「どうみてもクモにしか見えない尻尾」で獲物を誘うヘビ
「クモのように見える尻尾」をもつヘビ / Credit:(左)Wikipedia Commons_Spider-tailed horned viper 、(右)Field Museum of Natural History_Pseudocerastes urarachnoides Bostanchi, Anderson, Kami & Papenfuss, 2006 animals plants- 動物
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2024.01.11 17:00:36 Thursday
鳥にとって、地上を無防備に歩くクモは貴重な食料です。
しかし、クモを食べようとしている鳥たちこそが、ある種のヘビにとっては「無防備で」「貴重な食料」なのです。
イランに生息するスパイダーテイルドクサリヘビ(学名:Pseudocerastes urarachnoides)は、本物のクモに見える尻尾を持っており、その尻尾で獲物をひきつけ捕食します。
その尻尾の動きは、まるで釣り人がルアーを小刻みに動かしている時のようです。
ここでは、いくつかの論文から、徐々に明らかになってきたスパイダーテイルドクサリヘビの生態をご紹介します。
This Might Look Like a Spider, But You’re in For a Shock https://www.sciencealert.com/this-might-look-like-a-spider-but-youre-in-for-a-shock Pseudocerastes urarachnoides Bostanchi, Anderson, Kami & Papenfuss, 2006 https://www.gbif.org/occurrence/668487651 A new species of Pseudocerastes with elaborate tail ornamentation from western Iran (Squamata: Viperidae) https://www.researchgate.net/publication/228988036_A_new_species_of_Pseudocerastes_with_elaborate_tail_ornamentation_from_western_Iran_Squamata_Viperidae Avian deception using an elaborate caudal lure in Pseudocerastes urarachnoides (Serpentes: Viperidae) https://brill.com/view/journals/amre/36/3/article-p223_4.xml つらら内部の小さな泡は「気泡」ではなく不純物を多く含んだ水だった世界の終わりに人が「何をするか」分析!人は道徳を失わないのかダニの死骸の匂い!?天日干しした洗濯物の「お日様の匂い」の正体を解説 #shorts人が感じる瞬間的な時間は心拍の影響で伸び縮みしている!動画一覧目次
イランで「尻尾がクモの形をしている」珍しいヘビが発見される
スパイダーテイルドクサリヘビ / Credit:Wikipedia Commons_Spider-tailed horned viperスパイダーテイルドクサリヘビ(学名:Pseudocerastes urarachnoides)は、ツノメクサリヘビ属(Pseudocerastes)の仲間であり、「幅広くて平らな頭」や「目の上にある角のような鱗」を持っています。
これらの特徴は同じツノメクサリヘビ属であるペルシャツノクサリヘビ(学名:Pseudocerastes persicus)と共通しています。
そのため1968年、スパイダーテイルドクサリヘビの個体が最初に発見された時には、新種ではなくペルシャツノクサリヘビだと考えられていました。
他のペルシャツノクサリヘビにはない「奇妙な尻尾」を持っていましたが、科学者たちは「何らかの腫瘍か、寄生虫の影響でそのような形になった可能性がある」と考えていたのです。
スパイダーテイルドクサリヘビの標本。当初は腫瘍をかかえたペルシャツノクサリヘビだと考えられていた / Credit:Field Museum of Natural History_Pseudocerastes urarachnoides Bostanchi, Anderson, Kami & Papenfuss, 2006この珍しいヘビの標本はアメリカのフィールド自然史博物館に寄託されましたが、その存在は35年間ほとんど忘れられていました。
ところが2003年、同じく奇妙な尻尾を持つツノメクサリヘビ属が発見されました。
その後、同様の特徴を持つ個体が複数存在することが確認され、2006年には新種「スパイダーテイルドクサリヘビ」として認められました。
(詳細は、2006年のハミド・ボスタンキ氏らの論文を参照)
まるで本物のクモに見える / Credit:Field Museum of Natural History_Pseudocerastes urarachnoides Bostanchi, Anderson, Kami & Papenfuss, 2006スパイダーテイルドクサリヘビの尻尾には、「小さな組織の塊」が付いており、その組織の両側から複数の細長い「蔓」もしくは「ひげ」のようなものが伸びています。
その見た目は、まるで本物のクモのようです。
ただしこの時点では、スパイダーテイルドクサリヘビが、その特殊な尻尾をどう役立てているのか分かっていませんでした。
確認できたのは、いくつかのスパイダーテイルドクサリヘビの胃袋には、鳥の死骸が詰まっていたということだけです。
次ページ狡猾なヘビは尻尾の「疑似餌」を動かし、空を飛ぶ鳥を捕食する
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