歯車の基礎
歯車の基礎

歯車の基礎

どうもこんにちは。1年のmoden3です。ロ技研ではハードを担当しており、現在はNHKロボコンの手伝いをしています。

大学に入ってロボット製作を始めたばかりでまだまだ分からないことも多いですが、今回は僕の機構の勉強もかねて、歯車の基礎知識と仕組みについてまとめたいと思います。

歯車の基本的な用語

歯車にもいろいろ種類があるのですが、今回は一般的な平歯車についてまとめます。

ギアの設計や購入で歯車を選ぶとき、少なくとも次の用語を知っておくとよいです。

  • 歯数 名前の通り歯車の歯の数です。
  • モジュール 歯の大きさを表します。
  • ピッチ円、基準円 歯車が実際にかみ合ったときの円を表します。2つの歯車がかみ合うとき、それぞれの基準円半径の合計が歯車の軸間距離となります。 基準円直径は、(歯数)×(モジュール)です。
  • 歯先円 歯の先端を通る円です。歯車の大きさを表します。 歯先円直径は、(基準円直径)+  2  ×(モジュール)です。
  • 歯底円 歯と歯の間のくぼみの部分(歯底)を通る円です。 歯底円直径は、(基準円直径)-  2.5  ×(モジュール)です。
  • 圧力角 簡単にいうと、歯の傾きを表します。一般的には20°が使われます。
  • 歯たけ 歯底から歯先までの長さです。

小原歯車工業株式会社の資料にとても分かりやすい図が載っていたので、以下に引用させていただきました。 出典:KHKの歯車ABC入門編

インボリュート曲線

歯車をよく見てみると、歯の形がただの四角形ではないことに気づきます。ここには、回転が滑らかに伝わるような工夫がなされているのです。

歯車は回転を伝達する部品なので、歯のかみ合わせ位置によるムラがなく、できるだけ歯と歯の摩擦を減らし、より効率よく動力を伝達できることが大事になります。これらを解決するため、現在多くの歯車にはインボリュート曲線が用いられています。

インボリュート曲線とは、円筒に糸を巻き付け糸をぴんと張りながらほどいていくとき、糸の先端が描く軌跡のことです。 媒介変数表示で式にすると、

x = a ( cosθ + θ sinθ ) y = a ( sinθ – θ cosθ)

となり、グラフはこんなかんじです。

歯車にインボリュート曲線を描くときの基準となるのが、「基礎円」というものです。 基礎円の直径は、(基準円直径)×  cos(圧力角) で表され、先程のインボリュート曲線の式で a  =(基礎円半径)とすることで、歯の側面を作ります。

歯車は基準円が接するようにかみ合いますが、歯の接点は2つの基礎円の接線上を通ります。つまり歯車Aと歯車Bのかみ合いは、基礎円同士(円柱Aと円柱B)にひもを巻き付けて回転させるのと似ているのです。

出典:WIKIMEDIA COMMONS

歯車を作ってみよう

せっかくなので、実際にSOLIDWORKSで歯車を作ってみましょう。

まず、歯底円、基礎円、基準円、歯先円を決めます。ここで、後で様々な規格の歯車を作れるように、グローバル変数を使いたいと思います。グローバル変数を使って様々な寸法をリンクすることで、複数の寸法を簡単に管理、変更することができます。

SOLIDWORKSの上部の「ツール」バーから「関係式」を開きます。そこに、次のように歯車の寸法を設定します。

設定したら平面に4つの円を描き、歯底円、基礎円、基準円、歯先円とします。このとき円の寸法をグローバル変数に指定します。

次にインボリュート曲線を作ります。 スケッチで図のアイコンを選択し、「関係式駆動カーブ」で、「関係式タイプ」を「パラメトリック」にします。

ここに先ほどのインボリュート曲線の式を入れます。

x = “基礎円直径” / 2 * ( cos(t) + t * sin(t) ) y = “基礎円直径” / 2 * ( sin(t) – t * cos(t) ) t1 = 0 t2 = 2

次にインボリュート曲線と円の中心を直線で結び、さらにもう一本中心から直線を引きます。

歯と歯の間隔(ピッチ)を設定します。図の部分の円弧をグローバル変数で、 pi * “モジュール” / 4 に設定します。

余計な線を消して、歯の片側を作ります。

スケッチ全体を押し出します。このとき、ボスの長さをグローバル変数の”歯幅”にします。 その後押し出しカットで歯の部分を切り取ります。

カットの部分を反対側にミラーします。

カットとミラーを円形パターンで複製します。複製の数は、グローバル変数で”歯数”を指定します。

これで完成です。グローバル変数を変更することで歯車の規格を様々に変えることができます。

注意

歯車の作り方について述べましたが、実際の設計では基準円が分かればギアの合致はできるので、歯なんて作る必要はありません。円柱で済ませてください。

以上です。ありがとうございました。

参考文献

小原歯車工業株式会社 KHKの歯車ABC http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/guide_info.html

株式会社ヨシダデザイン SOLIDWORKS ギヤのモデリング http://www.yoshida-design.com/spur_gear1.html

SOLIDWORKS ヘルプ グローバル変数 http://help.solidworks.com/2017/Japanese/SolidWorks/sldworks/c_global_variables.htm

 

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投稿者: moden3

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