退場宣告「君の質問は時間かかる」に、「やらせ記者」指摘で紛糾も 令和6年の騒然3会見
退場宣告「君の質問は時間かかる」に、「やらせ記者」指摘で紛糾も 令和6年の騒然3会見2024/12/29 09:00奥原 慎平- 政治
- 政局
令和6年の政界では、質問内容や進行を巡り混乱した記者会見も目立った。持論を唱え続ける記者に他の参加者が注意して言い合いになったり、秋の自民党総裁選では挑発的な質問にも紳士的に答える候補が現れたりした。近年の記者会見はユーチューブなどで生中継されるケースが多く、ユーザーの関心を引き付けるために「劇場型」になるパターンも増えている。
「呼んでくれたら行きますよ」
「うちの会見なので。そっちは番組をやっているでしょ。呼んでくれたら行きますよ。あなたたち2人が来て、カメラ回しているんでしょ。少なくとも営利目的でしょ」
「あなたたち2人頑張っていると思う。ここはアウェーでしょ。だから行くよ」
11月29日、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は、会見でネットメディア「アーク・タイムズ」の尾形聡彦編集長に対し、こう投げかけた。
尾形氏とキャスターの望月衣塑子氏(東京新聞記者)は、兵庫県の斎藤元彦知事が再選した11月の知事選に関して質問。立花氏も出馬し斎藤氏への応援を呼びかけたことの是非や、立花氏の街頭演説の内容が脅迫罪に当たるかどうかなどについて約40分、応酬を繰り返した。
2人は、アーク・タイムズのユーチューブ番組で会見の中継や識者との対談を行っている。立花氏は2人の質問が長時間に及ぶ様子をみて、29日夕以降ならば時間に制限なく、アーク・タイムズの番組に出演する考えを示した。
立花氏の提案に対し、尾形氏が「あと1問」「都合の悪い質問には…」と切り返すと、立花氏も立ち上がって「帰れ。君の質問に時間がかかるから、ほかの人の質問(する時間)を確保するために1時間でも2時間でも君のチャンネルに行ってやる」と述べ、退室を求める事態に発展した。
尾形氏は立花氏のユーチューブ番組出演に関しては「結構です」と応じなかったが、その理由は明確にしなかった。
「ここは質問するところだ」
「質問するところだ。態度悪いよ。次に回せ」。11月1日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が国会内で行った定例の記者会見。会見場の後方で、ベテランのフリーカメラマンの堀田喬氏はこう声を上げた。
この直前まで、フリーの横田一記者が榛葉氏に言葉を投げ続けていた。11日の首相指名選挙で決選投票になった場合、国民民主は立憲民主党の野田佳彦代表に投票すべきだと主張。榛葉氏が否定的に返すと、「国民はだまされた」と持論を重ねていた。
榛葉氏は、堀田氏の〝仕切り〟を「いい司会進行がいる」と冗談めかしたが、横田氏が堀田氏に「やらせ記者」と言うと、顔色を変えた。「失礼じゃないか。同業者に対して、やらせというのはダメだ」と厳しい口調で苦言を呈した。
横田氏は、平成29年に旧希望の党を結成した小池百合子都知事に記者会見で、安全保障や憲法改正で立場の異なるリベラル系の民進党議員の合流に応じるかを問い、「排除します」との言葉を引き出したこともある。普段は会見の終わり際を見極めた上で、大声で問いかけるケースも多い。指名されていなくても質問することもある。
後日、横田氏は榛葉氏の会見に出入り禁止となった。榛葉氏は「『ルールを守ってください』と言っても守らず、他のジャーナリストに暴言を吐いた」ためと説明する。
「知的レベルで恥かかないか」
自民党総裁選への出馬会見を行う小泉進次郎氏=9月6日、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)「首相になってG7サミットに出席したら、知的レベルの低さで恥をかくのでは。皆さん心配している。国力の低下にならないか」
小泉進次郎元環境相が9月27日投開票の自民党総裁選への立候補を表明した同6日の記者会見で、フリーの田中龍作記者はこう質問した。
小泉氏は「このような指摘を受けたことを肝に銘じて、これから『あいつマシになったな』と思ってもらえるようにしたい」と切り返した。
田中氏の「知的レベルの低さ」は極めて失礼で挑発的な言い回しに聞こえるが、平成21年の初当選時からマスコミに注目されてきた小泉氏は、切り返しに定評がある。
記者も平成30年ごろ、小泉氏が立ち上げた超党派議員連盟の名称が「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」だったことから、当時独身だった小泉氏に「平成のうちに結婚する考えはあるか」と尋ねたことがある。このとき、「その質問…女性の国会議員にするんですか」と切り返され、恥じ入った。(奥原慎平)
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