安めのRICOH GRが欲しい…けど、それは今後も叶わない見込み
安めのRICOH GRが欲しい…けど、それは今後も叶わない見込み- 2026.03.06 16:00
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- 長谷川賢人
「コンパクトで良いデジカメが欲しいなぁ、やっぱりRICOH(リコー)のGRかなぁ…でもお値段が結構……もっと安くて買えるモデルが出ないかなぁ…」
と、一度は頭をよぎったことがあるかもしれません。なんなら書きながら、自分も思っているくらいです。
最近はコンデジといえど10万円超え、いやそれ以上も当然といった具合。いくら「コンデジは死なず」といえど、KODAK(コダック)の2万円以下モデルの人気ぶりを見ても、「もうちょっと廉価版のGRとか作ればいいんじゃないの?」なんて考えたり。
でも、どうやらそれはGRチームの哲学と根本的に相容れないみたいです。つまり、作れないんじゃなくて「作らない」なんですね。
台湾のテックメディア「Cool3C」が、カメラ・映像機器の国際展示会「CP+ 2026」に合わせて、リコーイメージング株式会社のGRカメラ開発チームにインタビューを実施しています。そこで語られたのは、GRというカメラが「なぜこの形でしか存在できないのか」が浮かび上がるものでした。
GRには「4つのルール」がある
image: RICOHGRは根強いファンに支えられ、シリーズは抽選販売が常の人気ぶり。そんなGRの開発では、常に「GRルール」という4つの法則に立ち返ることが多いと言います。
GRは小型であること。GRは高画質であること。GRは高速であること。これら3つの原則を満たした上で、ストリートフォトに密接に関連する新機能を可能な限り多く追加すること。
これらの4つのルールが「究極のストリートカメラ」を構築する土台だ、ということですね。
廉価版は「作れない」ではなく「作るべきでない」
image: RICOHでは、それがどうして廉価版を作らないことにつながるのか。CoolC3は、フィルムカメラ「GR1」シリーズの時代に、光学系はそのままに機能を簡素化した「GR10」を発売した過去に触れて、現在のGRでも可能性はあるのかについて尋ねています。
すると、先ほどのGRルールの観点に照らしても、現行のGRと同等の光学系・センサーを維持したまま機能を削っても、「コストを大幅には下げられない」との結論。
かといってコスト削減のためにセンサーを小さくすれば、GRユーザーが求める画質には届かず、それはもはや“GR”と名乗れるものではない……わけですね。
つまり、簡素化しても安くはならない、機能追加にもならないし、画質をおろそかにすればルールに反する……という具合で説明がつくと。
焦点距離はストリートフォトに最適なものを
image: RICOHちなみに、焦点距離が28mm固定という仕様もGRのアイデンティティのひとつですが、GR IIIxで40mmが追加された経緯についても説明されました。
ストリートフォトの撮影者が使う焦点距離を調査したところ、最も多かったのは超広角から小広角の28mm〜40mmの範囲であり、次いで標準域の50mm〜60mmだった。GR IIIxの焦点距離を決める際、「35mmは28mmに近すぎ、50mmは肉眼に近すぎる」として、最終的に中間にあたる40mmが選ばれたとのこと。
この点でも「ストリートフォトに適合するか」を前提にしていることが見えてくるようです。
おそらく今後もGRは「安くてガンガン使えるカメラ」の夢を叶えてはくれません。でもその代わりに、常にポケットに入るサイズで、妥協なき画質と速写性をアップデートし続ける。それがGRの存在意義だとチームは信じているかのようです。
こういう思想やルールがわかると「廉価版が出ないこと」への不満も、いくらか和らぐかもしれません。
けど! ここからは私論ですが、とはいえ「安くてガンガン使えるカメラ」が求められているのもあるんじゃないかと感じます。たとえば、FUJIFILM X halfは「ガンガン」系ではないけど、あの価格帯だったのが大事だったんではないかと。
ちょうどこの記事を書いているときに、SONYの「NEX-5N」あたりを再評価するXの投稿がプチバズしていて、確かにあの薄さと小ささはよかったよなぁと回顧したり。今調べたら2011年発売でボディ単体が7万5000円くらい。うーん、今この価格帯のいいヤツ出てきたら、グッとくるけどな。
※タイトル「RICOH」の表記に誤りがありましたので、修正いたしました。(2026年3月6日)
Source: Cool3C