膿胸の基礎知識
のうきょう 膿胸 胸膜に感染が起こり胸腔(肺と胸膜の間の空間)に膿がたまった状態 4人の医師がチェック 82回の改訂 最終更新: 2021.08.16 (福田 健介・医師) 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師膿胸は肺の外側に膿がたまった状態です。肺の外側には胸郭(肋骨や肋間筋など)が囲う胸腔というスペースがあり、この胸腔に膿が溜まっています。主な症状は発熱・胸痛・咳・呼吸困難ですが、重症になると血液中に菌が侵入して全身をめぐって全身のバランスを崩します。 血液検査や画像検査や細菌検査(胸腔穿刺が必要)を用いて診断します。治療は膿を身体の外に出す処置(ドレナージ)を行い、並行して抗菌薬の投与を行います。手術をして膿を洗い流すこともあります。膿胸が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科・呼吸器外科・感染症内科を受診して下さい。
- 胸膜(肺の表面を覆う膜)に感染が起こり胸腔(胸の中の、肺の外側の空間)に膿がたまった状態
- 細菌による感染が原因となることが多い
- 胸膜炎や肺炎(細菌性肺炎)から波及することが多い
- 原因となる細菌(起炎菌)は以下のものが多い
- 溶連菌
- 黄色ブドウ球菌
- クレブシエラ桿菌
- 嫌気性菌 など
- 発症しやすいのは以下のような人
- 高齢で寝たきりの人
- 糖尿病、腎不全、低栄養状態、免疫抑制剤を使用中などの免疫力が落ちている人
- 長期にわたって(3か月以上)膿胸がある場合は慢性膿胸と呼ばれ、治療方針が異なる
- 主な症状
- 発熱
- 胸痛(深呼吸や咳で痛みが悪化するのが特徴)
- 咳
- 膿性痰(黄色など色のついたネバっとした痰)
- 呼吸困難:膿が大量にたまってくると自覚される
- 重症の場合は菌が全身をめぐるなどして、生命の危険がある状態となる
- 血液検査:炎症の程度を調べる、血液中に菌が入り込んでいないか調べる
- 画像検査:膿の溜まり具合を調べる
- 胸部レントゲン(X線)検査
- 胸部CT検査
- 細菌検査:胸腔に針を刺して膿を抜き出し(胸腔穿刺)、原因の病原体について調べる
- 細菌検査では病原体が分からないことも多い
- 胸腔穿刺
- 膿の原因菌を調べる
- 胸腔にたまっている膿や水が、本当に感染によるものなのかどうか調べる
膿胸の治療法
- 抗菌薬を使って細菌感染を治療する
- 抗菌薬は1ヶ月以上必要になることが多い
- 点滴の抗菌薬を使うことが多いが、治療経過がよければ飲み薬にすることも可能
- 胸腔内ドレナージ:胸腔に溜まっている膿を持続的に排出するために、体の外から胸腔に管を入れて置いておく
- 生理食塩水などを流し込んで洗い出す(胸腔内洗浄)こともある
- 抗菌薬や胸腔ドレナージおよび胸腔内洗浄などで改善しない場合、早期に手術で膿を取り除くことが重要
- 慢性膿胸になると治療が大掛かりになることが多いため
- 慢性膿胸になった場合は、感染が落ち着いた状態で外科的治療が必要になることが多い
- 胸膜の剥皮術、膿胸腔を縮小、閉鎖するための胸郭形成術など
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