「照準射撃が不可能になる構造」ロシア軍ドローン防御装置、車体直接装着が招く”戦闘力喪失”
「照準射撃が不可能になる構造」ロシア軍ドローン防御装置、車体直接装着が招く”戦闘力喪失”有馬侑之介 2026.02.09 アクセス 873
引用:Ukrainian Ground Forcesロシア軍がウクライナのドローンによって高価な戦車や装甲車を喪失する事例が相次ぐ中、これを防ぐための技術を開発し特許まで出願したが、致命的な設計ミスがあるとの指摘が浮上している。
ウクライナの軍事専門メディア『ディフェンス・エクスプレス』は2日(現地時間)、「ロシアが装甲車に設置する対ドローン防御構造に関する新たな特許を公開した」とし、「この種の特許は2例目だが、その形状や折りたたみ機構から、『フード』と呼ばれるこの構造はウクライナ側の設計をそのまま模倣したものだ」と報じた。
BMP-2歩兵戦闘車に防御構造が装着された図面には、「水陸両用車両が水上の障害物を越える際の保護および偽装を目的に設計された。また、一人称視点(FPV)ドローンや無人航空機(UAV)から投下される成形炸薬弾(HEAT:爆発エネルギーを一点に集中させて装甲を貫通する弾頭)の被害を軽減させる」と仕様が記されている。
構造的には、ドローンや搭載爆弾が車両の外壁に直接衝突する前に、メッシュや格子、網などが先に衝撃を受けて起爆させるか、起爆位置を車体から引き離す(スタンドオフ距離を設ける)役割を果たす。これはウクライナ軍の「フード」と同様の仕組みだ。
しかし、ロシアの装甲車両・機甲戦力専門の評論家アンドリー・タラセンコ氏は、「当該の図面には致命的な欠点がある。防御構造が砲塔(ターレット)ではなく、車体側面に直接装着されている点だ」と指摘した。続けて「このような構造では砲塔の回転を妨げ、事実上、主砲による照準射撃が不可能になる」と付け加えた。
これに関連し、『ディフェンス・エクスプレス』は「今回出願された特許はすでに昨年夏に公開されていたものだ」とし、「開発者らは他の装置より1.5倍効果的だと主張しているが、その実効性には疑問符が付く」と伝えた。また、すでに中国で模倣された事例があることも併せて指摘した。
「ドローンを防げ!」米軍も新たな防衛指針を発表ドローン防御に注力しているのは、戦時下のウクライナとロシアだけではない。ウクライナ式の防御構造を模倣した中国に続き、米国防総省もドローン攻撃から重要インフラを防衛するための新たな指針を発表。網(ネット)やケーブルなどの受動的な物理的防御手段の活用を推奨している。
米軍事メディア『TheWarZone』は2日、「米国防総省の新指針において、ドローン防御のための強化構造と網が核心要素として浮上した」と報じた。
国防総省傘下の合同タスクフォース401は先週、「重要インフラの物理的保護」に関する報告書を公開した。対象には発電所から、ワールドカップなどの大規模イベントが開催されるスタジアムまで、多様な民間施設が含まれる。
新指針の核心概念は「強化(Harden)、隠蔽(Obscure)、警戒(Perimeter)」で、それぞれの頭文字を取って「HOP」と呼ばれる。報告書では、「セキュリティ強化は施設全体を密閉することではなく、予測可能な空中侵入経路を妨げる障害物を選択的に設置することを意味する」と強調。「簡易的な障害物でも、安価なコンシューマー向けドローンの接近を阻み、よりリスクの高い飛行経路を選択させることが可能だ」としている。
『TheWarZone』は、「今回の指針はコスト効率の高い方法として網や張力ケーブルを強調しており、開閉式屋根を持つ施設では屋根を閉じるなどの対策を勧めている」と伝えた。特に2026年6月に開催される「FIFAワールドカップ2026」に向けた関心が高まっており、観客保護用の網を小型無人航空機(sUAS)の侵入阻止に再利用できる可能性にも言及している。