家賃や礼金・敷金・仲介手数料に消費税はかかるの?
消費税の経理 消費税の基礎知識 不動産 家賃や礼金・敷金・仲介手数料に消費税はかかるの? 2019年4月11日消費税の課税ルールはかなり複雑です。家賃など賃貸住宅関連費用に関しても、複雑な設定がされています。
今回は、マンションやアパートなどの賃貸の諸費用に関する消費税を解説します。
目次
- 1.住宅の家賃(賃料)は原則「非課税」
- 2.【契約時】礼金・敷金・保証金・仲介手数料
- 非課税と不課税(対象外)
- 3.【毎月】共益費や管理費など
- 駐車場、プール、倉庫など
- 4.【更新時】更新料や更新手数料
- 5.社宅、社員寮、ウィークリンマンション
- 6.事務所や事務所兼住宅
- まとめ
1.住宅の家賃(賃料)は原則「非課税」
家賃は「原則、非課税」です。例外的に、貸付期間が1カ月未満の場合は課税されます。
「なぜ家賃は非課税なのか」を説明します。
家賃は「モノを貸して料金が発生する」という経済活動なので、本来は消費税の課税対象となるべきものです。 しかし家賃に消費税を課してしまうと、経済的に困っている人が、家に住めなくなります。それはマズいので、国は「家賃は消費税をかけない(非課税にする)」と決めたのです。
2.【契約時】礼金・敷金・保証金・仲介手数料
住宅を借りるとき、礼金、敷金、保証金、仲介手数料などの費用が発生しますが、ここでの課税・非課税ルールはかなり複雑です。
礼金は住宅を借りる人(借主)に戻ってこないお金で、家賃のような性質があるものです。そのため礼金は非課税です。 敷金と保証金も同じです。住宅の借主に戻ってこない敷金や保証金は非課税です。
では、住宅の借主に戻ってくる敷金と保証金は課税されるのかというと、こちらも消費税はかかりません。住宅の借主に戻ってくる敷金と保証金には消費税は課されませんが、それは非課税ではなく不課税なのです(後で詳しく解説します)。
最後に、仲介手数料は、不動産仲介業者が提供した「仲介サービス」に対して支払う費用ですので、消費税がかかります。
非課税と不課税(対象外)「消費税がかからない」ケースは、非課税と不課税(対象外)にわかれます。
非課税とは、本来は課税対象なのに例外的に課税しないでおくことをいいます。 不課税とは、そもそも消費税をかける性質の取引ではない取引に課税しないことをいいます(消費税の対象外)。
住宅の借主が敷金と保証金を大家に支払っても、それがいつか借主に戻ってくるのであれば、商品もサービスも「消費していません」。消費していないので消費税はかからず、つまり不課税なのです。 関連記事消費税の課税区分と不課税・非課税・免税の違い【図解】消費税処理の基本である4つの税区分(課税・非課税・不課税・免税)と、それぞれの違いについて、図を使ってわかりやすく解…[続きを読む]
3.【毎月】共益費や管理費など
住宅を借り始めると、毎月、家賃や共益費や管理費などを支払うことになります。 家賃は非課税ですが、共益費や管理費はどうでしょうか。
共益費も管理費も非課税です。それは「家賃のような性質」を持つからです。
駐車場、プール、倉庫などその他の費用についてもみていきましょう。 駐車場料金やマンション内のプールの利用料などについて、「家賃、賃料、共益費など」として徴収されている場合、以下のような取り扱いになります。
駐車場料金- 車の所有に関わらず1戸1台以上の駐車場が付属する場合:非課税
- 上記以外:課税
- マンション住人以外の人は利用できない場合:非課税
- 住人以外も利用できる:課税
- 入居者の選択によらず備え付けられている場合:非課税
- 入居者が使用または不使用を選択できる場合:課税
- 入居者の選択によらず備え付けられている場合:非課税
- 入居者が使用または不使用を選択できる場合:課税
駐車場やプールや家具や倉庫の利用について入居者に選択の余地がない場合、それは「家賃のような性質」と考えて非課税となります。
ただし非課税になるのは「家賃、賃料、共益費など」として徴収されている場合に限られます。 「家賃、賃料、共益費など」という名目ではなく、「駐車場料金」や「プール利用料」という名目で徴収されている場合は、課税されます。
もうひとつ、混同しがちなルールを紹介します。 マンションやアパートを借りて、電気、ガス、水道を使うと、それぞれ消費税がかかります。しかし、電気、ガス、水道を「マンションのサービス」として提供し、入居者の使用実績に関わらず電気・ガス・水道代を「家賃、賃料、共益費など」として徴収しているときは非課税になります。
4.【更新時】更新料や更新手数料
賃貸住宅では、一定期間をすぎた後も借りる場合、更新料や更新手数料がかかります。 更新料は非課税で、更新手数料は課税です。
更新料は割増し家賃のようなものなので、「家賃のような性質」であるため非課税です。 一方、更新手数料は「更新に伴う事務処理」というサービスに対する支払いですので、課税されます。
5.社宅、社員寮、ウィークリンマンション
特殊な住宅賃貸に、社宅、社員寮、ウィークリーマンションがあります。
社宅や社員寮の賃料は「家賃のような性質」なので非課税です。
ウィークリーマンションは、貸付け期間が1カ月未満の場合は課税されます。 では貸付け期間が1カ月以上になると必ず非課税になるかというと、そうではありません。
ウィークリーマンションのうち、「旅館業法第2条第1項に規定する旅館業」として貸している場合は、貸付け期間が1カ月以上でも課税されます。それは「家賃のような性質」の料金ではなく、旅館としての料金になるからです。旅館の宿泊料は消費税が課されます。
6.事務所や事務所兼住宅
住宅としてのマンションやアパートが非課税になっているのは、いわば例外扱いです。したがって、同じ家賃でもビジネスとして使う事務所の賃料は課税されます。
では、事務所兼住宅を借りた場合の家賃(賃料)はどうなるのでしょうか。その場合、按分をして、事務所として使っている部分の家賃は課税され、住宅として使っている部分の家賃は非課税になります。
また、自宅を仕事場として使っている場合はどうなるのでしょうか。個人事業主の場合、自宅の賃貸マンションで仕事をすることは珍しくありません。 この場合は、非課税になります。大家が住宅として貸していて、消費税非課税として経理処理しているからです。借主もそれに合わせなければならないので、非課税になります。
もし借主が事務所として使っている部分の家賃は課税にして、住宅として使っている部分の家賃を非課税にしたい場合は、大家に依頼して事務所兼住宅として契約し直すことになります。
まとめ
以上の内容を表でまとめました。
- 大原則:住宅の家賃は非課税