【サウジ便り】フォーエバーヤングにまさかのブーイング…敵地で感じた王者の”宿命”と底力
【サウジ便り】フォーエバーヤングにまさかのブーイング…敵地で感じた王者の”宿命”と底力

【サウジ便り】フォーエバーヤングにまさかのブーイング…敵地で感じた王者の”宿命”と底力

ナイソスを振り切りサウジC連覇を飾ったフォーエバーヤング(撮影・太田尚樹)

砂漠の夜空に重く低い声が響いた。

サウジC直前のキングアブドゥルアジーズ競馬場。大型ビジョンに坂井騎手の顔が映し出され、アラビア語でフォーエバーヤングが紹介されると、場内からブーイングが聞こえた。

驚いた。満場から起こったものではないが、小さな音量でもなかった。競馬場でブーイングを聞いたのは、なかなか記憶にない。少なくとも日本ではありえないことだ。

ただ、サウジアラビアではサッカーが人気で、レジェンドのクリスティアーノ・ロナウドもプレーしている。馬券も発売されていないため、スポーツとして見る観客が多かったのだろう。いわばスターの“宿命”か。

対照的に地元勢の名が呼ばれると、大歓声が巻き起こった。自国を応援するのは世界共通。22年にはエンブレムロードが遠征馬を退けており、今年も打倒フォーエバーヤングの望みは捨てていなかった。

そうした雰囲気も影響したのか、日本馬は苦戦が続いていた。サウジCの前まで5戦5敗。まさか全敗か…? レース前には矢作師も「日本勢は厳しいね」と、嫌なムードを感じていた。

そんなアウェーの逆境も跳ね返してくれた。

海外の猛者たちから厳しいマークを受けた中で、王者フォーエバーヤングはBCダートマイル勝ち馬ナイソスを振り切り“永遠”とも思える1馬身差で完勝を果たした。史上初の連覇だ。

坂井騎手は愛馬をたたえた。

「やっぱり、みんなが倒しにきて…。嫌な形になりました。すごい馬だと思います。どんな形でも勝つのが強さ」

しかも、まだ完調ではなかった。矢作師は「やはり『まだ100%ではない』というのは、道中でも感じていました」と指摘した上で「ホッとしたのが一番」と胸をなで下ろした。

敵地に乗り込んで勝つ。世界最強馬フォーエバーヤングは平然とやってのけるが、それは簡単ではない。現地で取材できたからこそ、彼の底力をあらためて感じられた。

レースを終えた後にはブーイングなど聞こえず、大観衆は温かな拍手で勝者をたたえた。そんなスポーツマンシップも強調して付け加えておきたい。【太田尚樹】

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