朝ドラ史上最高の主題歌は? 時代と記憶に残り続ける名曲5選。お茶の間の心を奪った珠玉のテーマ曲をセレクト
朝ドラ主題歌5選【Getty Images】朝ドラの主題歌には、その作品の空気や時代の匂いだけでなく、視聴者それぞれの「朝の記憶」まで封じ込められている。物語の始まりを告げる数十秒のメロディは、何年経ってもふと口ずさめてしまうほど生活に溶け込んでいく。本記事では、そんな朝ドラ主題歌の中から5曲を厳選し、その魅力とドラマとの結びつきを振り返る。(文・苫とり子)[5/5ページ] ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
憂鬱な朝を抱きしめるオープニング
ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」/『ばけばけ』(2025)髙石あかり 写真:武馬怜子
脚本:ふじきみつ彦 演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史、小林直毅、小島東洋 出演:髙石あかり、トミー・バストウ、寛一郎、板垣李光人、柄本時生、シャーロット・ケイト・フォックス、さとうほなみ、円井わん、北香那、吉沢亮、北川景子、岡部たかし、池谷のぶえ、池脇千鶴、朝加真由美、佐野史郎、生瀬勝久、小日向文世、堤真一
【作品内容】
没落した旧士族の娘・トキ(髙石あかり)は借金に追われ働く日々。
島根に来た孤独な外国人教師ヘブン(トミー・バストウ)の女中となり、怪談を通して心を通わせていく。
【注目ポイント】
2025年9月末から放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、松江の没落士族・小泉セツとその夫で作家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描く物語。
陰翳礼讃を意識した仄暗い映像や、過度に起伏をつけないストーリー展開もそうだが、今までにない朝ドラをつくろうという気概はハンバートハンバートが手がける主題歌「笑ったり転んだり」からも感じられる。
歌詞には〈日に日に世界が悪くなる〉〈毎日難儀なことばかり〉〈野垂れ死ぬかもしれないね〉といったネガティブなワードが並ぶため、初聴だとギョッとする人もいるかもしれない。
だが、視聴者の中には憂鬱な気持ちで朝を迎える人もいて、そういう人たちを無理に元気づけるのではなく、同じ目線で寄り添う楽曲だと感じた。
ヒロインのトキ(髙石あかり)もまた時代に取り残されてしまった人たちに囲まれ、貧乏で暮らしも楽ではなく、世知辛い世の中をうらめしく思いながら日々を過ごしている。
だけど、しじみ汁を飲んで「あ〜っ」と感嘆の声が漏れたり、家族との会話で笑顔になったり、小さな幸せは転がっているのだ。
ハンバートハンバートは佐野遊穂と佐藤良成による夫婦デュオ。
アンダンテ(歩くような速さ)のメロディと、負の感情にも寄り添ってくれる2人のあたたかみに溢れた歌声に癒される。
配信で見返す際にも、オープニングを飛ばさずに聴きたいと思わされる楽曲だ。
【著者プロフィール:苫とり子】 1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。 著者ページへ
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