水に難溶なイオン結晶(水酸化物・硫化物・塩化物・硫酸・クロム酸・炭酸イオン)
水に難溶なイオン結晶(水酸化物・硫化物・塩化物・硫酸・クロム酸・炭酸イオン) 2023 6/23 2017年8月6日2023年6月23日 目次はじめに
【プロ講師解説】このページでは『水に難溶なイオン結晶(水酸化物・硫化物・塩化物・硫酸・クロム酸・炭酸イオン)』について解説しています。
水酸化物イオンOHーとの反応
- 水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水などの塩基を特定の陽イオンが入っている水溶液に加えると沈殿生成反応が起こる。
- どの陽イオンが塩基(水酸化物イオンOHー)と沈殿生成反応を起こすかについてはイオン化列を利用するといい。
- Ag+を含む水溶液を塩基性にすると水酸化銀(Ⅰ)AgOHではなく酸化銀Ag2Oが沈殿する。これは、常温で水酸化物の分解反応が起こると考えると理解できる。
\[ \mathrm{2AgOH\overset{常温}{→} \underbrace{ Ag_{2}O }_{ 褐色 }↓+H_{2}O} \]
硫化物イオンS2ーとの反応
- 硫化ナトリウム水溶液や硫化水素ガスを特定の陽イオンの入っている水溶液に加えると沈殿生成反応が起こる。
- どの陽イオンが硫化物イオンS2ーと沈殿生成反応を起こすかについては、水酸化物イオンの場合と同様イオン化列を利用するといい。
- アルカリ金属元素・アルカリ土類金属元素の水酸化物は全て沈殿しにくい。またイオン化傾向がZn以下のものは中性・塩基性下の条件で沈殿を形成し、Sn以下のもの+Cdは全液性下で沈殿を形成する。水溶液の液性によって沈殿生成のしやすさが異なるので注意しよう。
水溶液の液性によって沈殿生成のしやすさが異なる理由
- 硫化物イオンは、水溶液中で次のような平衡状態になっている。
\[ \begin{align}&\mathrm{H_{2}S⇄HS^{-}+H^{+}}\\&\mathrm{HS^{-}⇄S^{2-}+H^{+}} \end{align}\]
- もし溶液が酸性だったとすると、周りにH+の量が非常に多くなってるためルシャトリエの原理によりH+の量が少なくなる方向、つまり左方向に平衡が移動することになる。
- その結果、硫化物イオンS2ーの量も同時に減るため、より沈殿ができにくい環境となり、イオン化傾向が大きく簡単に沈殿になりにくいZn2+、Fe2+、Ni2+などの金属イオンは沈殿にはならず、そのまま溶液中にイオンの状態で存在することになる。
- 一方、イオン化傾向が小さく沈殿になりやすいPb2+、Cu2+、Ag+などの金属イオンは、たとえS2ーの量が少なくても積極的にこれとくっつくことになるため、沈殿を形成しやすい。
塩化物イオンClーとの反応
- 塩化物イオンはほとんど沈殿を生成しない。水に難溶なイオン結晶(沈殿)としては次の3個を覚えておけば問題ない。
- ちなみに、PbCl2は熱水には溶ける(沈殿にならない)。
硫酸イオンSO42ーとの反応
- 硫酸イオンも塩化物イオン同様ほとんど沈殿をつくらない。水に難溶なイオン結晶として次の4個を覚えておこう。
- Ca2+、Sr2+、Ba2+は全てアルカリ土類金属元素の陽イオンである。
クロム酸イオンCrO42ーとの反応
- クロム酸イオンもほとんど沈殿を形成しない。水に難溶なイオン結晶として次の3個を覚えておこう。
炭酸イオンCO32ーとの反応
- 炭酸イオンは様々なイオンと沈殿を形成するが、中でも「陽イオンの定性分析」で頻出のアルカリ土類金属元素との沈殿を覚えておこう。
参考:陽イオンの定性分析〜原理・目的・反応式まとめ〜
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