扇子の歴史や様々な役割に注目~知っておきたい扇子の文化と京扇子の特徴
扇子の歴史や様々な役割に注目~知っておきたい扇子の文化と京扇子の特徴

扇子の歴史や様々な役割に注目~知っておきたい扇子の文化と京扇子の特徴

扇子は扇いで涼しくすることだけが目的ではありません。 舞や能、狂言、茶道に用いられることは良く知られていますが、婚礼や儀礼用の物などいろいろな種類があるのです。

中国から伝来したと思っている人も多い扇子ですが、実は日本生まれだということを御存知でしょうか? 扇子の歴史は今からおよそ1200年前の平安時代初期に遡ります。

【目次】 1.日本で生まれた扇子の歴史 2.指定工芸品、京扇子 3.高島扇骨 4.目的いろいろ 扇子の種類  4-1.舞の小道具として使われる舞扇  4-2.扇子が武器に!? 威嚇や護身に役立った鉄扇 5.様々なカタチで活躍する扇子 Sponsored

1.日本で生まれた扇子の歴史

当時は紙が非常に貴重で、現代のように手軽に使える物ではありませんでした。

そのため、通常用いられる文書は短冊形に切られた木や竹の板が使用されていました。 この板に墨で書いた文書(木簡)を綴じて使ったのが扇の始まりで、これを檜扇と言います。

今と違って「扇ぐ」ことが目的ではなく、和歌を書いたり公式行事の式次第等を忘れないようにメモする道具としても使われていました。 無地の檜扇は男性の持ち物でしたが、色や絵が施されるようになると女性が装飾のために用いるようになりました。

その後、木や竹の骨組みの片面に紙を貼った蝙蝠扇(かわほりせん=広げると蝙蝠の形に似ているから)が作られるようになります。

鎌倉時代には中国へ渡り、更にヨーロッパまで伝わったと言われています。 扇子は中国で両面貼りとなり、日本に逆輸入されるようになりました。

これが現在の扇子の原型。 当時は貴族や神職など一部の階級の人しか使えない物でしたが、江戸時代には庶民の間にも広く普及したとされています。

2.指定工芸品、京扇子

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京都府で作られる、京扇子。 国の伝統的工芸品にも指定されています。

京都らしく雅な絵柄が特徴で、お土産やプレゼントとしても人気です。

京扇子の歴史は古く、その起源は平安時代まで遡ります。 筆記用具として使われていた木簡(もっかん)をルーツとし、当時は主に貴族向けで、一般庶民が使用することはありませんでした。

その後庶民にも広く普及し、現在では国内の扇子のシェア90%以上を占めています。

産地情報 名称 京都扇子団扇商工協同組合 住所 〒606-8343 京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 KYOオフィス

3.高島扇骨

扇子は、扇骨(せんこつ)と呼ばれる骨組みの上に紙や布を貼って作られます。 その扇骨の産地として有名なのが、滋賀県高島市安曇川町です。

日本一の湖である琵琶湖の北西に位置し、良質な竹が多く生えるこの場所では、農民の副業として扇骨作りが行われてきました。 ここで作られる扇骨は”高島扇骨”と呼ばれ、日本で生産される扇骨の90%近くが高島扇骨となっています。

扇骨作りには34もの工程があり、そのほとんどは手作業によって行われます。 京扇子は勿論、日本の扇子は高島扇骨とその職人技に支えられているのです。

4.目的いろいろ 扇子の種類

扇子には様々な種類があります。

紙を貼った扇 夏扇…涼を取ったり装飾が目的 舞扇…舞踊用 茶扇…茶道用 能扇…能や狂言に用いる 香扇…香道に用いる 豆扇…人形や置物などの装飾用 祝儀扇…冠婚葬祭時の礼装用の小物として用いる 有職扇…儀礼用 主に宮中や神社仏閣などで用いられる 薄板を貼った扇 白檀扇…涼を取ったり装飾が目的 白檀や香木の木片を重ねて作られている 檜扇…儀式や装飾に用いる

また絹などの布地を貼った物を「絹扇」と呼びます。

4-1.舞の小道具として使われる舞扇

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同じ紙で作られた扇子の仲間であっても、その用途によって様々な工夫が凝らされています。

例えば舞扇。 日本舞踊などの小道具として必要不可欠な物です。

普通の扇子と材質は同じですが、舞踊では扇子を指で挟んで回したり投げたりといった所作があるため、糸を使って耐久度を上げたり、要の部分に重りが仕込まれたりと扱いやすい作りになっています。

舞扇は稽古用、舞台用、子ども用などサイズもいろいろ。 定番の舞扇としては色ぼかしや日の丸、金銀が最も多く、舞台用には更に鮮やかな色彩を施した物も人気です。 また各流派の流紋や、その舞台の演目に合った絵柄が描かれている舞扇も良く見られます。

4-2.扇子が武器に!? 威嚇や護身に役立った鉄扇

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鉄扇とは護身用に作られた親骨を鉄で作った扇子のこと。 その歴史は明確に分かっていませんが、戦国時代には存在していたとされています。

刀を身に付けていた武家社会の時代も、帯刀することを禁じられる場面や場所がありました。 その代わりに護身用として鉄扇を携帯する人もいたそうです。

軍陣に用いる軍扇も鉄扇のひとつです。 武士が持つイメージの高い鉄扇ですが、幕末の動乱期には公家も携帯していたと言われています。 それほど危険が身に迫っている時代だったことが窺えますよね。

その幕末、京都で最も恐れられていた新選組。 新選組の前身である壬生浪士隊の初代筆頭局長になった芹沢鴨は、「尽忠報国之士 芹澤鴨」と刻まれた鉄扇を持ち歩いていたそうです。

芹沢鴨は相当な乱暴者で知らており、気に入らないことがあると鉄扇を振り回し、相手が昏倒するほど打擲したと言われています。 このように鉄扇は武器として用いられ、主に護身用に携帯されていましたが、場合によっては相手に大きな打撃を与える効果があったとされています。

5.様々なカタチで活躍する扇子

扇子を使った芸と言えば、「落語」も忘れてはいけません。 落語の中での扇子はありとあらゆる物に変化します。

良く知られているのは箸、筆、タバコ、徳利や杯、しゃもじ、刀、釣り竿、そして近年では携帯電話に変身することもあるそうです。 また扇子を使って「トントン」という音を出し、噺の中の効果音として使われたりもします。

このように扇子は活躍の場が広く、様々な役割を果たしてくれています。 日本で生まれ、国内だけでなく早くから海外でも愛用されてきた扇子。

この国の大切な伝統文化のひとつであることが分かります。 奥深い扇子の世界。

今までとはちょっと違った目で、扇子を見ることが出来そうな気がします。

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