半導体 ウェハーの作り方3.1 熱拡散
前回のお話まででシリコンウェハーがほぼ出来上がりました。また、ここまででできたウェハーをPWと呼ぶことがあります。Prime Waferの頭文字をとっています。
しかし、生産されたすべてのウェハーがそのまま半導体になっていくわけではありません。半導体が要求するスペックは多種多様で、CZ法でできた結晶にはない特性を必要とするものもあります。(参照:シリコンへの道)
ママはすっかりこれでシリコンウェハーは完成、と考えているようです。
ママ かなり時間かかったけど、大体のことはわかった気がするわ。だってネットで見るキラキラした円盤がシリコンウェハーなのよね?この前ミツオちゃんに教わったから、もう大丈夫!さて、今日からは美容に関して勉強をしなくちゃ。若く見えるような化粧法なんかもママはニコニコしながら、開店準備をしています。
ママ おっと、もうこんな時間だわ。店を開けなくちゃ目次
- さらなる進化を遂げていくウェハー
- 不純物を添加していく方法
- 不純物の拡散方法とは
- 不純物を添加していく方法
さらなる進化を遂げていくウェハー
「カラン、コロン」
お客さんが来たようです。
セミオ ママー、来たよ・・ママ、一体どうしたの?ママの表情には大きな余裕が感じられます。
ママ もう半導体のことは大体わかったような気がするの、ありがとうね、セミオちゃん セミオ えっ、もうおしまいなの?まだ基本の基のくらいだけど・・ ママ だってシリコンウェハーとP型とかN型とか歴史なんかもわかったしね セミオ まあそうだけど。だけど、シリコンウェハーだってまだ完全じゃないんだよ。 ママ そうなの!?そういえばウェハーからICになる工程なんかもしらなかったわ・・ セミオ まだ続ける? ママ 私は中途半端なのは嫌なの。もちろんお願いするわ 不純物を添加していく方法スライスウェハーの状態ですでにシリコン内に不純物が添加されていることは紹介した通りです。しかし、今の半導体はそんなに単純ではありません。
ここからは精密不純物添加方法について紹介していきます。
基本的には、方法はおおざっぱに2種類あります。
ひとつはシリコン結晶形成時に同時に添加する方法です。もう一つは結晶ができたあとに外部から添付する方法です。
今回紹介していくのは、結晶ができたあとに外部から添付する方法のひとつである熱拡散という方法です。
不純物の拡散方法とはスライスされたウェハーは単結晶を作る際に混ぜられた不純物のみで抵抗率が決まります。(参照:シリコンへの道)
それでは不十分な場合があるので、さらに加工する必要があります。その一つにウェハーの表面に不純物を拡散させる方法があります。
しかし、良きにつけ悪しきにつけ、シリコンウェハーは固いので簡単に不純物をしみこませることはできません。そこで長い時間をかけて不純物をしみこませる工程があります。
上の図は拡散炉といわれるものの例です。拡散とは英語でdiffusionですので不純物を拡散されたウェハーをDeffused Wafer(ディフューズド ウェハー)といいます。
まず、最初に低温で不純物を大量に含んだものを半導体表面に成長させます。これをプレデポジションといいます。
その後、1250℃くらいに炉内温度を上げて数日おいておきます。これをドライブイン拡散といいます。そうするとウェハーの中に不純物がだんだんとしみこんでいき不純物がウェハーをサンドイッチのように挟み込みます。
この時に使用する不純物はリンとかホウ素といったものです。リンとホウ素が半導体どう関係があるかは以前に紹介した半導体にも積極的、消極的がある?を確認ください。
サンドイッチのように挟み込まれたウェハーの両面の一方を削り取ります。これをハーフオフといいます。一般にダイオードやトランジスタは不純物を拡散していない方に作ります。不純物を拡散した方は電極として使われます。
この方法は表面不純物の低濃度のコントロールに関しても優れていますが、近年の半導体の精度化からいうと少し物足りないところがあります。というのは使用した不純物のモニターを定量的にできないという弱みがあるからです。
それを改善するためにイオン注入という方法がとられます。その内容はかなり複雑なので次回に紹介します。
ママ 随分時間がかかるのね。シリコンウェハーがスポンジみたいに柔らかければ、よかったのにね。 セミオ それがそうでもないんだよ。もし柔らかかったら、できあがったばかりの時にはいろんなものが入ってきてなんだかわけがわからなくなるんだ。 ママ そうなの。じゃあ仕方ないわね。お問い合わせ
ABOUT ME RUNNER 半導体材料のメーカーで長年仕事をしてきました。材料メーカーなので半導体について多くの詳細を知っているわけではありませんがその分七面倒くさい言い方ではなくわかりやすく伝えられると考えています。 もし、お時間と興味があれば、読んでみて下さい。