tn3のブログ
往年のフジテレビの人気番組『スターどっきり㊙報告』(1976-1998)について、悪意のあるドッキリあるいは人を試すようなことは私はやってはいけないことだと思う。しかし、1990年に若山富三郎(1929-1992)が仕掛人をやったドッキリは実に名作だと思う。
大御所若山富三郎が清川虹子と結婚する設定で、その結婚披露宴をマスコミは外に出して身内だけで催し、山城新伍(1938-2009)が司会する。途中で欠席の弟勝新太郎、里見浩太朗などの祝電が披露された後、ご祝儀の額が紹介される。仕掛けられるのは安岡力也(1947-2012)なのだが、「大木実様 100万円、山城新伍様 50万円、花沢徳衛様 50万円…」などと紹介され、(事務所にそう言われたとして)1万円しか包まなかった安岡が不安を募らせる。そして、「高岡建治様 1万円」と紹介され、「高岡、お前、俺のあれで1万円か?」「俺は高値を言ってるじゃねえんだよ!」「建治、お前、俺に1万円ってどんなところから言ってるんだよ、えっ? こっち来い!」と連れ出されて殴られる(もちろん演技)のを見て、安岡が更に冷や汗をかく。そして、みんな高額の祝儀の披露が次々と続く中(少ない人でも10万円)、「安岡力也様 1万円」と紹介され、後ろ姿でズッコケる若山は見事である。
若山は卓越した時代劇俳優だが、*1『ドリフ大爆笑』『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』でも見事なコントをこなしており、*2お笑いのセンスもある。そして、このドッキリ全体がドラマのようであり、清川虹子、大木実、花沢徳衛、山城新伍、高岡建治といった有名な俳優たちの演技が実に上手い。*3
*1:何年前だったか、日本テレビ『ダウンタウンDX』で浜田雅功の「一番殺陣が上手いのは誰ですか?」の問いに高橋英樹(1944-)が冗談さながら生きている時代劇俳優では自分、亡くなっている人も含めるなら若山先生という趣旨ことを言っていたが、『魔界転生』(1981)の柳生但馬守宗矩などはまさにそれを彷彿させる演技であった。
*2:若山はもう高齢に近い年齢だったと思うが、トンボ(前方宙返り)も披露していた。
*3:大木実を含め、しばしば「若山組」と称せられる俳優たちだと思う。清川が誓いのキスをし、大御所俳優の大木や花澤が祝辞を述べ、その他、悪役商会の丹古母鬼馬二、山城の妻だった花園ひろみなども列席していて、とてもヤラセとは思われないところが見事である。