SONY SCD-777ES
- SONY SCD-777ES
¥350,000(1999年11月10日発売)
SCD-1の設計思想を継承して開発されたESシリーズ初のSACDプレイヤー。 SCD-777ESは2chステレオ専用となっており、SACDのマルチチャンネル再生には対応していません。 SACDではディスクに記録されたDSDによるデジタルデータを解読し、1bitのパルス信号を生成しています。 このDSD信号を処理するデコーダー回路をLSI化して搭載しており、信頼性の向上とともに回路内配線も短縮化し、高速な処理を実現しています。 SACDのDSD信号はパルスの密度によって音楽信号を表現しており、高い精度を維持するにはパルスをいかに正確に再現するかが重要となります。このパルス再生の精度を決定する要素には「振幅軸方向の精度」と「時間軸方向の精度」があります。SCD-1では、振幅軸方向の精度のためにACPシステムとカレントパルスD/Aコンバーターを、時間軸方向の精度向上のためにS-TACTパルスジェネレーターを搭載しています。 スイッチング歪の影響を除去するためACPシステム(Accurate Complementary Pulse Density modulation System)を搭載しています。 ACPシステムでは、本来パルスを出力しない0の信号でもパルスを出力し、かつ1と0のパルス幅を互いに補数の関係になるように処理することでパルスの「あり/なし」という情報をパルスの「幅が広い/狭い」という情報に変換しています。これによりスイッチング歪が生じていてもDSD信号そのもの精度には影響を与えないようにすることができ、広帯域の音楽信号を高純度のままアナログ信号に変換することが可能となっています。 時間軸の揺らぎを改善するため、S-TACT(Syncronus Time Accuracy ConTroller)を搭載しています。 パルスジェネレーターは入力されたデジタルデータを読み取って高精度なパルス信号を生成する役割を持っています。パルスの生成には水晶振動子による高純度のクロックを使用しており、クォーツ精度という極めて時間軸精度の高いものとなっています。 S-TACT用のLSIはデジタル演算部をACP側に配置することで独立させており、パルス生成部とデジタル演算部を分離しています。これにより、デジタル演算部で発生するスイッチングノイズによる悪影響を排除しクォーツ精度のパルス生成を可能にしています。 D/A変換部にはカレントパルスD/Aコンバーターを搭載しています。 ACPシステムとS-TACTによってスイッチング歪や時間軸の揺らぎが改善されたDSD信号は高精度な電圧パルスとなっています。しかし、電圧パルスの場合スイッチング時の応答によってパルスの振幅が微妙に変化することがあります。 カレントパルスD/Aコンバーターでは内部に安定した定電流源を持っており、電圧パルスを用いて電流源をスイッチングすることでよりクリーンな電流パルスに変換しています。 CD再生時に使用されるデジタルフィルターには24ビット可変(V.C.)デジタルフィルターを搭載しています。 このフィルターは従来のものに比べて優れた演算能力を持っており、24ビット精度の演算能力と、一度の演算で直接8倍オーバーサンプリングが可能となっています。また、音色の変化が楽しめるフィルターポジションは5ポジション備えています。 フィルターポジションには、信号をより滑らかにする処理を加えた#1クリアーや、ソニーとしては初めての偶数次フィルターである#3ファインのポジションなどが追加されています。 アナログローパスフィルターには信号経路にアクティブ素子を持たないGIC型を採用しており、素子によるカラーレーションを抑えています。また、適切な再生帯域となるようにカットオフ周波数や遮断特性を選定しています。 ピックアップ部には新開発のツインピックアップを採用しており、最適な波長のピックアップを備えることで信号読取りの信頼性を向上させています。 また、信号読取り方式には光学系固定メカニズムを採用しており、振動の影響を受けやすいピックアップを固定し、重量のあるディスク側をゆっくりと水平移動させる方式としています。これによりピックアップを制御するサーボ電流の変動を減らし、安定した信号読取りを可能にしています。 駆動用のスピンドルモーターには新開発の高剛性アルミダイキャスト製を採用しています。 支持部にはサファイア軸受け、回転部にはルビーボールを使用し、接点での回転系摩擦ロスを低減することでサーボ電流を減少させています。 強固な構造を持ち、振動にも強いトップローディング方式を採用しています。 開閉時にはパネルがわずかに浮き上がり、スムーズにスライドします。 シャーシ構造にはBPシャーシを採用しています。 このシャーシはベース(Base)シャーシを金属板を2枚貼り合わせた10mm厚とし、そこに鋳鉄製の支柱(Pillar)を7本立て、側板や天板を取り付けていくシンプルな構造となっています。構成素材そのものの強度を高めることでシンプルな構造ながら十分な剛性を確保しており、シャーシ内部に広いスペースを確保しています。 電源部にはツイントランス構成を採用しており、オーディオ回路とサーボ・デジタル系のそれぞれに専用のRコアトランスを搭載しています。 このトランスは断面が円形で切れ目のないドーナツ状のコアを採用しており、磁束漏れと振動を大幅に減少させています。また、電源回路は音質的に有利なディスクリート回路基板を使用しており、電解コンデンサーなどのパーツも厳選したものを使用しています。 ワイヤレスリモコンが付属しています。 このリモコンはクリック感のあるキースイッチや1mm厚のアルミニウムプレートを配した薄型設計となっています。