長年の不動車から「腐ったガソリン臭」が……!! モトグッツィ「ルマンIII」再生プロジェクト
長年の不動車から「腐ったガソリン臭」が……!! モトグッツィ「ルマンIII」再生プロジェクト

長年の不動車から「腐ったガソリン臭」が……!! モトグッツィ「ルマンIII」再生プロジェクト

長年の不動車から「腐ったガソリン臭」が……!! モトグッツィ「ルマンIII」再生プロジェクト tags: モトグッツィ, レストア, 旧車

「不動車」とは言っても、不動状態にすることを前提にした車両と、普段使いしていたのに、ある日突然「乗らなくなってしまった」ケースでは、その後の復活過程で大きな違いが出ます。今後「しばらく乗らないだろう」と思われる際には、最低でもガソリンは完全に抜き取り、キャブレターのフロートチャンバー内も空にしておくことです。そんな意味でも、このモトグッツィ「ルマンIII」は酷かった……。

プーンと漂う「腐ったガソリン臭」から状況を理解

 どんな中古車でも、購入時には何かしらの縁というか、巡り合わせがあるように思います。長年不動だったショップ在庫車両の「ルマンIII」でしたが、縁あってぼく(筆者:たぐちかつみ)のガレージにやって来ました。

 軽トラを走らせて愛知県へ向かい、積載後は高速を走って持ち帰りました。ぼくの軽トラは幌荷台仕様なので、ある程度の雨でも積荷やバイクが濡れてしまうことなどありません。想像以上に密閉度が高く、使い勝手が良いのが幌荷台の軽トラだと思います。

 そんな密閉度の良さから、積載移動途中に、とある事実に気が付きました。ガソリンスタンドでセルフ給油した際に、幌幕を開けて積載状況を確認しようとして……臭い!! 旧車ファンなら誰もが知る、腐ったガソリンの、あのイヤな臭いが幌荷台内に充満していたのです。

軽トラの荷台からバイクを降ろしたくても、前後ブレーキが使えないので作業は大変です。無理するとバイクをひっくり返してしまうので、迷うことなくバイク仲間を呼び出して、ヘルプ依頼しました

 あ~、「ガソリンが腐っている=タンク内の洗浄が大変」です。積載前に、ガソリンタンク内部は見ていませんでした……。

 前後ブレーキのキャリパーピストンも固着気味なので「ブレーキレバーは握らないでくださいね」との申し送りがあり、積載時にはブレーキレバーを握らずに、バイクを押してもらって荷台へ積載しました。

 しかし、1人作業でバイク降ろしは危険なので(バイクの重さに耐えられず倒す可能性大)、近所に住むバイク仲間に声を掛け、バイクを支えて頂きました。

サビではなく大量の変質ガソリンが……!!

 バイクを無事に降ろせたので、早速タンクリッドを開けてタンクキャップを取り外すと、給油口の内側は酷い状況でした。あの臭いも一気に出てきます。こんな状況では、ガレージ内にバイクを格納できません(ガレージ内が腐ったガソリン臭で充満します)。

 ガソリンタンクを取り外し、醤油ちゅるちゅるポンプで残ガスを抜き取りました。サビのようなスラッジが大量に出ましたが、まだまだ堆積しているのが見えます。

 これまでの経験から、この固体物質はサビではなく、変質劣化したガソリンだと思われます。その証拠に、マグネットに吸いついてきません。醤油ちゅるちゅるポンプによる吸い出しだけでは固体物質を取り切れませんので、左右の燃料コックを取り外して、ガソリンタンク内に水道ホースを突っ込み、コック穴から流し出しました。

 そんなやり方でタンク内を水洗して、その後に中性洗剤を注入し、水道水でタンクを満たして70℃設定で高温乾燥器内にタンクを入れ、しばらく温めました。

 中性洗剤+お湯による洗浄は、想像以上に効果的です。効率良くタンク内を洗浄できた記憶があります。翌日、中性洗剤水で満たしたガソリンタンクを再度温め、半日ほど放置しました。

タンク内にロングノズルのエアーガンを刺し込み、口金をウエスで閉じながらタンク内を「うがい洗浄」します。この作業を3回繰り返して、ようやく内部汚れが落ちたような印象になりました

 タンク内部の汚れはそれなりに落ち、鉄板地肌も見え始めました。何度か濯ぎ洗いしながら、ロングノズルのエアーガンで「うがい洗浄」も繰り返します。

 すると、タンク前方からピューッと小さな噴水が……あぁ、サビ穴です。

 タンクの底ではなく、おそらく残留ガソリンと空気室の境界あたりにサビ穴がありました。タンク内洗浄で汚れの堆積が分解され、溶接部分の鉄板に穴を開けてしまったようです。

 こうなると作業進行できませんので、まずは穴埋め作業から開始になります(つづく)。

【画像】燃料タンク内部を徹底洗浄!! その方法とは? 画像で見る(15枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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