放射線肺臓炎の基礎知識
ほうしゃせんはいぞうえん 放射線肺臓炎 治療の目的などで胸部に放射線を照射後、照射された部位やその周囲の肺がダメージを受けること 3人の医師がチェック 65回の改訂 最終更新: 2022.09.04 (福田 健介・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師放射線肺臓炎は主に、がん治療目的で胸部に放射線を照射された後、放射線の当たった部位やその周囲の肺がダメージを受ける病気です。レントゲンやCT検査などの放射線を使った検査で発症することはありません。放射線治療後1ヶ月から6ヶ月後くらいに発症することが多いです。主な症状は咳・息切れ・痰・発熱などです。放射線治療を行ったエピソード、身体診察、画像検査(胸部レントゲンや胸部CT)から診断されることが多いです。治療としては、軽度であれば様子をみるだけということが多いです。肺臓炎の範囲が広く、息切れなどの症状がある人にはステロイド薬が使用されます。放射線肺臓炎が心配な人や治療したい人は、まずは放射線治療が必要となった元々の病気に対するかかりつけ医を受診して下さい。必要があれば、そこで呼吸器内科を紹介してもらってください。
- 治療の目的で胸部への放射線を照射した後、照射した部位やその周囲の肺が障害された状態
- 肺がんや食道がん、乳がん、転移性肺がんなどに対して放射線治療をする際、正常肺も照射範囲に含まれていると発症することがある
- 胸部に放射線治療を行った患者さんの13%から32%で発症すると報告されている
- 放射線を照射した直後から肺臓炎が起こることがあるが、多くの場合は放射線を照射してから1ヶ月から6ヶ月ほど経って肺臓炎になることが多い
- 放射線を照射していない肺に障害が広がることもある
- 胸部CT、PET検査、マンモグラフィー、心臓カテーテル検査、食道造影検査、などの放射線検査では放射線肺臓炎は発症しない(照射線量が少ないため)
- 以下の場合は放射線肺臓炎になりやすいので注意が必要
- もともと間質性肺炎がある(この場合には基本的に放射線治療自体を避ける)
- 肺に照射される放射線量が多い
- 放射線を照射される肺の範囲が広い
- 化学療法(抗がん剤)を放射線療法と並行して行う
- 咳
- 息切れ
- 痰
- 発熱 軽度の放射線肺臓炎では症状がでないことも多い
- 胸部レントゲン(X線写真)検査
- 胸部CT検査
- 照射部位に一致して、陰影を認める(放射線の照射部位に沿って直線的な陰影になる)
- 照射範囲外に肺臓炎が広がってくることもある
- 血液検査:炎症反応の値や線維化のマーカーを調べたり、感染症との区別をする
- 呼吸機能検査:肺臓炎による呼吸機能低下の度合いを調べる
放射線肺臓炎の治療法
- 軽症であれば自然に治癒するのを待つ
- 肺臓炎の範囲が広く、重症であればステロイド薬が使われる
- 呼吸機能が落ちることで息切れが目立つ場合は酸素療法や人工呼吸器の使用を行うことがある
- 経過観察や数ヶ月のステロイド治療でほぼ完治することが多いが、生涯治療継続が必要になるケースや、稀ではあるが呼吸不全で亡くなるケースもある
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