【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説
【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説

【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説

サッシ図の見方を基礎からやさしく解説しています。本記事に沿って見ることで、初心者でもサッシ図を精査・チェックが出来るようになります。

こんな方におすすめです。

  • はじめてサッシ図をチェックする設計者
  • 若手の現場監督、施工図関連業務の方
  • サッシ屋の1年生 など
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  1. サッシ図(サッシ施工図)とは
  2. サッシ図の見方、チェック方法
  3. 仕様書・建具キープラン・建具数量表
    1. 表紙と仕様書
    2. 建具キープラン・建具数量表
  4. 姿図・平面図・矩計図
    1. 姿図でチェックする寸法など
    2. 窓種
  5. 金物欄
    1. 建具符号
    2. 数量・取付場所
    3. サッシの基本性能
    4. サッシの表面処理(カラー)
    5. 製品名
    6. ガラス
    7. 網戸
    8. アルミサッシの防火設備
    9. 部品欄
  6. 断面詳細図
    1. サッシの部材・部品など名称
    2. 納まりチェック項目
      1. 各所寸法や納まり
      2. 付属部材
      3. 工事区分の確認

サッシ図(サッシ施工図)とは

「サッシ図」とはサッシを作るための図面です。アルミニウム製建具(アルミサッシ)や樹脂製建具(樹脂サッシ)などの施工図の略称で「サッシ施工図」「サッシ製作図」とも呼ばれます。一般的に建具工事(サッシ工事)業者が作図をします。

サッシ図の構成は

  • 表紙
  • 仕様書
  • 建具キープラン(配置図)
  • 建具数量表
  • 姿図
  • 断面図、平面図
  • 雑詳細図、挿入図

サッシ図の目的は、大きく2点です

  • サッシを製作するための詳細(寸法や各部品や材料)を示すこと
  • サッシ周辺の建築との取合の納まりや工事区分を示すこと
補足

「施工図」とは、建築図面の一種。主に建築物を実際に建設する際に使用され、実際の寸法や詳細(部品や材料、寸法、配置、仕上げなど)が示された図面

サッシ図とは、サッシ(建具)を製作するために、建築取合の納まりや材料などの詳細まで記載した施工図

サッシ図の見方、チェック方法

本記事では、非住宅で最も多く使用されるアルミサッシ(ビル用サッシ)引違い窓のRC抱き納まりをベースに解説します。サッシ図を見る時に、何をチェックするのかという目線で解説します。

アルミサッシの特徴が分からない方はこちらの記事をどうぞ【解説】サッシの材質の特徴比較|アルミ、樹脂、複合、鋼製、ステンレス、木製

注)以降の解説はすべて「一般的」な内容です。文章には「一般的には」が省略されていると考えてください。

仕様書・建具キープラン・建具数量表

表紙と仕様書

「表紙」や「仕様書」には物件全体に共通する項目が記載されます。一般的な内容も多く全てチェックする必要はありません。

記載内容とチェックの必要性は以下の通りです。

記載内容チェック必要性備考工事名称など物件情報要記載ミスの可能性がある建具の性能要金物欄の項目で詳しく解説準拠する仕様要JIS、JASS、公共工事標準仕様、社内仕様書であれば特に問題ない表面処理(カラー)要金物欄の項目で詳しく解説使用材料不要不要だが、現場塗装のスチール製品がある場合は錆止め種類チェック製作、施工誤差不要JASSなどに準じているためチェック不要部品の材質不要ほとんど制定品で変更できない。物件特有の特殊部品はチェック製作期間要納期短縮は出来ない事も多い、出来ても非常に労力がかかる。余裕をもって養生や搬入条件要現場の条件を反映 建具キープラン・建具数量表

「建具キープラン」は「建具配置図」とも呼ばれ、建具の配置を示す案内図です。平面図に建具符号をプロットし作成しますが、複雑な建物では立面配置図も作成します。

「建具数量表」は各フロアごとの建具数量の一覧表です。「建具表」「建具リスト」「建具一覧表」とも。

建築図の数量と、サッシ図の建具キープラン・建具数量表、サッシ詳細図の数量に相違が無いかをチェック。

姿図・平面図・矩計図

姿図は内観図で表記されます。建築図の建具表は外観のこともあるため、平面図や立面図も含め確認が必要です。

平面図は上:外部、下:内部です。尺度はS=1/10~1/50程度、サッシの大きさに合わせて調整します。

一般サッシは「内観図」カーテンウォールは「外観図」SDは「丁番が見える姿図」の場合が多いが製作業者による※建築図との整合、左右勝手に注意!

姿図でチェックする寸法など

姿図では、以下の項目をすべてチェックします。

  1. サッシ製品のW(幅)H(高さ)
  2. 平面図で寄りと出入り(通り芯からの距離)
  3. サッシ取付高さ、腰高(FLからの距離)
  4. クレセントなど操作部品の高さ(排煙窓は特に注意)
  5. アンカーピッチ
  6. 有効開口寸法と引残し、ガラリなら有効開口率
  7. ガラス厚(金物欄の項目で解説)
  8. 網戸の有無(金物欄の項目で解説)
  9. 開き勝手(引違い窓やFIX窓は勝手無し)

補足4.)サッシの腰高が高いケースは注意。ハンドルやクレセントなどの操作部品の高さを極力下げたくても商品仕様により設定があり、サッシ下端から200程度が限界の商品が多いです。仮に腰高1500だと操作高さが1700になります。また、開き窓だとハンドルの上に更に、ロック解除つまみ(全半開切替え部品)などが付く場合もあり更に操作位置が高くなります。

補足5.)アンカーピッチは公共工事標準で500mm以下と定められています。しかし、実際はアンカー取付けの施工誤差や、サッシ強度の問題で、メーカーが独自で400~450程度の基準を定めていますが、500以下であればチェックは不要。配置は本図のように中央450で両端を端数とするか、全体を325で均等割するかはどちらでも良くサッシ業者標準でOK。

補足6.)引違い窓は引残しがあり、有効開口はサッシ面積の1/2とはなりません。また開き窓もサッシのWHが有効開口では無いため注意。詳細はこちら【Q&A】サッシの有効開口寸法とは?計算方法は?

その他補足)方立や無目がある場合は、姿図で位置や割付をチェックしてください。方立と無目が分からない方はこちら【解説】方立と無目の基本|標準納まりのポイント 

姿図は重要な寸法のみが記載されているため、全ての寸法を建築図と整合チェック

窓種

窓には多くの種類がありますが、一般的な窓種は以下の通りです。

窓種のカテゴリー代表的な窓種スライディング系窓引違い窓、片引き窓、上げ下げ窓、両袖片引き窓、自由片引き窓プロジェクト系窓①FIX窓②スイング系窓・開き系窓縦すべり出し窓、すべり出し窓、外開き窓、軸回転窓、外倒し窓、突出し窓、内倒し窓③ルーバー系窓ガラリ、ガラスルーバー、オーニングドア系丁番ドア、ピボットヒンジドア、折りたたみ戸

窓種のカテゴリーや名称はメーカーにより多少異なります。ここでは一番わかりやすい三協っぽい表記にしています。YKKAPはドア系もプロジェクト系窓に含まれます。フロアヒンジはフロントサッシにラインナップされるメーカーもあるので記載していません。

窓種のくわしい解説はこちら【完全保存版】窓種(開閉形式)38種類を解説|特徴と技術情報

メーカーでラインナップや製作範囲が違うので、製作出来ない窓種を変更する時に、窓種の知識が重要

金物欄

建具符号

「建具符号」は窓の名称で、「窓符号」「窓番」も同義。「AW」はアルミウインドウの略でアルミ製窓を表します。建具符号は建築図と一致しているかを確認します。

よく使われる代表的な建具符号(建具略号)

  • AW:アルミ製窓
  • SW:スチール製窓
  • PW:樹脂製窓
  • AG:アルミ製ガラリ
  • SG:スチール製ガラリ 
  • AD:アルミ製ドア
  • SD:スチール製ドア
  • PD:樹脂製ドア
  • SSD:ステンレス製ドア
  • ACW:アルミ製カーテンウォール

建具符号の全種類一覧はこちら 建具(窓・ドア)の図面記号一覧

補足

建築図は「AW-5」でも、サッシ図は「AW-5a」や「AW-5Z」の場合があります。アルファベットは、ガラス違い、開き勝手違いなどの枝番。逆に、建築の取合いや納まりが異なっても、製品が同じなら枝番分けしません。Zは防火窓番、乙種防火戸の「乙」に似ているため「Z」

補足②

紛らわしい事例で、符号はACWで製品はAW(サッシ)の時があります。本来、ACWはフロアを跨ぐ大きな窓で、AWとは製品が異なりますが、コストダウンのためAWをACWっぽく使用数場合があります。建具表の特記や部分詳細図で確認

建具符号は建築図と一致しているかを確認すればOK

数量・取付場所

数量と取付場所をチェックします。

取付場所が異なっても同一製品なら同一窓番で、建築図では別符号でもサッシ図では同一窓番に統合されることがあります。

サッシ図の建具キープラン、建具数量表と建築図を見合わせながらチェック

サッシの基本性能

5性能を明記、特に1、2、3はサッシの3性能と呼ばれ重要です。他にも防犯性や耐衝撃性などありますが(等級が無いため)施工図に記載はされません。

  1. 耐風圧性能:S-1(800Pa)~S-7(3600Pa)7段階でJISに規定、どの程度風に耐えられるかを示す設計図に記載が無い場合はS-5と判断。部材のサイズやコストに影響
  2. 水密性能:W-1(100Pa)~W-5(500Pa)5段階でJISに規定、水の浸入を防ぐ性能一般的な性能はW-5。ガラリなどは性能なし
  3. 気密性能:A-1~A-4の4段階でJISに規定、空気の漏れを防ぐ性能一般的な性能はA-4。ガラリなどは性能なし
  4. 遮音性能:T-1~T-4の4段階でJISに規定、音漏れを防ぐ性能設計図に記載が無い場合は不要と判断。一般的にはT-1~T-2。ガラスのコストにも影響
  5. 断熱性能:H-1~H-6の6段階でJISに規定、窓から伝わる熱を防ぐ性能設計図に記載が無い場合は不要と判断。ガラスのコストにも影響

詳しくはこちら【解説】窓・サッシの性能|JIS等級と実務での選び方

サッシの表面処理(カラー)

アルミサッシで一般的に使用される仕上は

  1. 陽極酸化塗装複合皮膜(陽極酸化複合皮膜)最も一般的で、街中でよく見るサッシは大体これ。カラーはシルバー、シャイングレー(ステンカラー)、ブラウン、ブラック、ホワイト、グレー。カラーごとに濃淡や艶の有無で全部で10種類を超えるバリエーション。通常アルミの質感(ヘアライン)が残るが、ヘアラインを消す場合はマット処理なども可能。メーカー標準カラー以外はコストと納期に影響あり。性能はJISでA1、A2、B、Cの4段階で規定され、一般的にはB種。
  2. 陽極酸化皮膜(アルマイト)別名の「アルマイト」は「陽極酸化複合塗装皮膜」と混同されている。現在、サッシの表面処理として採用されることはほぼ無い。部品など見え隠れ部分で採用。
  3. ふっ素樹脂焼付塗装自由に色を選択したい場合や、高い耐候性を求める場合に採用。陽極酸化複合皮膜より高価で、納期がかかる。
  4. アクリル樹脂焼付塗装ふっ素より安価だが耐候性に劣り、雨掛かりでは使用不可。また陽極酸化複合皮膜よりは高価で、納期がかかる。

カラーの選択は、意匠だけでなく納期とコストに影響。早めの決定を

製品名

非住宅(RC造、S造)で使用される製品は「ビル用サッシ」と呼ばれます。木造用は「住宅用サッシ」と呼ばれます。

ビル用サッシは大きくは以下のように分けられます。

  • 標準サッシ(一般サッシ)
  • 高性能サッシ、隠し框高意匠サッシ(一般サッシ)
  • フロントサッシ、エントランスサッシ
  • 改修サッシ(一般サッシ)
  • 防火サッシ(一般サッシ)

詳しくはこちらも参照【解説】フロントサッシとは?設計のポイントと一般サッシとの違い【納まり事例集】カバー工法標準図・改修サッシ

「標準サッシ」はいわゆる普通のサッシ、設計図に指示無き場合に選ばれるメーカーの最も安価な基幹商品。三協「MTG-70R」、LIXIL「PRO-SE70」、YKKAP「EXIMA31」

「一般サッシ」とはフロントサッシとカーテンウォール以外のサッシ、高意匠サッシ、改修サッシ、防火サッシも含めた総称。

補足

一般サッシは70見込なので製品名には70が入る(MTG-70Rなど)。YKKAPだけは3が70見込のこと

公共建築工事標準仕様は「引違い・片引き・上げ下げ窓で複層ガラスの場合、枠の見込100mm 」と記載があるが、今は複層ガラスでも70見込がほとんどのため無視

ガラス ガラスの表記

ガラスは、姿図や金物欄に記載があります。設計図やガラス業者の見積と整合を確認します。

一般的によく使われるガラス記号

  • PG:ペアガラス
  • FL:フロートガラス(磨き)
  • PWC(PW):網入り磨きガラス
  • FW:網入り型ガラス
  • TP(TやTGとも):強化ガラス
  • HS:倍強度ガラス
  • F:型板ガラス
  • S:すりガラス
  • Low-E(LE):Low-Eガラス
  • SRG:熱線反射ガラス

ガラスの種類くわしい解説はこちら 【解説】窓ガラス全16種類|特徴と選び方

補足

ガラス、ガラスフィルム、衝突防止シールなどは建具工事範囲外。住宅用サッシはガラスも建具工事

サッシ図は姿図が内観のため、ガラスも室内側から表記するのが一般的「Low-E5+A12+FL5」は「室内側:Low-E5mm 空気層:12mm 外部側:FLガラス5mm」の意味

グレイジング方法

ガラスを固定する事をグレイジングと呼びます。こだわりが無い場合シールを選択します。アルミ樹脂複合サッシなどサッシの種類によって、ビード対応のみの製品もありますし、逆にビード設定が無い製品も。住宅用サッシはビードのみ

「グレイジングチャンネル」「グレイジングビード」「ガスケット」も同義と考えてOKです。

基本シールだが、柱前などシール打設不可の部位は必ず「先付ビード」

サイズと重量

サイズの大きな引違い窓、ドア、排煙窓の操作が重くトラブルになる事があります。ガラスは遮音性など必要性能に影響が無い範囲で可能な限り薄くしてください。建築図の厚みをそのまま採用せず、ガラス業者に強度を確認します。

例)引違い窓W=2200H=2400、ガラスFL6+A12+FL6の場合、ガラス+障子で約85Kgでかなり重くなります

開閉力は50N以下とJISに規定されていますが、実際50Nはかなり重く感じます。子供や高齢者が操作する窓は、蹴り出しアーム付の引手を付ける対応をした方がよいです。また強化ガラスに変更し厚みを下げることも効果的です。

あまりに重いサッシは職人さんの調整だけじゃ、どうにもならない

網戸

網戸の有無、網戸の種類、ネットの種類は、建築図の建具表や特記との整合を確認します。

網戸について詳しくはこちら 【解説】網戸の種類|全8種類の設計ポイントと応用事例紹介

補足

下段が引違い窓、上段が排煙窓のようなケースは注意が必要です。建具表の表現があいまいな場合に、サッシ業者が下段の網戸のみしか見積していない事があります。上段の排煙窓は換気で使用するかは確認が必要です。

アルミサッシの防火設備

延焼のおそれのある部分に設置される防火設備。アルミサッシに防火性能が求められる場合は、大臣認定を受けた防火サッシ製品が使用されます。アルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシは20分間の遮炎時間をもつ製品しかありません。60分の性能が必要な場合は鋼製建具となります。

非防火のサッシとの違い特徴は大きく3つです。

  1. コストが高い
  2. 製作範囲の制限が厳しい。サッシの構成では見付が太くなる
  3. ガラスが網入りガラスもしくは耐熱強化ガラス

2019年に個別認定が始まり、製作制限が厳しく当初はトラブルも多発しました。現在は商品ラインナップも増えましたが、それでも非防火サッシに比べメーカーで製作可否の差が大きいため、早い段階での確認をおすすめします。

部品欄

部品欄は、変更や選択オプションのある部品のみが記載されます。逆に、引違い窓であれば、「戸車」や「固定ブロック」などは変更が出来ない部品は記載されません。また、部品色の記載が無い場合はメーカー指定色になるので、色にこだわる場合はサッシ業者に確認。

例)クレセントなど操作部品 → ロック付きやカギ付き、持ち手の長さ違いなど選択が可

例)結露排水弁 → 付ける付けないの選択が可。地域性もあるが基本は、建具表の記載に準じる

例)引手 → 引違い窓の框が形材引手(手を掛ける凹凸がある)なら、引手は無しでも可。掃き出し窓なら大型ハンドルも選択可

部品欄の中でも、ドアハンドルや引手は品番の決定が必須(但し、未決でもサッシは発注可能)

断面詳細図

サッシの部材・部品など名称

※地域によって呼び方が異なるものもあります。本図は網戸は省略

各部位の解説はこちら 建具(窓・ドア)用語集・用語解説

納まりチェック項目

ここではRC抱き納まりに限らず、どんな納まりでも共通の事項について解説します。

RC抱き納まり以外にもS造など各納まりのポイントはこちら【納まり事例集】サッシRC納まり|標準図のポイントと応用【納まり事例集】サッシECP納まり|標準図のポイント【納まり事例集】サッシS造サイディング納まり|標準図のポイント 

各所寸法や納まり 取付位置

壁芯とサッシ芯とのズレ寸法25mmをチェックします。「サッシ芯」は通常、枠見込70mmの中心です。

カーテンウォールは外面を基点とし、芯寸法は押さえません。

SDなどの鋼製建具はサッシ芯は記載しないのが通例です。

額縁のチリ

「額縁のチリ」は枠と額縁の間の段差の事で、縦横3方は15mm、下0mmが標準。サッシ枠と木額アングルが一体となった一体枠もありますが、その場合チリを変更するとコストに影響する可能性があります。

隠し框の高意匠サッシでは、内観をスッキリと見せるためチリを小さくします。チリ0とすると施工誤差が目立つため注意が必要で、5mm程度とするか、逆にチリを付ける納まりが採用されることもあります。

また、鉄骨枠納まりなどでチリが変更できない場合もあります。

簡単に変更出来て、内観の印象が大きく変わる寸法

枠の寸法、框の見付、形材の形状

RC抱き納まりでは、RC枠と呼ばれる最も安価なタイプの枠が使用されます。アルミサッシや樹脂サッシなどは、形状の自由がきく鋼製建具とは違い、枠形状は変更できないのでチェックをする必要はありません。

見付を細くしたい、スッキリ見せたい時は、チリなど変更可能な納まりを調整、水切や見切などの付属部材を変更、製品自体を変更するしかありません。

ただし、框や方立は耐風圧やWHにより必要な強度が変わるため、見付と見込のサイズが複数あります。サイズは強度表から自動的に決まるのでチェック不要です。見付を細くしたい場合に、小さい形材に補強を入れてイレギュラーな対応をすることも出来ますが、コストや納まり含めてサッシ業者と調整します。

枠形状についてはこちら【解説】サッシ枠形状一覧|RC枠、ALC枠、同面枠、鉄骨枠の使い分け

形材は難しい、種類も多く、何を変えられるか変えられないか最初はわかりづらい

ガラス溝幅、ガラス開口

本図だとガラス総厚24mmですので、ガラスシール目地が最低5mmでガラス溝幅34mm以上あることを確認してください。

躯体とのクリア、ヌスミ寸法

躯体開口とサッシ枠の間の寸法を「クリア(クリアランス)」または「逃げ寸法」と表現します。クリアは溶接が出来る寸法から決まり、各メーカーで標準寸法があります。柱との取合など、クリアが取れない場合はサッシ業者と要相談。あまりにクリアが小さい時はアンカーをオーダー形状にするなどの対応をします。

クリア寸法から躯体のヌスミ形状が決まります。

水切出幅、伸ばし寸法

水切と躯体のチリが10mm~15mm程度となっていることを確認してください。W方向の伸ばし寸法で、躯体のヌスミ寸法を決定してください。水切の納まり詳細はこちら【納まり事例集】サッシRC納まり|標準図のポイントと応用

サッシの結露対策

サッシ枠周りが適切に断熱されているか確認します。サッシ自体が結露する場合、結露排水弁を設置するなど結露水の処理は適切かを確認します。結露がNGな場合は、アルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシを採用します。

サッシの結露は施工後にできる対策は少ない。図面の段階でしっかり対策を

天井や床、壁との取合

サッシ図に反映が必要な場合は、サッシ以外の情報もチェックします。サッシ工事外の細かな内容を反映しすぎると訂正の期間と製作納期にも影響するため注意。

付属部材 額縁(窓枠)

額縁の種類は大きく4つに分けられます。

  • 木額縁・・・木額固定用アングルピースに取付け。下枠は結露受け形状も選択可能
  • アルミ額縁(形材)・・・材質はサッシと同じ、出幅が小さい時に使用。メーカーの既製品
  • アルミ額縁(曲物)・・・出幅が約200mmを超えた時に使用。形材よりコストUP
  • St額縁(曲物)・・・補修しやすいメリット。塗装は建具工事外が基本だが、工場塗装も可

寸法と材質チェック以外で、下記の内容も検討してください

  1. サッシ枠に止めるアングルや額縁のビスは、止水に問題が無い箇所に固定されているか
  2. 額縁の中間付近で適切に溶接固定されているか(特に出幅が大きい時は注意)
  3. 木額固定用ビスは、ずれを目立たなくする目的で半丸を採用の場合あり
  4. 結露対策の要否。例)木額アングルピースを樹脂に変更。アルミ額縁と枠の間に断熱材を挟む など

額縁の事例や詳細はこちらをどうぞ 【解説】サッシの額縁|種類と設計のポイント

水切

水切はメーカーの既製品形材のため、出幅は大体10mm刻みです。躯体とのチリが10mm~15mmになるようにサイズを選定します。出幅が大きい(200mmを超える)場合は曲物となり形状は自由になりますが、コストはアップします。

【解説】曲げ加工って何?曲物の設計のポイント

工事区分の確認

工事区分はコストの影響やトラブルに繋がるため図面の段階でしっかり確認をします。工事区分は、物件ごとの契約によりますが、ここでは一般的な内容を解説します。また契約書や図面に記載の無い暗黙知のような内容に触れておきます。また、大前提として大工が取り付ける住宅用サッシと違い、ビル用サッシは施工までサッシ工事で行います。

サッシ図はサッシ業者が作図をしますので、サッシ工事範囲外は(別途工事)や(別途)の記載があります。ゼネコンによっては(別途工事)という表現はNGで(建築工事)と記載する場合もありますが同義です。ただ、サッシ図は半自動化されたシステムで作図するため、システムの設定で(別途工事)と表記されるのが一般的です。

基本的に詳細図に何も注記が無いものはサッシ工事ですが、”躯体”や”ガラス”のような明らかに建具工事外のものには(別途工事)の記載はありません。

工事範囲が不明なもので、姿図や詳細図に記載が無ければ、サッシ図の仕様書か見積書の記載を確認します。

シーリング材
  • サッシ枠と躯体の取合:別途工事(防水工事)
  • サッシ枠とガラスの取合:別途工事(ガラス工事)
  • サッシ枠と水切の取合:サッシ工事(工場もしくは現場打設)シール色を指示してください

シーリングについて詳しくはこちら【解説】サッシのシーリング材|種類・選び方のポイント

枠の固定方法

サッシ枠に取り付けたアンカーと躯体に埋め込んだアンカー(アヒルアンカー)の間を鉄筋棒で溶接し固定します。サッシ枠のアンカーも、躯体のアンカーもどちらも「サッシアンカー」と呼ぶことがあります。

  • サッシ枠側のアンカー:サッシ工事
  • 埋込アンカー:別途工事
  • 鉄筋棒:サッシ工事。鉄筋棒は現場支給、取付はサッシ工事
サッシ埋め、トロ詰め(モルタルやロックウールなど)

サッシ枠と躯体の間を埋めるモルタル充填は別途工事(左官工事)です。「サッシ込み」も同義です。RCの場合はモルタルですが、S造の場合は充填物は無し、もしくはロックウールかウレタンを充填します。ロックウールもウレタンも別途工事です。

ガラス

ガラスは別途工事(ガラス工事)の事が多いですが、確認は必要です。ガラスとサッシ枠間のシーリング材も別途工事(ガラス工事)です。特に注意が必要なのは、工場組み込みの強化ガラスドアなどです。特殊なサッシなら注記の確認を必ず行ってください。

木額固定用ビス(サッシビス)

ビスはサッシ業者支給の場合と、別途工事の場合があります。取付は木額縁施工業者です。※サッシビスは俗語なので地域により、指すものが異なるようです。テクスミリねじや、D6特皿ビスを指したりします。

躯体、断熱材、内装ボード

明らかに建具工事外のものは注記はありませんが、標準納まり以外の特殊な納まり、他業種との取合が複雑な時には、しっかりとサッシ図に注記を追記してください。 

塗装

スチール額縁やバックボードの塗装は別途工事(塗装工事)です。スチールの錆止めはサッシ工事で、現場塗装の種類により錆止め材が異なるため、塗装の種類をサッシ図に反映する必要があります。サッシ工事で工場塗装をすることも可能ですが、価格が高くなることと、納期がかかるため塗装工事で現場塗装するのが一般的です。

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