僧帽弁形成術(MVP+MAP)の基本知識
僧帽弁形成術(MVP+MAP)の基本知識

僧帽弁形成術(MVP+MAP)の基本知識

目次
  1. 押さえておきたい解剖生理
    1. 1.僧帽弁周囲の解剖
    2. 2.僧帽弁の解剖と僧帽弁機能不全の分類
    3. 3.Carpentier分類
    4. 4.弁尖の解剖(Acar分類)
  2. 主要な術式の理解
    1. 1.僧帽弁輪形成術 Mitaral annulo plasty(MAP)
    2. 2.僧帽弁形成術 Mitral valve plasty(MVP)
    3. 3.人工腱索
  3. 人工弁輪の種類

押さえておきたい解剖生理

1.僧帽弁周囲の解剖

僧帽弁は、多くの重要な構造物に取り巻かれています。

1.左冠動脈の回旋枝は、僧帽弁輪周囲を横行しています。冠静脈洞も同じ部分を走っています。

2.房室結節への動脈枝は僧房弁の前尖の弁輪に平衡に近接して走っています。

3.前尖弁輪の残りの部分は大動脈弁に隣接している。

これらの関係は僧帽弁手術の際、臨床的重要な意味をもちます。

2.僧帽弁の解剖と僧帽弁機能不全の分類

弁尖、弁輪、腱索、乳頭筋、心室より構成されており、いずらかの形態的、機能的異常によって弁の閉鎖障害をきたすと僧帽弁閉鎖不全症(MR)が生じます。

 

MRの治療方針を決める上で重要となるのは重症度とその機序です。

僧帽弁機能不全の分類にはCarpentier分類が広く用いられています。

 

3.Carpentier分類

4.弁尖の解剖(Acar分類)
  • 病変部位を示す僧帽弁の地図としてCarpentierは、前尖、後尖をそれぞれ3つずつの6つに分けます。
  • 交連部を全交連部(AC)、後交連部を(PC)とした。こうした分類方法はAcar分類と呼ばれます。

主要な術式の理解

1.僧帽弁輪形成術 Mitaral annulo plasty(MAP)

拡大した弁輪の形を整えるため、人工弁輪を使用し弁輪の縫縮を行います。

サイズが大きすぎると十分な接合がえられず、サイズが小さすぎると僧房弁狭窄症やSAMを生じることがあります。

2.僧帽弁形成術 Mitral valve plasty(MVP)

逸脱した弁尖部分を切除し、切除後の弁を縫合し形成します。

3.人工腱索
  • 逸脱した部分にGore-Tex糸を腱索の変わりとして弁尖と乳頭筋に固定する方法です。
  • 前尖逸脱に対しては人工腱索による弁形成術が必要となります。

①     逸脱した腱索の起始部の先端の乳頭筋へ針を通し、縫合糸を固定する。

②     糸の一方の針を、前尖の断裂腱索付着部に通す。

③     腱索をピンと張らせ正常な腱索の長さへ近づけ調整する。

④ 糸を結紮する。

 

 豆知識 前尖病変は弁葉切除を行うと修復が困難であるため、基本的には人工腱索移植が推奨されています。後尖のMRの弁形成は95%成功すると言われていますが、前尖の弁形成は比較的難しいそうです。弁形成でMRがコントロールできない場合は、弁置換手術へ切り替わる場合が多いです。

人工弁輪の種類

リングには、全周性のリングタイプとパーシャル(1部分)のバンドタイプがあるのはなぜでしょうか?

  • リングタイプは弁輪の全周に糸かけをして、全周をカバーするタイプです。
  • バンドタイプは、弁輪の後尖をカバーするタイプです。
  • 私は今まで、バンドタイプでMRは制御できるのか?疑問に思っていました。
  • 前尖側は、大動脈弁と密接しているため拡張しにくいそうです。そのため、後尖側をカバーしたらMRは制御できると考えれているそうです。
  • どちらを使用するかは、好みだそうです。異なるリングとバンドで成績を比較した研究は多くありますが、明確な答えはないそうです。

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