古いアンプをDIYで修理する方法解説 | ハードオフで買ったPMA-390II(DENON)を修理レポ
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ジャンク品のアンプを修理する

ハードオフを徘徊していたところ、欲しかったアンプ(DENON PMA-390)が格安で売られているのを発見。

第二世代なので、1990年代後半の製品だ。

ジャンク品の理由は「片方(L-ch)から音が出ない」とのことだった。

片側から音が出ないなんてものは、すぐ修理できてしまうので儲けものだ!と判断して、購入した。(→後述しますが、ケアレスミスのせいで、後に結構苦しむのですけどね…)

ハードオフで良い買い物をした人

これ、修理できたら超儲けものじゃないですか!?

購入ですね、これは買いです

超お買い得価格で購入した、ジャンク品のアンプがのはこちら↓

リモコン付き、外観はほとんど傷も無い美品。良い買い物をした(音が出れば)

ということで、故障したジャンクのアンプの修理方法について、解説していこうと思う。

故障の症状に応じて、どこを被疑箇所として疑うべきか!?や、被疑箇所に対する修理方法についてまとめていこうと思う。

皆さんも、ぜひジャンクの故障したアンプを購入して、復活させて良い音を鳴らしましょう。

故障したアンプの修理方法(王道編)

アンプの故障原因として、下記に挙げる要因が大多数を占める。例えば、リレーボリューム(可変抵抗器)、電解コンデンサは、長く使用していると故障を避けられない部品であるからである。そのため、アンプの故障はポイントを抑えれば自分で修理できる場合が多い。ハードオフでお宝を発掘する時に、「これは直せるか?」という判断基準の一つとして、知っておくと得をするかもしれない。

以下にアンプの故障として多い6つの事例を紹介するが、若番ほどその発生確率は高いと思われれます。

1.ケーブル端子の接触不良

症状・片方から音が出ない・音が鳴ったり鳴らなかったり間欠的に症状が発生する切り分け方法スピーカーケーブルやRCAケーブルを揺らしてみて、ガサガサと音に変化が無いか探ってみる。もしガサガサと音に変化がある場合は、端子の接触不良であることが多い対応策端子に接点復活剤(後述)を吹きかけて、綿棒などでグリグリしてみる。または、スピーカー端子のネジの緩みを締め直す

2.リレーの故障

症状・両方から音が出ない・片方から音が出ない・片方からの音が極端に小さくなる・片方から音が出ないがボリュームを大きくすると一時的に直ることがある切り分け方法・根本的には、オシロスコープでリレー部品の前後の信号の波形を見て、リレーが正しく動作しているかをチェックするのが良い(が少し難しい)・簡易的には、リレーのケースを指で弾いてみて、一時的に改善するか見てみる対応策・暫定対処:リレーのケース(カバー)を外して、内部のリレー接点の汚れを接点復活剤やヤスリで除去する(リレーの周りに部品がない場合は、ハンダを使わずに修理できる場合があるが、リレーのカバーが簡単に外れない場合は、ハンダを使ってリレーを外す必要がある場合もある)・根本対処:リレー部品を交換する(500円くらい)

3.ボリュームの故障

症状・ボリュームを回すと、ノイズが発生する(所謂「ガリ」)・音が出ない・ボリュームを最小にしても音が出てしまう切り分け方法・ボリュームを回して、ノイズが発生したりとおかしな挙動が無いか対応策・暫定対処1:ボリュームの隙間から、接点復活剤を吹きかけて、ボリュームを何度か回して接点の不良を取り除く・暫定対処2:ボリュームを分解して、清掃する(効果大だが、ハンダ作業が必要)・根本対処:ボリューム部品を交換する(リモコンと連動している場合、互換品がない場合もあるので、難しい場合が多い)

4.バランスVR(可変抵抗)の故障

症状・片方から音が出ない・トーンコントロールをONにすると、片方から音が出なくなる切り分け方法・左右バランスのボリュームを回してみて一時的に改善しないか見る・バランスVRが半分死んでいる場合は、ボリュームを回すことで音が大きくなったり小さくなったり不安定な挙動をすることがある対応策・暫定対処1:バランスVRの隙間から、接点復活剤を吹きかけて、ボリュームを何度か回して接点の不良を取り除く・暫定対処2:バランスVRを分解して、清掃する(効果大だが、ハンダ作業が必要)・根本対処:バランスVR部品を交換する(互換品がない場合もあるので、難しい場合もある)

5.電解コンデンサの故障

症状・電源が入らない・音が出ない・音のキレがなくなる・音に雑音が入る切り分け方法・電解コンデンサが膨らんでいたり、液漏れしたりしていないか目視で確認する対応策・電解コンデンサを交換する(ハンダ作業が必要)

6.ハンダクラック

症状・片方の音が出ない・音が出ない切り分け方法・基盤のハンダ部分を目視して、ハンダに亀裂が入っていないか確認する・部品を爪で弾いて、音に変化が無いか確認する対応策・再ハンダする

接点復活剤とは、こういうもの↓何かと便利なので、1本は持っておいた方が良い。

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実践編(PMA-390IIの修理)

まずはケースを開けて、電解コンデンサが吹っ飛んでいる、焦げている部品があるなど「明らかにおかしいところがないか?」を確認特に問題無さそう

リレーの接点不良改善

片方から音が出ない(L-chから音が出ない)という症状から、リレーの接触不良の可能性が高いなと判断し、次にリレーの分解修理をしてみることに。DH2TUというDEC製の24Vのリレーだ。けっこう一般的に使用されているリレーだ。

両隣りにボリュームとコイルが所狭しと配置されているので、リレーを一度プリント基盤から取り外さないと、リレーのカバーを外すことはできなかった。

このリレーのはんだ付け部分を見てみると、再ハンダをした後のようなフラックスの焦げがあった。前のオーナーが、リレーの修理をしたことがあるようだ。

ハンダコテ+ハンダ吸い取り線を使って、リレーのハンダを吸い取って、リレー部品を取り外す。

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ハンダ吸い取り器という、ハンダを溶かして吸い込む道具もあるが、リレーを外すくらいであれば、ハンダ吸い取り線だけで全く問題ない。

これが取り外したリレー↓

このカバーにマイナスドライバーなどを差し込んで外す↓

リレーの仕組みは、このコイルに電圧を付与すると磁場が発生し、真ん中の端子が反発して動いて端の端子に接触してONになるというものだ。

この端子が汚れると、接触不良が発生する。このように↓、私のリレーは端子が真っ黒だった(噂によると、接触が良くなるようにカーボンの粉末を付けているリレーもあるらしいので、元から黒いのかもしれないが)

接点復活剤+綿棒で擦ってみたが、埒が明かないので、ヤスリで磨くことにした。

目の細かい耐水ペーパーが良い。

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耐水ペーパで磨くと、こんなに金色にピカピカになった。仕上げに軽く接点復活剤を吹きかけてサビを予防しておく。

ここまでリレーをきれいにしてみたが、症状は改善しなかった。こんなに真っ黒だったのに、リレーの故障じゃないんかい!って感じですね。

ボリュームの接点改善

次にボリュームを疑ってみる(特にボリュームの不具合では無さそうなのだが、疑わしきは罰するという…)

PMA-390IIのボリュームは、リモコンと連動して、機械的にボリュームが回転するという、少し古いアンプではよくあった方式だ。

このボリュームには、接点復活剤を流し込む隙間や穴が無いので、分解してみることに。

ボリュームは、独立基盤で構成されており、コネクタで接続されていたので、まずはこの独立基盤を取り外す

2110857002という型番のAlps製のボリュームだ。Alpsはボリューム(VR:可変抵抗)で定評のあるベンダーで、品質が高い(その分値段も高い)ことで有名だ。

前半部分のパーツを留めてある金属の爪を、マイナスドライバー等で曲げて留め具を外す

こんな感じにまずは棒の部分を外すことができる。

青い部分の部品の分解は、ハンダを吸い取らないと実施できないようだったので、ハンダを吸い取ることにした。

(ただ、私のハンダコテは精密部品用の15Wとあまり熱くならないハンダコテなので、GNDに接続されたボリュームの金属の固定部分のハンダを溶かすことができなかった)

簡易的に、この↓8つのpinコネクタのみのハンダを吸い取り、前半のパーツだけを取り外すことにした。ハンダを溶かし、前半部分の青い部品浮かせて取り除く

接点まではあと一息!

このように、簡単にボリュームを分解することができた。

接点復活剤を吹きかけて綿棒でお掃除。汚れていたようで、こんなに綿棒が真っ黒になった。

ボリュームを掃除しても、片方(L-ch)から音が出ない問題は解決せず(そりゃー、ボリューム故障の症状じゃないからそうなりますよね。でも、ボリュームが犯人じゃないことは証明された)

バランスVRの接点改善

片方から音が出なくなる症状として、バランスVR(可変抵抗)が被疑であることがけっこう多い。特に、Web記事を徘徊していると、このPMA-390では、バランスVRの接点不良による故障がとても多いらしい。そういう訳で、バランスVRの接点を改善することに。

この青いVRが被疑者のバランスVRです↓

穴が空いているので、ここから接点復活剤を吹き込む応急処置もできますが、私はもっと直接的に懲らしめてやろうということで、分解しました。(下図は、バランスVRではなく、LOUDNESSのVRです。左から4番目がバランスVR)

ハンダコテの熱量不足(15Wじゃ厳しい)により、バランスVRを固定している金属部分のハンダは溶かすことができなかったので、pin部分のみのハンダを溶かして、青いプラスチックの部分だけを浮かして分解することに

104MNというVRだが、検索しても見つからなかった。これを壊してしまうと、代替品も手に入らないので慎重にいかないといけない(と言いつつ、バリバリっと思いっきり引っ剥がしてやりました)

この状態で、接点が見れたので、接点復活剤+綿棒で清掃した。これまた綿棒が真っ黒になった。

これは改善するのではないか?とかなり期待して、音を出してみたが、相変わらず片方chからは音が出ない。

まぁ良いのである。20年も前のアンプなので、リレーやVRはメンテナンスしてあげないといずれ壊れるので、これは定期メンテナンスだったということで自身を納得させる。

本格的に故障箇所の切り分けをすることに

仕方がないので、ちゃんとオシロスコープを使って、故障箇所を切り分けることに(最初からやっとけよ、という話ですが、オシロスコープは屋上の物置きにしまい込んであって、取りに行くのが面倒なんですよね。まぁVRを分解するほうが面倒なんですが)。

その前に、ハンダクラックが無いか一応基盤をみて確認特に問題無さそう

さて、オシロスコープの登場です。ちゃんとしたオシロスコープは5万円以上はざらにする高価なものですが、最近は中国製の簡易的なオシロスコープが4000円くらいで手に入ります。便利な時代になったものです。自作オーディオやる人は、1台持っていても良いかもしれない。

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音楽を入力に入れて、オシロスコープで波形を見てみるとこんな感じ↓

時間軸は50msくらいにして、ACで5mV〜0.1Vくらいのレンジで見ると、DJソフトの音の波形のようなものが見れます。

電圧のダイナミックレンジは、アンプのボリュームの大きさによって異なりますので、適宜変更するという感じですね。(入力信号は、5mV〜20mVくらいで観測し、アンプの出力は0.1Vくらいで観測する感じだったと思います)

アンプの電源を入れて作業をする時は、絶対に下記に気をつけた方が良いです。・電源ケーブルが挿入されている状態の時は、ケースを分解したりと構成変更をしない・絶縁手袋(無ければ最悪軍手)をはめて作業すること・感電する可能性があるということを、常に意識して気をつける(無茶はしない)

オシロスコープで波形をチェックしていく。1.iPhoneから音楽を入力しているRCA端子→左右とも当然信号あり2.スピーカー保護リレー手前の信号線→左右とも信号あり3.スピーカー保護リレー出力の信号線→左右とも信号あり4.スピーカー端子の根元→左右とも信号あり

「あれ!?どこでL-chの信号無くなってるの?」

スピーカー端子まで左右ともに音の信号来てるじゃないですか。

どこで紛失してるんだ?

ということで、スピーカー端子のネジの緩みを直して、締め上げると…

何事も無かったかのように、左右ともに無事に音が出ました!!

何という盲点。

ハードオフで「L-chから音が出ません」と書いてあったので、リレーの分解、ボリュームの分解、バランスVRの分解までやったのに、まさかこんな初歩的なところが原因だったなんて…

ともあれ、良い音で鳴ってくれてよかったです。

以降、PMA-390IIについて

PMA-390は、安価な価格帯にも関わらず、オーディオグレードの部品を使い、設計も秀逸(DENONの中でも390シリーズだけは、設計者が別らしいですね)なので高音質とかなり評価が高い機種。

初代のPMA-390はトロイダルトランスが使われており、「この安価な価格なのにトロイダルトランスが使われている!」と話題だったそうな。

第二世代であるPMA-390II以降は、残念ながらトロイダルトランスは廃止となり、普通のトランス電源になってしまいました。このトランス電源を、今後音質アップのためにトロイダルトランス化したいなど目論んでいたりする。

PMA-390IIのトランス電源 2330480000

トランス電源のデグレの反面、第二世代以降はリモコンで操作が可能に。音質的には初代PMA-390が良かったのですが、私はリモコンはマストなので、第二世代以降のPMA-390を狙っていた。

PMA-390IIは、以降の世代のPMA-390III、PMA-390IV、PMA-390AE、PMA-390SE、PMA-390REと異なり、入力切替がロータリーボリュームスイッチではなく、プッシュボタン式だ。

ロータリーボリュームはこれまた故障しやすい部品なので、プッシュボタン式のPMA-390IIを選んだ(安かったこともあって)

とてもシンプルな外観ですね。

入力はレコードからの入力用のPHONOに加えて、3入力ある。スピーカーは2出力できて、スイッチで出力を切り替えることができる。

ハードオフ購入時、「修理・アフターサービスはナカウラ」というシールが貼られていた。前のオーナーさんは、秋葉原にあった家電量販店であるナカウラで購入なさったようです。そして、故障時のサポートも付けたみたいですね。

PMA-390IIには、AC→DCの電源の平滑化のための平滑コンデンサに、8200uF / 56V のオーディオ用電解コンデンサが2つ使われていた。

20年も経過しているので、容量が減っているでしょうから、これは今後交換したいパーツの1つ。

アンプの中枢部分は、ICではなく、トランジスタを使ったディスクリート回路で作られている。かなりシンプルな回路なので、メンテナンスしやすそう。

このアンプ回路周りの電解コンデンサも交換したい。

PHONO入力や、トーンコントロール回路関連にはオペアンプが使われており、JRCの2068DDだ。歪みの少ない高音質、万能と評価が高いオペアンプだ。

アンプの心臓部であるトランジスタは、2SC4278が2つ、2SA1633が2つの合計4つ使われている。

2SC4278:ローム社製、150V npnトランジスタ

2SA1633:ローム社製、150V pnpトランジスタ

トランジスタの違いにより音質を比較しているマニアなサイトなどもあるが、これらのトランジスタICの音質情報は載っていなかった。このトランジスタICは、探せば300〜400円くらいで手に入りそうな感じ。

豆知識だがトランジスタの最初の三文字は、下記の意味を持つ。”2S” は2つのSemiconductorの略だそうだ。

  • 2SA:PNP接合の高周波用トランジスタ
  • 2SB:PNP接合の低周波用トランジスタ
  • 2SC:NPN接合の高周波用トランジスタ
  • 2SD:NPN接合の低周波用トランジスタ

これらのトランジスタの発熱を放熱するために、けっこう大きなヒートシンクが使われている。これらのトランジスタ、及び、レギューレータICの熱を放熱してくれている。電源トランスやレギューレータが左半分を占拠し、なるべく熱が信号ラインの部品にいかないように工夫されているようだ。

今後、電解コンデンサの交換などやって音質UPを試みたいと思う。楽しみだ。

→さっそく全ての電解コンデンサを交換しました。こちらのエントリー↓にその模様を書きました。

古いアンプのコンデンサを交換して音質向上させる方法|DENON PMA-390II電解コンデンサは10年〜20年で寿命を迎えます。古いオーディオアンプの電解コンデンサを交換することで、故障修理&高音質化ができるので、電解コンデンサの交換方法や音質アップの効果について紹介します。blog.bnikka.com
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