元国税専門官が驚いた、2億円のマンションを買えるのに、なぜ家賃1万円の社宅に住んでいるのか?
2026.03.13- #富裕層
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富裕層が大事にしている「お金の基本」・連載6
小林 義崇
フリーランスライター、Y-MARK合同会社代表
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実は日本に150万世帯もいる「純金融資産1億円以上5億円未満」の大半は、普通に働く、ごく「普通の人」――1月に刊行した『相続税調査でわかった 富裕層が大事にしている「お金の基本」』(講談社+α新書)の売れ行きが発売1ヵ月で3刷と好調だ。「普通の人」が富裕層のように億単位の資産を築くための考え方とやり方を解説する一冊。著者の小林義崇さんは国税局で10年あまり相続税の調査に従事し、多額の相続税を払うほどの富裕層がどのようにお金を増やしたのか丹念に見てきた。具体的に本書からいくつかのトピックをご紹介しよう。
『相続税調査でわかった 富裕層が大事にしている「お金の基本」』連載第6回
-AD-「元国税専門官が指南『借金は赤字の穴埋めではなく、資産を築く道具と考えるべし』」より続く。
その高級タワーマンション、本当に住みたい?
富裕層は、何を基準にお金の使い方を決めているのでしょうか。まず言えるのは、富裕層は、買おうとするものの「価値」をしっかり見定めているということです。
以前、不動産投資を扱う企業から声をかけられ、アジア某国で行われていた超高級物件の視察ツアーに参加したときのことです。日本円に換算して2億円は下らないという、天空に浮かぶような高層階の一室を見せてもらいました。寝室の窓から見渡せる景色が良く、室内には高級素材を使った家具や、モダンアートが飾られています。大理石を使ったキッチン、広いバルコニーのほか、景色を一望できる広いプールなどの充実した共用施設も魅力的で、誰もが羨む「成功の象徴」といった印象でした。
「これはすごい……!」初めて目にした高級レジデンスに感動しながらマンションのエントランスに戻ると、ツアー参加者の一人である男性が静かにベンチに腰掛けていました。年齢は私と同じくらいでしょうか。ごく普通のたたずまいの男性です。
「さっきの部屋、すごかったですね」と私から声をかけると、彼は、「そうですね。でも僕はここには住めません」と意外な答えを返してきたのです。
理由をたずねてみると、その男性は月の家賃が1万円にも満たない勤務先の狭い社宅に住んでおり、自分の住まいにお金をかける気はまったくないとのこと。普段も外食はほとんどせず自炊が基本で、お金を使うのはせいぜいオーガニック食材など、健康のための支出だけ。そのようなライフスタイルが快適なので、高級なタワーマンションに住みたいとはまったく思えないと言います。
photo by gettyimagesこの記事の全ての写真を見る(全5枚)ではなぜ視察ツアーに参加したのかと聞くと、相続した資産やご自身の収入の余剰があり、「ただお金を寝かせておくのはもったいないので、投資先として海外不動産を検討している」と話してくれました。
そう言われて、私はハッとしました。その高級物件が素敵だったことは間違いありませんが、「本当にここに住みたいか?」と自問すると、あまりピンと来ません。別にプールに毎日入りたいとは思いませんし、キッチンが大理石でなくともまったく構わない。
あらためて考えると、私がなぜ興奮していたのかといえば、「世間が考える豊かさ」という幻に心を奪われていたに過ぎません。その男性との会話を通じて私は我に返ることができました。
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