魅惑のシンガー ~Diana Damrau編~
魅惑のシンガー ~Diana Damrau編~

魅惑のシンガー ~Diana Damrau編~

久々の「魅惑」シリーズ。今回はオペラ歌手、Diana Damrau(ディアナ・ダムラウ)の紹介です。

あんまり知っている人はいないんじゃないかな。そもそもオペラが日本人に馴染みがないからね。

僕も詳しいわけではないです。

そういえば前回の魅惑のシンガーもオペラ歌手、Klaus Nomiでした。(魅惑のシンガー ~Klaus Nomi編~)

次の紹介はロック歌手にします(笑)

では見ていきましょう。

来歴

Diana Damrauは1971年、ドイツはギュンツブルク生まれます。

声域は最も高いソプラノ。「ソプラノ歌手」なんて言ったりしますが、そもそもがソプラノとは歌手の声域を表す言葉なので「歌手」は不要です。

船の速度のノットみたいなもんだね(笑)

ヴュルツブルク音楽大学で学んだのち、1995年ヴュルツブルク市立劇場にて舞台デビュー。

マンハイム国立劇場ミラノ・スカラ座などの名だたる舞台を経験し、2003年、モーツァルトの「魔笛」で夜の女王役を演じます。

ウィーン国立歌劇場メトロポリタン歌劇場などで公演し2007年には、バイエルン国立歌劇場から宮廷歌手の称号を授与されます。ちなみにメトロポリタン歌劇場は、ダムラウの出演映像を世界中の映画館に配信しているんだとか。

2011年、原発事故で多数の外国人アーティストが来日を拒否する中、まだ幼い子供を連れて来日公演をされています。

親日家?というよりは慈愛に満ちた方なんでしょう。

50歳をすぎた今でも精力的に活動されています。

プライベートでは二児の母でもあり、ご主人も有名なオペラ歌手です。

魅力

ディアナ・ダムラウの魅力といえば、なんと言ってもその声。声の高さ。

ソプラノだから高いのは当たり前なんだけど。

ソプラノは一般的にC4〜E6の音域といわれます。C4やE6ってのはコードネームではありません。音名(ドレミ〜)の高さを表しています。

ピアノなら最初に習う基本のド(中央ド)がC4ギターなら2弦1Fのドベースなら4弦5Fのド

E6というと、ここから2オクターブ上のドよりさらに2音高いミです。

ギターでいうと1弦24F。ギターは21・22・24Fのものが一般的なので、ギリギリです。

ここで紹介したいのが、前述したモーツァルトの「魔笛」で夜の女王に扮して歌う「夜の女王のアリア」。この映像の、0:50のところ。

とんでもない高さですね。

音程でいうとF6、つまりE6のさらに半音上です。

ギターでいうと25F・・・ウリ・ジョン・ロートのスカイギターが必要になります(笑)

こんな高さの音を「声」で出せるわけですよ。

いわゆるコロラトゥーラというやつで。

音階の激しい変化・跳躍、トリルなどオペラにおける超絶技巧な歌唱法のことです。

しかも舞台で動きながらですよ。

動くセリフ(歌)に感情をこめる声量音程ととんでもないことをやってのけている。

映像を見つけることはできなかったんですがさらに1音上のG6まで出せるそうで・・・バケモンや。

高い声を、ましてや相当な声量で出そうと思うならついつい全力で力いっぱい声を出そうとしがちですが

ディアナ・ダムラウはそこまで力んでいるようには見えません。呼吸も浅いようです。

調子が悪い?ときの公演の映像では息を思い切り吸い込む音まで聞き取れます。

これはついつい力んでしまって、呼吸が深くなっている証拠でしょう。

驚異的な技術の持ち主の彼女でもときには力んでしまうこともあるんですね。

インタビューでも「毎回緊張する」みたいな発言もあるので。

比較

さて、日本にもオペラ歌手の方はたくさんいますが一時期話題になった田中彩子さんはご存知の方も多いでしょう。

このように、田中さんも同じ「夜の女王のアリア」を歌われていますがちょっと迫力にかけるというか・・・線が細いというか。

スマートで綺麗だしね。いや、ディアナがどうこうではなくてね(笑)

田中さんは、音域的には歌えるようですがバリバリのオペラ畑の人ではないようで。

そのへんも歌のパワー不足を感じるところなのかな。

安井陽子さんなんか、やっぱり安定していますよね。

日本人にとってオペラが難しいのは体型的に不利ってこともありますが、

なにより母国語じゃない歌詞で歌っているというのが一番大きな要因でしょう。

それだけで余裕がなくなるし、多少の緊張もするし。

実際、ディアナ・ダムラウもイタリア語?のオペラは多少、雰囲気が違います。余裕のなさが少し出ているというか。

それでもレベルは高いですが。

海外の方が日本の演歌を歌うとしたらよほどの完成度でないかぎり、聞いて感動することはないでしょう。

「あー、日本語で上手に歌えてますねぇ」くらいにしか思いません。それと同じです。

母国語でない、ましてや難易度の高いオペラ。これを歌えているだけでも田中さんはすごいんですが。

やはりネイティブの人には敵わない部分があるのかもしれません。

日本人は日本語で、英語圏の人は英語で、ドイツ人はドイツ語で。

本来の力を100%発揮するにはそれぞれの母国語で歌う方がいいんでしょう。

個人的にはLucia Popp(ルチア・ポップ)のものが一番好きだったりします。

最後に

持論ですが歌が上手けりゃなんでも歌える、ということはないです。

メロディが合っている・リズムが合っているという意味では歌うことはできても。

その歌の世界観や雰囲気を出すためにはプラスアルファの要素が絶対に必要です。

声質、歌詞の読み込み、感情の入れ具合、最終的にはその人の人間性。

そういったものが複雑に絡み合って歌や曲というものは“完成”に近づきます。

いわゆるシンガーソングライターという人たちは、自分で作った曲を自分で歌うわけですが。

作った本人だからって、曲の世界観を充分に引き出せるとは限りません。

他の人に歌わせたほうが曲が活きることもあります。

作った本人が一番気持ちが入るはずなんだけどね(笑)

だから、人が作った曲の世界観を見事に表現できる人は凄いんです。ディアナ・ダムラウもそういう歌手の一人でしょう。

レッスンでは曲の世界観を引き出す演奏方法もお伝えしています。

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