△「古いシミ汚れの帯・リメイクとバッグ」
例2:シミ汚れの部分をカットして作り帯に△「古いシミ汚れの帯・リメイクとバッグ」
※ 例1,2とも以下の記事参照
きものを着たい!古いシミ汚れの帯・リメイクとバッグ譲り受けたきものや帯を、すぐ使用せずにそのまま長期間保管していると、カビやシミが出てしまうことがあります。今日はそんな帯の話題です。1.イカット風紬の帯①紬の袋帯紬地の袋帯です。すでに何回かご紹介していますが、最近は気に入ってよく着用しているものです。しかし若い頃は「まだまだ地味」と思い見向きもしなかったため、使用しないまま時がたち……締めようと思って出した時にはカビらしきものが出ていました。②手入れ丸洗いをしてもらい、かなりさっぱりしました。 でもシミは取りきれません。無地の裏を見るとよく...
固定式の場合、布が余ることがあるので残布でバッグも作りました。
③帯芯を一部外した作り帯目的:重い帯を軽くして、締めやすくしたい
芯を一部抜いて軽くすることができます。
△「夏帯を軽くする ~ICHIROYAの帯で~」
きものを着たい!夏帯を軽くする ~ICHIROYAの帯で~ 前回の記事で、上布のきものに合わせた帯はICHIROYAというお店の帯でした。今日は詳しくご紹介します。 1.ICHIROYA(イチローヤ)とは ① もとは海外向け ICHIROYAは、はじめ海外向け専業のアンティーク着物販売サイトでした。 その後人気が出て、日本国内向けにもネットショップをオープンし、現在の在庫は1万点におよぶそうです。 とにかく品数が多く、又商品説明が丁寧なので、目的がなくても見ているだけで面白いです。 ② 過去の購入 ICHIROYAでは昨年紗の夏帯を購入したことがあります。 △ICHIROYAで購入した正絹...△カットした帯地と帯芯(190g)
④引き抜き帯のリメイク目的:アンティークの<引き抜き帯>を気軽に締めたい
引き抜き帯は特殊な締め方が必要ですが、作り帯にすれば楽に締められます。
△「【図解】 「引き抜き帯」を「作り帯」にリメイクしてみました」
きものを着たい!【図解】 「引き抜き帯」を「作り帯」にリメイクしてみました前々回ご紹介した「引き抜き帯」は、現代のお太鼓結びに慣れた我々には締めにくいものです。締めにくい帯は結局出番が少なくなり、もったいないと思いました。解決策はただ一つ。簡単に締められる「作り帯」にすることです。今日は「引き抜きの袋帯」を「二部式作り帯」に作り替えたレポートです。 1.図による説明 リメイクに入る前に、図を使って作業内容を整理しましょう。絵①~③を順にご覧ください。(ハサミの印は切断箇所です)普通の作り帯は、「太鼓」「胴」「手」の3つに切断しますが、引き抜き帯の場合は「たれ...また、アンティークの帯は傷みやすいので、作り帯のほうが安心です。
今日は作り帯を取り上げました。
胴の両面が使えるようになった「白樺の帯」の着用例は、改めてご紹介する予定です。
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