イーハトーブ・ガーデン
(略) 山ではふしぎに風がふいてゐる 嫩葉(わかば)がさまざまにひるがへる ずうつと遠くのくらいところでは 鶯もごろごろ啼いてゐる その透明な群青のうぐひすが (ほんたうの鶯の方はドイツ読本の ハンスがうぐひすでないよと云った) 詩「小岩井農場」パート一 画像提供は阿出川栄次さんです。 ウグイス(ヒタキ科ウグイス亜科)鶯 全国の低地から山地のササのあるところで繁殖する。山地や北の地方のものは冬は暖地へ移動。 市街地の公園や庭の茂みや垣根にも来る。 作品は、長詩「小岩井農場」のパート一、駅から歩き始めたところだ。時は五月。新緑の季節。 鶯もごろごろ啼いてゐるとは、鳴き声の比ゆではない。 あっちにもこっちにもごろごろいて、さえずりが響くという風である。 透明な群青のうぐひすはその声の質感からの形容詞だ。 ハンスは、アンデルセン(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)のこと。アンデルセンの童話「ナイチンゲール」のお話を思い出しての呟きである。 (略) 鶯がないて 花樹はときいろの焔をあげ から松の一聯隊は 青く荒さんではるかに消える (略) こんどは一ぴき鶯が 青い折線のグラフをつくる (略) 詩「遠足統率」 宮沢賢治の表現は実に独特である。 繁殖期の警戒音と云われているケケケケ、ケッキョ、ケッキョ、ケキョ、ケキョ…という、 いわゆる鶯の谷渡りも、賢治流に云えば、青い折線グラフとなってしまう。 でも、その感じ、分かりますよね。 この作品は「春と修羅 第二集」中のもの。舞台はやはり小岩井農場。 たくさん、鳥がいたのでしょうね。 タグ:- ウグイス
- 小岩井農場
- 春と修羅