赤芽球癆の基礎知識
せきがきゅうろう 赤芽球癆 赤血球や赤血球のもとになる細胞が減少して、貧血になる病気 6人の医師がチェック 84回の改訂 最終更新: 2021.06.16 (福田 健介・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師赤血球は血液中で酸素を運ぶ細胞です。赤血球は骨髄の中で、赤芽球という細胞が成長して作られます。赤芽球癆(せきがきゅうろう)は骨髄で赤芽球が減少し、赤血球ヘとうまく成長していけなくなることにより赤血球が不足し貧血になる病気です。生まれつきの先天性赤芽球癆と、そうではない後天性赤芽球癆に分類されます。また、後天性赤芽球癆は何らかの他の病気に伴って起きる続発性赤芽球癆と、原因が特定できない特発性赤芽球癆に分類されます。さらに、診断後1ヶ月以内に自然に治るものを急性型、そうではないものを慢性型と呼びます。慢性型の赤芽球癆では診断時にすでに貧血がかなり進んでいることが多いです。症状としては、他の貧血になる病気と同様にめまい、頭痛、疲労感、怠さ、失神、動悸、息切れなどがあります。診断は採血検査、骨髄検査、画像検査などで行います。治療は赤芽球癆の原因によって異なりますが、続発性赤芽球癆の場合には原因となる病気の治療、特発性赤芽球癆の場合には免疫抑制薬の使用が中心となります。赤芽球癆が心配な方や治療したい方は血液内科や小児科を受診してください。
- 赤血球や赤血球の元となる細胞(赤芽球)が減少して、貧血になる病気
- 先天性赤芽球癆(生まれつきの赤芽球癆)の原因
- ダイアモンド・ブラックファン(Diamond Blackfan)貧血が代表的
- 後天性赤芽球癆の原因
- 原因が分からない特発性赤芽球癆が全体の約4割を占める
- 原因が分かる続発性赤芽球癆の原因には以下のような病気、状態がある
- 胸腺腫(続発性の中で最多)
- リンパ腫(胸腺腫に次いで多い)
- 関節リウマチなどリウマチ性疾患
- 薬剤の副作用(ジフェニルヒダントイン、エリスロポエチンなど)
- 悪性腫瘍
- ウイルス感染症(ヒトパルボウイルスB19、EBウイルス、肝炎ウイルスなど)
- 妊娠
- ABO血液型不適合の造血幹細胞移植術後 など
- 診断後1ヶ月以内に自然に治る急性型の赤芽球癆もある
- 特に問題になるのは急性型ではない赤芽球癆(慢性型)である
- 慢性の後天性赤芽球癆は厚生労働省の難病指定疾患であるので、一定以上の重症度であれば医療費の補助申請が可能である
- 慢性型の赤芽球癆は日本国内で毎年100人ほどが新たに診断される
- かなり珍しい病気である
- 60歳前後の中高年の方がかかることが多い病気である
- 特発性赤芽球癆はやや女性に多い病気である(男女比1:1.7)
- 貧血による症状が主体
- めまい、立ちくらみ
- 動悸、息切れ
- 疲れやすい
- 顔色が悪い(青白い)
- 続発性赤芽球癆では、原因となる他の病気に伴う症状も出る
- 血液検査
- 貧血の有無や、赤血球の元となる細胞の量を調べる
- 正球性正色素性貧血というタイプの貧血が見られることが多い
- 続発性赤芽球癆の原因となる他の病気の有無を調べる
- 貧血の有無や、赤血球の元となる細胞の量を調べる
- 骨髄検査
- 腰骨や胸の骨から骨髄を採取して顕微鏡でみるなどの検査を行う
- 赤芽球が減っていることの確認や、染色体分析を行う
- 画像検査(胸腹部CT検査など)
- 胸腺腫やリンパ腫など、続発性赤芽球癆の原因となる他の病気の有無を調べる
赤芽球癆の治療法
- 急性型赤芽球癆の場合には自然に治ることもあるので、余裕があれば様子見とする
- 貧血による症状が強い場合にはまず赤血球輸血を行う
- 慢性赤芽球癆では、診断時にすでに高度の貧血があることも多い
- 慢性赤芽球癆の原因別治療方針
- 特発性:シクロスポリンなどによる免疫抑制療法が中心
- 胸腺腫:シクロスポリンなどによる免疫抑制療法が中心
- 胸腺を摘出する手術では、赤芽球癆は改善しないことが多い
- リンパ腫:免疫抑制療法や化学療法(抗がん剤)などが中心
- リウマチ性疾患:原因となる病気そのものの治療が中心
- 薬剤の副作用:原因薬剤の中止
- 原因となる薬剤を中止すれば1ヶ月以内に赤芽球癆は改善することが多い
- ただしエリスロポエチン製剤によるものでは、免疫抑制療法が必要となることが多い
- ヒトパルボウイルスB19感染:ガンマグロブリンの点滴が中心
- 妊娠:出産後3ヶ月以内に赤芽球癆は自然に回復することが多い
- 次回の妊娠時に再発することも多い
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