「拒否すれば射殺」…負傷兵・末期がん患者まで“前線投入”!流出文書が暴いた、ロシア軍“狂気の支配”
「拒否すれば射殺」…負傷兵・末期がん患者まで“前線投入”!流出文書が暴いた、ロシア軍“狂気の支配”有馬侑之介 2026.01.02 アクセス 1,485
引用:Newsis来る2月24日で、ロシアが「特別軍事作戦」を名目にウクライナへ全面侵攻してから4年を迎える。長期戦が続く中、ロシアが兵力を確保・維持するため、負傷者や重病の兵士まで前線に投入し、兵役契約の延長も強いられるなど、兵士や家族の不満が噴き出しているという。
米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」は12月31日、ロシアの戦争遂行がどのように過酷化し、自国の兵士を搾取してきたかを検証する記事を報じた。根拠となったのは、大統領直属の人権オンブズマン(人権担当機関)に寄せられた苦情が、ずさんなウェブサイト管理によって外部に流出した文書だという。流出分は2025年5~9月に投稿された内容で、NYTは情報提供を受けた後、投稿者とみられる兵士や家族への取材など約2か月の確認作業を経て報道したとしている。
NYTは、ブラジーミル・プーチン大統領が消耗戦を戦う兵士を英雄視する一方、戦争の継続が多くの兵士家族を壊し、表面下では怒りと不満が高まっている実態が、苦情の内容から浮かび上がると指摘した。虐待の訴えは、刑務所の受刑者や未決拘禁者の出身者で編成された部隊に集中していたともいう。
病傷兵や帰還捕虜も前線へ、拒めば暴行や監禁も公開された文書によると、骨折や末期がん、てんかん、重度の視覚・聴覚障害、頭部外傷、統合失調症、脳卒中の後遺症など、重い疾患がある兵士が前線へ送られたケースが記されていた。解放された戦争捕虜も、直ちに戦闘に復帰させられたという。
さらに、指揮官が兵士を射殺すると脅し、実際に「ゼロアウト(ゼロイングアウト)」などと呼ばれる形で実行した、との訴えも複数あった。NYTは、この言葉が少なくとも44件の苦情に登場し、100件以上で指揮官が部下を殺すと直接脅したとの記述があったと伝えている。「ゼロアウト」は、兵士を意図的に死地へ追い込む、あるいは戦場で味方が兵士を射殺することを指し得ると説明した。
文書には、危険任務から外す見返りに金銭を要求された、という訴えも含まれていた。任務への不満や異議、賄賂の支払い拒否を理由に、殴打や地下室への監禁を受けたとする記述もあり、穴に落とされたり、木に数日縛られたりした例が挙げられている。徴兵や義務兵役で入隊した新兵が長期契約への署名を拒むと、死亡率が高いとされる突撃部隊へ回すと脅された、という主張もあった。
NYTは、苦情全体に「通報すれば報復される」という恐れが共通して見られるとし、表に出ていない不正や虐待がさらに存在する可能性を示唆している。
母親が拘束の様子を公開、松葉づえ姿で戦闘投入も具体例としてNYTは、オクサナ・クラスノワ氏が2025年8月27日、息子が4日間にわたり木に手錠をかけられ、食料や水、トイレもない状態で拘束されたと訴え、映像を公開した事案を紹介した。クラスノワ氏は、息子と同僚がウクライナ占領地域でロシア国旗を掲げて撮影する危険な任務への参加を拒んだことが処分の理由だったと説明したという。
息子のイリヤ・ゴルコフ氏はNYTの取材に対し、クレミンナ近郊で携帯電話を袖に隠して撮影したと話し、治安機関に親族がいたため釈放につながったと述べたとされる。ゴルコフ氏は、車いす利用者が前線へ送られるのを見たとも語ったという。
別の女性リュボフ氏も電話取材で、息子が脚の骨折や脳震とうを負ったにもかかわらず、部隊長から「ここでは皆が脳震とうだ」などと言われ、負傷後に3度戦闘へ投入されたと訴えた。NYTは、松葉づえや杖をついたまま戦闘に投入される兵士の写真も掲載したという。7か月間捕虜となり解放後に前線へ戻された兵士が、捕虜体験の記憶から戦場でパニックに陥り、判断を誤る恐れがあると語った例も紹介された。
「敵より怖いのは味方」暴行や恐喝の訴え相次ぐ苦情の多くは、兵士が敵に殺されることと同じほど、味方の指揮官から殴打や恐喝を受けることを恐れている状況を示していたという。
ナタリア・ルキアンチュク氏(74)は、孫が極東カムチャツカの基地で約1か月、暖房用ラジエーターに手錠でつながれたまま暴行を受けたとして申し立てたと語った。孫は交通事故で4年6か月の刑を受けた後、刑期を1年残して1年の軍務契約を結び出所したが、契約延長を拒むと部隊が強制的に延長し、虐待が繰り返されたという。ルキアンチュク氏は、軍隊ではなく「肩章を付けた狼男のようだ」と憤ったとされる。
また、休暇や転属、あるいは大規模戦闘での戦死回避と引き換えに賄賂を求められた、という告発もあった。負傷兵向けの公的資金が支給されると、補償金の一部を要求されたり、負傷が虚偽申告されたりする例も挙げられている。
サイド・ムルタザリエフ氏(18)は、同僚が「死の攻撃」への投入を避けるため、上官の命令で賄賂を支払う状況になり、約15,000ドル(約235万円)を受け取ったとされる。NYTによると、この賄賂事件を隠すため、指揮官がムルタザリエフ氏を死亡リスクの高い戦闘に送り込み、事実上殺害すると受け取れる内容の映像が、母親レイラ・ナフシュノワ氏へ送られたという。
受刑者中心の部隊で「上官が兵士を直接殺害」 遺族が共同で告発女性遺族10人が共同提出した申し立てには、モスクワの東約360キロにあるニジニ・ノブゴロド郊外へ駐屯する部隊(部隊名は伏せ字)で、上官が兵士を直接殺害したという主張が含まれていた。この部隊は未決拘禁者や受刑者が中心だったという。遺族側は、指揮官が前線で300人を超える兵士を殺害したと非難し、遺体から携帯電話を抜き取り、兵士の銀行口座から現金を引き出したとも訴えた。
遺族側は、軍当局が2023年と2024年に部隊員の一部を拘束したものの、殺害は続いたと主張している。ムルタザリエフ氏もこの部隊所属で、ナフシュノワ氏も共同申し立てに署名した。ナフシュノワ氏によると、息子は3月7日、自分が完全に排除されると語る映像を送った後、消息が途絶えたという。ナフシュノワ氏は、その映像をオンラインに投稿し、NYTにも提供したとしている。