「公的な仕事を大事に」初孫誕生にもお喜び、紀子さま59歳 文書回答全文(下)
「公的な仕事を大事に」初孫誕生にもお喜び、紀子さま59歳 文書回答全文(下)

「公的な仕事を大事に」初孫誕生にもお喜び、紀子さま59歳 文書回答全文(下)

「公的な仕事を大事に」初孫誕生にもお喜び、紀子さま59歳 文書回答全文(下)2025/9/11 08:02
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反応反応秋篠宮妃紀子さま=東京都東久留米市の自由学園記念講堂

秋篠宮妃紀子さまが11日の59歳の誕生日に際し、宮内記者会の質問に回答された文書の全文(下)は次の通り。

大阪・関西万博での出会い

「今年の4月12日、55年ぶりに大阪を舞台とする2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開幕しました。宮さまとご一緒に開会式に出席し、その後、一人で5月23日のオーストリアのナショナルデーに、また、宮さまと二人で7月3日のジャパンデーに会場を訪れる機会がありました」

「万博会場を見渡すことができる大屋根リングには、開催前の3月と、4月の開会式前に上りました。リングでは、世界の人々が集い、交流し、さまざまな出会いが生まれるだろうと感じ取ることができる時間でした」

「万博を訪れた人々が、これまでなじみのなかった国や地域、そしてパビリオンが伝えるそれぞれのメッセージに出会い、会場ではさまざまな交流が盛んにおこなわれているような印象を受けています。こうしたことが、地球規模でものごとを考えるきっかけになると思いました。私自身も、会場を訪問し、関係者のお話をうかがったり、イベントに参加したりすることによって、新たな視点を持ち、多くの学びを得ることができました」

「訪ねたパビリオンの数は限られていましたが、同じ会場内で、最新のデジタル技術や映像を体験できる場所と、人と人とが対話する場所、伝統的な文化にふれる場所とが隣り合う万博ならではの経験をすることができたように思います」

「5月に出席したオーストリアのナショナルデーの行事の折に一人で訪れたスイスやオーストリア、そして7月に宮さまとご一緒した次期開催国サウジアラビアのパビリオンでは、それぞれの国の文化や歴史がAIなどの先端技術を駆使して紹介されていました。リサイクル可能な素材で作られたスイス館、楽譜のような外観で音楽にあふれていたオーストリア館、石造りのサウジアラビア館、それぞれデザインが印象的でした」

「7月に宮さまとご一緒に訪ねた廃校となった木造の小学校を移築して再利用した日本のシグネチャーパビリオンも印象に残っています。また5月に一人で訪ねた『国際赤十字・赤新月運動館』では、世界の紛争地域や東日本大震災の被災地などで救護活動に従事する人々の実際を知り、尊い使命感を持って現場で活躍する医療関係者の方々のことを考えました。来館者が言葉を寄せるメッセージウォールに一言を、と主催者からその場で勧められ、ゆっくり考えながら『大切な命 できることをおこなっていきたい』と書きました」

「万博では、期間限定の展示やイベントもおこなわれています。5月に会場を訪れたときにおこなわれていた希少・難治性疾患の当事者団体のイベントでは、難病の患者が『病とともに生きる』ことに寄り添い、患者とその家族を支えていくことの大切さを学びました。このときのご縁で、東京で開催された視神経脊髄炎患者とそのご家族を支援するチャリティーコンサートに行きました。万博会場での出会いが、新たな出会いにつながりました」

「また、万博の会場と運営を支えている関係者が働く場所を訪ねたことも、心に残っています。天候や気温が変わる状況下で、会場で体調を崩した人の救護に取り組む人や、多くの人が移動するときに混乱が生じないように駐車場などで来場者を誘導する人、万博のパビリオンや数多くのイベントについて来場者に的確に分かりやすく案内する人、気持ちよく会場で過ごしてもらえるように清掃に励む人など、万博を日々支え、来場者が安心して安全に万博を体験できるよう尽力されている関係者に頭が下がる思いでした」

「『いのち輝く未来社会のデザイン』をテーマとする博覧会も、閉幕まであと1ヶ月になりますが、多くの人々がこの会場に集い、つながり、パビリオンや会期中に実施されるイベントやパフォーマンスを通して得た経験によって、さまざまな『いのち』を大切に思い、未来に思いを馳せ、世界共通の課題についても理解を深めていくことを願っています」

金沢市から奥能登へ、珠洲市を訪ねて

「この一年間をふり返ったとき、次のような大切な出会いもありました。昨年9月の誕生日の数日後に訪ねた金沢市と奥能登の珠洲市、そして今年の3月と5月に訪ねた珠洲市での出来事や出会いです」

「珠洲市を訪ねた直接のきっかけは、自治体の集団検診でした。私が総裁を務める結核予防会の全国の支部では、事業の一つとして、住民向けの集団検診を市町村から委託されておこなっています。昨年元日に起きた能登半島地震で、奥能登地方は大きな被害に見舞われ、結核予防会石川県支部を兼ねる石川県成人病予防センターが春におこなう予定だった検診が延期になりました。その後、9月から輪島市、珠洲市、穴水町、能登町で検診が順次実施されるとの連絡を受けて、公的な日程との関係で都合がつく珠洲市の検診会場に行くことにしました」

「検診会場の珠洲市健康増進センターには、雨漏りや廊下にできた段差など、震災の影響が残り、検診に携わる医療関係者の中には、ご自身も被災しながら避難所で住民の支援にあたってきた方もいました。被災した方々が不安や心配を抱えつつも、互いに助け合い支えあっていることに胸が熱くなりました」

「また全国のボーイスカウトが被災地支援のために集めた募金を活用し、ボーイスカウト石川県支部が中心になって市役所前の広場でおこなっていたイベントに参加しました。つきたてのお餅で作ったお大福を手渡していたときに、地元の人たちがいろいろな思いを率直に話してくださったことも心に残っています」

「東京に戻ってから数日後、奥能登地域が豪雨に見舞われ、地震からの復旧・復興に向かっていた矢先に再び被災した現地の人たちのことを案じていました。なにかできることがないかと思いながら、次に訪ねる時期を考えました」

「奥能登の海岸沿いに桜の花が咲いていた今年3月に、再び珠洲市の健康増進センターへ、お母さんと子ども、保健師の皆さんに会いに行きました。その中には、昨年4月、出産をひかえて奥能登から避難していた金沢市の施設でお会いした当時妊婦だった方々もいらして、その後生まれた子どもと一緒に遊んでおられ、また出産を控えているお母さんもいらして、皆でしばらくお話をしたり、絵本を読んだりしました。センター長に誘われて、上の階に上がると20名近くの食生活改善推進協議会の皆さんが賑やかに話し合われ、その中には昨年9月の広場でのイベントに参加された方々もいました。協議会の説明とともに珠洲の郷土料理、ふるさとの味を紹介してくださいました。その後訪れた地元の人たちの交流スペースでは、被災後の生活や地震と津波で被害を受けた『キリコ』(祭礼で担がれる大きな切子灯籠)のお話、お祭りに向けての想いや願いも語ってくださいました。お目にかかった方々の語る言葉から、ふるさとを思う強い気持ちが伝わってきました」

「そして今年5月の下旬、一日を珠洲市民図書館で過ごしました。地震のために図書館の建物の外周には段差ができましたが、書架から落下した本を収め直し、安全を確保しながら地震の8日後に開館したそうです。館内には、中高生がおしゃべりをしたり、勉強をしたりできる部屋もあり、仮設住宅に住む市民も含めて珠洲の人々の憩いの場所として利用されていると伺いました。また、図書館が市民の待ち合わせ場所にもなっており、落ち着く、安心できる大切な場であることを感じました」

「またその図書館では、東日本大震災の後に子どもの心のケアとして、キャンプや子育てイベントの活動を福島県などでおこなってきた仲間たちと『おもちゃ あそびのひろば』を開催しました。子どもたちやご家族とおもちゃを作ったり、絵本を読んだりするイベントです。私は装飾と絵本の係の一人だったので、図書館に到着後すぐに、図書館の関係者とも相談して、白い壁に茶色のフェルトを切って作った大きな木の枝に色紙の花を咲かせ、蝶や青虫、カエルなどの生き物が暮らす『ひろば』を作りました。昨年9月に珠洲を訪ねて以来親しくなった知人も一緒に手伝ってくださいました。広場に集まってきた園児や小学生の子どもたちに絵本を読んだり、子どもが手に取った本を見ながら一緒に話を作ったり、絵本を読みながら内容に合わせて身体を動かしたりと、本の世界を子どもたちと思う存分楽しみました。会場で、子どもたちに民話や昔話の読み聞かせをしている珠洲の『どんぐりの会』の方々にお会いできたことも、心に残る出来事でした」

「このように、一つ一つの出会いや出来事が互いに関わり合い、新たな出会いにつながっていくということを幾度も経験した一年でした」

「今年は例年よりも気温が高くなるのが早く、夏は高温の日が多く、残暑が続いています。記録的な大雨が降った地域もあれば、水不足の地域もありました。『命に関わる暑さ』『体温より高い気温』という言葉も度々耳にしました。このような極端な気象によって、生活や健康に影響を受けた人々のこと、植物などの生き物のことも案じています」

「最後に、家族のこと、子どもたちについてふれます。今年の春に悠仁が高校を卒業し大学へ進学したこと、眞子の子ども、つまり宮さまと私にとって初めての孫が誕生したことがとても嬉しく、6月に佳子が一人でブラジルを公式訪問したことも、それぞれ私にとりまして大きな出来事でした。そして、先日、悠仁が19歳の誕生日に成年式をおこなったことは、家族にとっても大きな節目の一つであると思います。大人になった子どもたちの姿を見ると、ここまでの年月を宮さまとともに過ごしてきたことをありがたく思います」

<現在の体調>

「今年の6月に、結婚35周年を迎えました。お互いに体調を気づかい合うことも増えてきました。宮さまは公的なお仕事が続くこともありますので、お身体をお休めになる時間をお取りいただけるように心がけております」

「初夏に喉の調子がすぐれないことがありました。これがきっかけで、体調を維持できるように、以前よりも室内の気温や湿度にも気をつけるようになりました。そのような中で、宮さまや子どもたちの優しい思いや言葉、周囲の人々の心遣いによって、体が楽になっていくようです」

<今後の抱負>

「これまで、さまざまな公的な仕事に携わり、その中での出会いや学びがあり、仕事を進めていく上で、多くの方々に支えられ、お力をいただいていることに感謝しております。今後も公的な仕事を大事に務めてまいりたいと思います」

「総裁をしている結核予防会や母子愛育会の仕事に携わる中で、人々の心身の健康が守られることを願ってきました。これからも人々の命と暮らしを守るために尽力する関係者と共に、私の立場でできることに取り組んでいきたいと思います」

--ご家族について伺います。佳子さまのブラジル公式訪問などのご活動や家庭でのご様子をどうご覧になっていますか。佳子さまの結婚や将来についてご家族で話し合われていることがあればお聞かせ下さい。秋篠宮さま、悠仁さまを含め、最近のご家族のエピソードをお聞かせ下さい。現在米国で生活する小室眞子さんの第1子出産についてお慶び申し上げます。ご夫妻にとって初孫が誕生したことについての感想や親子の様子を可能な範囲でお聞かせ下さい。

<佳子のブラジル公式訪問などの活動>

「この一年も佳子は、国内そして海外でもさまざまな公的な活動がありました。これまで以上に、それぞれの務めに心を尽くして取り組んでいるように感じられ、心強く思っております」

「ご質問いただいた、ブラジルの公式訪問についてですが、ブラジルであたたかくお迎えいただいたことにとても感謝していました。帰国後、佳子は訪問先での出来事やお会いした方々のことを話してくれました。佳子がお会いした方の中には、宮さまと私が10年前に日ブラジル外交関係樹立120周年の機会に訪問したときお目にかかった方や、以前にブラジル日本語センター主催の『ふれあい日本の旅』に参加して宮邸を訪ねてくださった方々もいらっしゃったそうです。交流の絆がつながっていくことを大変うれしく思いました」

「佳子がブラジルを訪問していた期間に開催された『産経児童出版文化賞授賞式』には、私が代わりに出席しました。7年ぶりのことでした。式典に出席するにあたり、佳子は以前の受賞作品のことをいろいろと話してくれました。今回、写真絵本の作品で大賞を受けられた大西暢夫さんは、以前に私が式典に出席した平成23(2011)年にも大賞を受けられ、久しぶりにお目にかかる機会になりました。長く審査員を務められている方々にも再会し、児童出版に関わる方々の変わらぬ熱い思いを伺うことができました」

<佳子の結婚や将来について>

「これまで国内外で重ねてきた経験を活かして、務めに励んでもらいたいと思います。そして彼女らしい生き方、幸せを心から願っています」

<家族のエピソード>

「宮さまと、仕事を終えた夕方の時間などに二人で美術の展覧会に出かけることがあります。ゆっくり作品を鑑賞し、ミュージアムショップに立ち寄って絵葉書やクリアファイルをそれぞれ選んで求め、感想を話し合いながら帰るのが一つの楽しみです。クリアファイルはすぐに書類を入れて使ったり、しばらく手元に置いたり、クリアファイルは二人の小さなブームになっています」

「佳子が彼女らしい言葉を家族にかけてくれることが度々あります。たとえば、3月に悠仁が成年にあたっての初めて記者会見に臨む前には、自分の経験を思い出しながらアドバイスをしていました。親としてほほえましく、うれしく感じました」

「悠仁は今年の春に運転免許証を取得しました。その後、宮さまが大学時代から愛用されてきた山吹色のビートルを時々運転しています。この車は家族のさまざまな思い出を乗せてきました。今では宮さまが助手席に乗ることもあり、二人で御用地内をドライブして楽しんでいることもあります」

<初孫が誕生したことについての感想・親子の様子>

「今年の春に孫が誕生したことを、家族そろって大変うれしく思っています。自分がそのような年齢になったのかと不思議な気持ちになりました。どのような名前で呼んでもらおうかしらと考えたり、子どもたちが小さかったときに読んでいた絵本を取り出して、膝の上にのせて絵本を一緒に読んでいたときのことを思い出したり、ぬいぐるみやおもちゃで遊んだことを懐かしんだりしています」

「眞子たちは、遠く離れて海外に暮らしています。孫が少しずつ遠出できるようになり、旅行をすることに慣れてから、よいタイミングで日本を訪れてくれたらと思っています。そしていつか、木香薔薇のアーチがある庭を一緒にゆっくりと歩いたり、ピクニックをしたりするのはどうかしらと思いをめぐらしています」

「2人が初めての子どもを慈しみ育てているようでほほえましく感じています。家族3人の穏やかな日々と幸せを心から願っています」

紀子さまの文書回答全文(上)悠仁さまの成年式にご感慨、多くの出会いに謝意

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