〝トリプルボギー不倫〟の男性キャディー「厳罰」の背景に女子ゴルフ界が抱える闇
事実上の追放となった栗永遼氏 すべての写真を見る(2枚) 〝トリプルボギー不倫〟の男性キャディー「厳罰」の背景に女子ゴルフ界が抱える闇 2025年5月21日 05:00 森下久 コメント|1異例とも言える厳罰の背景は――。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は20日、3月に「週刊文春」で男性キャディー・栗永遼氏(30)との不倫を報じられた川崎春花(22=村田製作所)、阿部未悠(24=ミネベアミツミ)、小林夢果(21=ヨコハマタイヤジャパン)らの処分を発表した。選手3人は今後の試合出場に支障はない一方で、栗永氏は9年間の〝出禁〟。重い処分の背景には女子ゴルフ界が抱える闇があるとみられる。
JLPGAは19日に懲戒諮問委員会と理事会を開いて処分を決定。川崎、阿部、小林は厳重注意となり、今年度に開催される新人セミナー第1~3日目の受講義務を課した。
3人とも出場停止などの処分はなく、今後もツアー出場継続が可能となった。川崎に関しては、積極的に不倫を引き起こしていないことや真摯(しんし)な反省を踏まえ、今季開幕から5試合の出場を自粛したこと、スポンサー契約を解消される社会的制裁を受けたことなどが考慮された。阿部と小林も、ほぼ同様の理由となった。また、不適切発言を報じられた同協会の福本佳世理事は、けん責だった。
一方で栗永氏は9年間の国内女子ツアー、JLPGAに関連するイベントへ立ち入り禁止となった。JLPGAは、同氏を不倫の首謀者と結論づけ「本件は栗永遼氏が幣協会の会員の配偶者でありながら、幣協会の他の複数の若年の会員に対して積極的に働きかけたことにより引き起こされたこと、酌むべき事情が特にないことなどの諸事情を総合考慮したものです」と説明した。
これで栗永氏は国内女子ツアーから事実上の〝追放〟。男子ツアーからの処分はないものの、厳しい視線が注がれており、当初予定していた今季開幕戦でのキャディー業を断念するなど窮地に陥っている。不倫は犯罪ではないとはいえ、社会的に許されることではないだけに、厳罰に至った模様。だがさらに、女子ゴルフ界が抱えてきた潜在的な問題が影響した可能性もある。
あるツアー関係者は文春による不倫報道後に、こんな現状を明かしていた。「今回は文春に出たとあって大きな問題になっているが、報道されないことでも、不倫だけではないが、男性キャディーと女子選手が絡むトラブルは過去にもいろいろあったと聞いている。そういったことが、また報じられたりすれば、その選手だけでなく、JLPGAのスポンサー離れなども起こり得る」
プロゴルファーのツアー生活は、狭い範囲で人間関係が形成されがちだ。そこにモラルに欠けた人間が入ってくれば、似たような事例は容易に起こり得る。そして、周囲にも広まりやすい。JLPGAとしては、現在の隆盛を保つためにも、不倫を含む不祥事報道は避けたいところ。栗永氏への厳罰は、不祥事の〝予備軍〟に警鐘を鳴らした格好だ。
JLPGAは、今回の件における再発防止策も併せて発表。「選手、帯同キャディー並びに幣協会の理事及び職員に対する定期的なコンプライアンス研修及びリスク管理に関する研修の実施及び強化」「JLPGAトーナメントに関するトラブルの相談・支援体制の強化」を挙げた。ゴルフ界としては、これ以上の醜聞は避けたいだけに効果を期待したいところだが…。
左から川崎春花、阿部未悠、小林夢果 すべての写真を見る(2枚)【川崎春花は涙の復帰】今季開幕直前に不倫が報じられると、川崎は開幕戦から5試合連続で欠場した。出場を続けた他の2人とは異なる対応が注目の的となった。
その後、川崎は4月14日、同週に開催された「KKT杯バンテリンレディス」から復帰することを所属事務所を通して発表。「トーナメントへの出場について、様々なご意見、ご指摘があることから自粛させていただき、しばらく反省期間を取っておりました」と欠場について説明。同17日には試合会場で報道陣の取材に応じて涙ながらに謝罪した。
復帰後は成績が伴わず、苦戦を強いられている。ここまで4試合で3度の予選落ち。唯一、決勝ラウンドに進んだ「ワールドレディスサロンパスカップ」も67位に終わった。
一方の阿部と小林は開幕戦から出場を続けている。ツアー通算1勝の阿部は、まだトップ10入りがないまま。未勝利の小林は開幕戦の5位で〝強心臓〟ぶりが注目されるなど、2度の5位以内と健闘を見せているが、直近2試合は予選落ちとなっている。
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