怪訝な表情を浮かべた角田裕毅 ―「去就決定報道」の真相と、ハジャーに”マックス適性”をみるマルコ
怪訝な表情を浮かべた角田裕毅 ―「去就決定報道」の真相と、ハジャーに”マックス適性”をみるマルコ

怪訝な表情を浮かべた角田裕毅 ―「去就決定報道」の真相と、ハジャーに”マックス適性”をみるマルコ

一部報道にもかかわらず、2026年に向けた角田裕毅の去就は依然として未定である可能性が極めて高い。レッドブル首脳陣は、10月末のメキシコGPを目安に来季ラインナップを固める方針を示しており、本人も「噂は所詮、噂であって事実ではありません」と一蹴する。

「決定済み」との報道も未定濃厚

2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPを前に、ドイツの自動車専門誌『auto motor und sport』は、角田に代わりアイザック・ハジャーが「来季フェルスタッペンの新チームメイトとしてレッドブルに昇格することは公然の秘密だ」と報じ、すでに決定が下されたと断じた。

だが、信頼できる複数の情報筋によれば、現時点ではハジャーが有力候補ではあるものの、依然としていくつかの選択肢を検討している段階に過ぎないという。さらに、来季F1昇格が取り沙汰されるアーヴィッド・リンブラッドについても「時期尚早ではないか」との懐疑的な見方があり、レッドブル内で意見が割れているとされる。

実際、アドバイザーのヘルムート・マルコは、アゼルバイジャンGPを前にドイツのテレビ局『RTL』のインタビューに応じ、遅くともメキシコGP後には来季の方針を決定したいとしつつ、場合によってはシーズン末まで決定が持ち越される可能性を認めており、「決断はまだ何ひとつ下されていない」とも語っている。

角田は動じず「自分のやるべきことに集中」

既定路線として報じられた”退場”に対し、当の本人はどう反応したのか。アゼルバイジャンGPの開幕を前に、”噂”の内容を伏せて長々と言葉を連ねる記者に対して角田は、「何の噂についての質問なのか、分からないのですが…」と怪訝な表情を浮かべた。

報道の存在すら知らなかったようで、簡単な説明を受けると、軽く笑みを浮かべつつ、こう続けた。

「噂は所詮、噂であって事実ではありません。人々がそれを楽しむのは自由ですが、僕は自分のやるべきことに集中します」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

パドックに到着するアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年9月18日(木) F1アゼルバイジャンGPメディアデー(バクー市街地コース)

ハジャーもまた、噂を一笑に付した。その理由について問われると「だってサインしてないんだもん。ただの憶測だよ!」と語り、決定の時期については「シーズン末じゃないかな。僕の場合、いつもその時期だったし、それが理にかなっていると思う。まだ8戦残っているから、プッシュし続けないとね」と答えた。

ハジャーに”マックス適性”をみるマルコ

決定が下されていないとは言え、ハジャーが来季最有力候補であることはほぼ間違いない。

マルコはハジャーと複数年契約を結んでいることを仄めかした上で、フェルスタッペンの隣のシートを任せられるかと問われると「そのためにも、彼のレースをもっと見たいんだ。ここまでは本当によくやっている」と語り、決定が下されていないことをあらためて示唆した。

さらに、ハジャーが新しいサーキットを驚異的な速さで覚える能力を「魅力的」と評し、「2〜3周で完全にコースを把握する」と絶賛。加えて、不振の際の原因をクルマではなく常に自分に求める姿勢を評価し、「精神面でもマックスと渡り合える素質がある」と太鼓判を押した。

レッドブルおよびレーシング・ブルズの来季ラインナップの鍵を握るのは、角田とリアム・ローソンのパフォーマンスであり、すでにハジャーの評価は概ね終了している様子だ。

マルコは「我々はユーキとリアムの走りを見て、来年に向けた正しい決断を下したいと考えている」と強調した。両者にとっては、今後3〜4戦で結果を残せるかどうかがキャリアの命運を左右する。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅(レッドブル・レーシング)と話をするレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ、2025年7月4日(金) F1イギリスGP(シルバーストン・サーキット)

角田に残された選択肢

レーシング・ブルズへの復帰以外で、角田に残された現実的な道はアルピーヌのセカンドシートだ。フランスの日刊スポーツ紙『L’ÉQUIPE』は、ローソンのアルピーヌ移籍の可能性は極めて低いとしながらも、角田に関しては「あり得ない話ではない」との見方を示している。

ただし、チームの母国フランスや、エグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレの母国イタリアにおいて目立った報道はなく、現時点では憶測の域を出ない。実現の可能性は決して高くはないのが実情だ。

より現実的なシナリオは、2026年からホンダとの新たなパートナーシップを開始するアストンマーチンでのリザーブ起用だろう。だが角田にとって最優先事項は、たとえ姉妹チームであってもレッドブルファミリーに残り、レギュラーシートを確保することだ。

F1アゼルバイジャンGP特集

  • おすすめ
  • F1
  • ハジャー
  • ローソン
  • 角田裕毅
  • ホンダ
  • レッドブル
  • F1アゼルバイジャンGP

関連記事

  • マルコ、角田裕毅に要求「そろそろポイントで示せ」課せられた重責と強い期待
  • 揺れるリアム・ローソン「もうこだわる必要はない…」吐露した心境の変化、2026年に向けた去就の現実を直視
  • 「同じ道を歩んだ男」ガスリーが角田裕毅に送った助言―経験者が語るレッドブル”生き残りの鍵”
  • 雨の鈴鹿でF1タイヤテスト閉幕、リンブラッドが痛恨クラッシュ。春休みも続くピレリの開発計画
  • 因縁が再燃…ローソンとペレス、F1開幕戦で再び火花「あいつ、マジで最悪なんだけど」
  • 角田裕毅は頂点と奈落の先に何を見たのか。「人生で最も辛い時期」を越えて掴んだ“気づき”、F1の外から語る5年と覚悟
📎📎📎📎📎📎📎📎📎📎