【詳報】 「壁が突然現れる」 死亡事故3件の丁字路交差点 記者が走ってみた 沖縄・浜比嘉島【動画あり】
目次- 丁字路の交差点
- 2件の事故の共通点
- 浜比嘉島と橋の歴史
- 記者が走ってみた
- 地元や行政機関の見方
- ライトで照らしても
- 後手後手の対策
- ハイビーム走行の重要性
「突然、壁が出てくるようだ」。2022年、沖縄本島中部のうるま市浜比嘉島の県道238号で、平安座島方面から浜比嘉大橋を走ってきた車が突き当たりの丁字路交差点のコンクリートの擁壁に衝突する死亡事故が相次いだ。事故を受けて、道路を管理する県中部土木事務所は今年1月、衝突事故が多発した擁壁付近に反射材を使用した看板と衝撃を吸収するクッションドラムを設置する再発防止策を講じた。ただ、県警関係者からは「夜間、走行中に擁壁が急に出てくると感じるようだ」と道路構造の欠陥を指摘する声も上がる。現場の道路を実際に車で走り、検証した。(社会部・比嘉海人)
2022年9月26日午前5時20分ごろ、うるま市浜比嘉島の県道238号で、「車が燃えて中に人がいる」と110番通報があった。沖縄県警うるま署によると、浜比嘉大橋を走ってきた普通乗用車がコンクリートの擁壁に正面衝突し大破炎上。運転席からは男性とみられる身元不明の遺体が発見された。署などによると、現場にブレーキ痕はなく、事故当時、雨の影響で路面は濡れていたという。運転手は島外の人だった。
コンクリートの擁壁に衝突後、炎上・大破した車両=2022年9月26日午前8時20分ごろ、うるま市浜比嘉島悲劇は再び起きた。
同年12月15日午後10時5分ごろには、橋を走ってきた普通乗用車が同じ擁壁に正面衝突・大破炎上し、運転席から年齢性別不詳の遺体が発見された。署などによると、現場にブレーキ痕や衝突を回避しようとした痕はなく、雨の影響で路面は濡れていて、運転手は島外の人だった。
ある捜査関係者は「2件ともブレーキ痕やスリップ痕がなく、時速100キロ以上のスピードで擁壁にぶつかっている」と自殺の可能性も示唆するが、真相はいまだ明らかになっていないという。別の捜査関係者からは「現場道路が暗く、壁が急に出てくるように感じることで事故に遭ってしまう」と道路構造の欠陥を指摘する声もあった。
2件の事故状況に共通するのは ①橋を渡った丁字路交差点の擁壁に車が正面衝突している ②発生時間が早朝と夜間で辺りがまだ暗い時間帯 ③事故当時、路面が濡れていた-点だ。
2件のほか、21年6月にも、夜間に大型バイクに乗った60代男性が擁壁に衝突し死亡する事故が起きている。
これらの事故を受けて、地元住民らは「事故が島のイメージダウンにつながりかねない」と口を揃える。島でモズク漁を営む男性(35)は「島外から来る人が、橋や島の海岸沿いを暴走するようにかなりの速度で走っているのを見かけ、危ないと感じる」と指摘する。
2件の事故で崩れた擁壁の一部。傍らには花束や缶コーヒーなどが置かれていた=2023年2月16日、うるま市浜比嘉島浜比嘉島は、西側の「浜集落(浜区)」、東側の「比嘉集落(比嘉区)」の2つの集落からなる。琉球開闢(かいびゃく)の祖神アマミチュー、シルミチューが住んだとされ、各所に御嶽や拝所があるパワースポットとしても知られている。夏は海水浴の観光客らでにぎわう。
浜比嘉島と平安座島を結ぶ浜比嘉大橋は1997年に開通した。
県の資料などによると、橋が架かる前の浜比嘉島への交通手段は船だった。定期航路が1日5往復の計10便、あとは個人の渡し船に頼っていた。
天候に左右される島民の不便な生活を改善するために、88年に市町村道事業として橋の設計が始まった。91年には「一般県道浜比嘉平安座線」として県道に昇格。96年に完成し、翌年97年2月に開通した。橋の長さは900メートル。
左手の平安座島から右手の浜比嘉島に続く浜比嘉大橋=2023年2月16日、うるま市 浜比嘉大橋に入る交差点入口。橋から浜比嘉島まで片側1車線の直線が続く=2023年2月16日、うるま市 直線の橋を渡り切り浜比嘉島に入ると、突き当たりの擁壁に車が衝突する事故が相次いだ丁字路交差点がある=2023年2月16日、うるま市事故の背景には、道の見え方など特有の理由が関係しているのか。事故が相次いだ道路を実際に走ってみた。...
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