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 人間の道路ではすぐに渋滞が発生するのに、アリの行列は驚くほどスムーズに流れる。小さな昆虫の世界に潜む「渋滞知らずの秘密」は、私たちが学ぶべき“集団行動の知恵”が隠されています。

■ ①「フェロモンの道」が絶妙に誘導する

 アリは餌を探してうろつき、見つけるとフェロモンを残しながら巣へ戻ります。周囲のアリはそのフェロモンを感知して同じ道を辿るようになります。そして渋滞しそうになると別の道を探して、アリたちは自然と別の道に流れていきます。まるで“自動的に迂回路を選ぶナビゲーション”のように、群れ全体が最適なルートへと誘導されるのです。

■ ② アリは「一定距離」を保つ

 アリは追い越しや急停止をせず、ほぼ一定の速度で進み、適切な間隔を取り、詰まりを防ぎます。これが流れを乱さず、渋滞を防ぐ大きな要因です。車に例えるなら「自動追従システム(ACC)」のような仕組みを全個体が自然と持っています。

■ ③ “ルールを守る”から混乱が起きない

 アリは「餌を巣に運ぶ」という同じ目的を共有しており、個々の利益よりも群れ全体の効率を優先するため、無理な追い越しや競争が起きません。「個々の判断で勝手に動かない」という点が、渋滞を防ぐ最大のポイントです。

(出典:ナゾロジー なぜアリの群れは交通渋滞を起こさないの?)

(出典:Mobility Transformation アリが自動運転技術を前進させ、縦割りが日本のMaaSをダメにする)

「自動運転の研究モデル」にもなっている

 アリは高密度で列をなして進んでも交通渋滞を起こしません。採餌行列を解析したところ、アリは3匹から20匹の小さなグループを作り、互いに適度な距離を保ちながら一定の速度で進み、仲間を追い越さないことが分かりました。研究者はこの協調戦略を自動運転車に応用し、車両同士が情報を共有して速度と車間距離を一定に保ち、追い越しを控えることで交通の流れを最適化できると考えています。

(出典:日本経済新聞 アリに学ぶ渋滞予防、追い越しせず車間取る 自動運転車の制御にも)

そしてその習性は、私たちの生活に身近な「虫除け」にも応用できます。アリはフェロモンの道を頼りに行列を作りますが、逆に言えば“匂いの遮断”や“ルートの分断”が行動を乱す最大の弱点です。例えば、レモングラスやハッカなどの強い香りはアリのフェロモン伝達を妨げ、行列を途切れさせる効果があると知られています。また、食器用洗剤(中性洗剤)を薄めてスプレーすれば、アリのフェロモンの道を洗い流して“ナビゲーションを乱す”ことが可能です。

つまり、アリの「渋滞知らずの知恵」を理解することは、道路の未来を考えるだけでなく、家庭での虫対策にも役立つのです。

まとめ:アリから学ぶ自動運転の未来と虫除け対策~アリの行列はなぜ渋滞しないのか~

 アリの行列が渋滞しないのは、フェロモンがつくる“最適ルート”を全個体が共有し、ムダな追い越しや停止をしないためです。この高度な交通システムは、自動運転や道路設計の未来を考える上で大きなヒントを与えてくれます。

 さらに、この習性は私たちの暮らしにも応用できます。アリはフェロモンの道を頼りに列を保っているため、レモングラス・ハッカの香りで“匂いを遮断する” 中性洗剤スプレーで“フェロモンの道を洗い流す”といった方法で、アリの行動を乱し、家庭での虫除けに活かすことができます。アリの行列に隠された“渋滞知らずの習性”は、技術革新から日常の虫対策まで、幅広く応用できる自然からのヒントといえるでしょう。

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