馬は昔「犬サイズ」だった。午年にちょっと自慢したくなる雑学話
馬は昔「犬サイズ」だった。午年にちょっと自慢したくなる雑学話- 2026.01.04 22:30
- ヤタガイ
今年は午年。せっかくなので暇な時に友達に小話できそうな、馬の話をします。
そもそも現代を生きる馬がどうやってあの形まで行き着いたのか。実は昔はもっと小さくて、犬くらいのサイズだったのだそう。
恐竜が絶滅した白亜紀のあと、地球には小型の哺乳類があふれます。馬の祖先もその一員で、約5500万年前に登場したのが、ヒラコテリウム(別名エオヒップス)。
Image: shutterstock体高は約30〜35cm。ウサギより大きく、柴犬より小さいワンちゃんくらいのサイズでした。
しかも、
・指は前脚4本・後脚3本
・森の中を少しずつ歩く
・「草」というよりも、木の芽や低木のやわらかい葉を食べる
という、今の馬のイメージとは大きく異なる生き物。
ではなぜあんなに大きくたくましく、走るのも速くなったのか。理由はシンプルで、森が減って「草原」が増えたから。
草原のような開けた場所では、早く走れない=食われるということ。そして、硬い草を食えない=生き残れないという意味にもなります。
そこで馬の仲間は、
・指を1本に減らし、足を長くてスピードに特化
・歯は草を食べてすり減っても大丈夫なように、歯冠を高く、伸び続けるシステムにアップデート
・広い視野を得られるように目を獲得
という方向に進化。 最終的に体高1.5m超、体重500kg級の現代のつよつよ馬が誕生するわけです。
ちなみに見た目はウシの仲間っぽい馬ですが、DNA的にはネコ・コウモリ寄り。形が似ている=近い親戚、とは限らないという、進化界あるあるです。
馬とロバとシマウマは何が違う?
Image: shutterstockついでに気になるこの話にも触れておきます。 馬とよく似た見た目のロバ。具体的にはどんな違いがあるのでしょうか?
馬:スピード型・敏感・全力疾走
ロバ:慎重派・我慢強い・省エネ
ロバ:乾燥地や山地に住む・慎重で省エネ
耳が長いのがロバ、しっぽの毛が根元からフサフサなのが馬。シマウマはその中間で、耳はやや大きめ、しっぽは先端フサフサ派。しかも全身ストライプという自己主張強め仕様です。
3種類は進化的に同じグループの仲間なので近い特徴を持ちますが、絶妙に違います。馬とロバは交配するとラバになりますが、染色体数が違うため、だいたい子孫は残せません。シマウマも馬やロバと交配自体は可能ですが、やはり繁殖はほぼ不可。
見た目は違っても仲間、でも遺伝子レベルでは完全には噛み合わない。これがウマ属の自然界ルールです。
日本の馬は世界基準から外れた進化をした
Video: 公益財団法人 馬事文化財団/ YouTubeここで日本の話を少しだけ。 日本にはもともと馬はいませんでした。紀元前後〜古墳時代に、大陸から人と一緒にやってきます。 ただしその頃の日本は、
・山が多い
・道が狭い
・農作業と移動がメイン
という環境。その結果、日本で重宝されたのは小さくて足腰が強く、扱いやすい馬。 野間馬や木曽馬など、体高120cm前後の在来馬が生まれました。
そして現代、日本の馬は仕事を失った?
日本の物流を支えた小型の馬たちでしたが、戦後、トラクターや車が登場。馬の仕事は一気に消えました。 小型の在来馬は特に厳しく、一時は絶滅寸前に。 現在は動物園や保存団体によって、ギリギリ命がつながれているようです。
5500万年かけて大きくなった
ワンちゃんサイズから始まり、草原を制する大きな生物になり、人類史の最前線で酷使され、最後は機械に役割を奪われた馬。
ある意味、成功しすぎた馬の進化の物語。午年の今年、競馬場だけでなく動物園の馬を見たら、「このサイズになるまで、5500万年かかったんだな」と思い出してみてください。 たぶん、ちょっとだけ見え方が変わるかも?
Source: 乗馬クラブクレイン, JRA, Pacalla, YouTube, 公益社団法人日本馬事協会